名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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混迷
カテゴリ★インターセプト3
※新一視点。
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夜空に浮かぶ三日月が美しい。

眼下の左半分に瞬く街の夜景。だが、右半分は真っ暗だ。


ああ…そうか。

右側は。

海だからだ。

そうだ、海風が強く吹いている…。



ここは、どこだろう?

とても高い場所だ。

オレは…飛び降りようとしているのか?

腕に抱いているものが身動ぐ。

灰原。

そうだ。早くここから飛び降りて、灰原を助けなければ。

前を見る。暗い空。瞬く街の灯。

けど…どうやって。
飛び降りたら─────墜ちて、死ぬ。






どん、と肩を押された。






〝飛べ、工藤〟






──────え?




〝その子を放すな〟



体が宙に放り出される。
空虚を裂いて、真っ逆さまに墜ちてゆく。

〝大丈夫〟というように微笑んでいる快斗の顔が、刹那に見えた気がした。





《うわあああーーーっ!!!》




(はっ…?)

叫んでいるのが自分だと気付いて目が覚めた。

ハァ…ハァ…という荒い息と大きな鼓動が、体を震わせている。
ベッドの上だった。オレはシーツにくるまって自分の体を抱えていた。

どこだ……ここは?

薄陽が射している。
壁の高い位置に嵌めごろしの小窓が連なるアイボリーの壁。
病院────ではない。

「工藤くん、僕です。判りますか」

不意に話しかけられて驚く。
白馬だった。
ますます混乱する。

片隅に置かれた椅子から白馬が立ち上がるところだった。声をかけられるまで、部屋に白馬がいる事にも気付いていなかった。

いまはいつだ。

なぜ白馬がいるんだ。

夢は。────あれは、夢だったのか。

違う。あれは、

あれは…現実だ!!

オレは跳ね起きた。
とたんにギシリと体が軋しむ。脚に力が入らず、床の上に崩れて膝を着いた。

何をしている、立て!
早く戻らないと、あそこには快斗が。快斗が…オレを逃がしたのを、ジン達に見られているんだ…!!

「どうするつもりです、工藤くん」

醒めた声が頭の上から降ってくる。
オレの前に屈み込んだ白馬の目には、剣呑な光が宿っていた。

「状況も判ってないのに、何をしようというのですか」

「うるさい…、戻るんだ、オレはあそこに」

「阿笠博士が通報したオフィスのことなら、昨日のうちに警察が捜査済みです。めぼしいものは何も出てこなかったようだ」

「何も…? 嘘だ!」

「嘘を付いているのは君でしょう」

「なにっ」

「君はなぜ一人で行動したんですか。何かあれば知らせてほしいと言ってあったはずです!」

身に着けた検査着の胸ぐらを白馬につかまれ、持ち上げられるようにしてオレは立ち上がった。

「説明してください…! 昨夜なにがあったんです。君はなぜ」

オレを睨む白馬が顔を歪ませた。喉の奥から絞り出される問い。

「なぜ…君は〝怪盗の翼〟で飛んでいたんですか」

「…………」


快斗が。

オレを逃がすために。

言おうとしたが、声にならない。

その名を出せば、取り乱し、叫び出してまいそうだった。

姿を消した快斗が、なぜバーボンに変装して奴らのアジトにいたのか。オレにも分からない。
だから焦っている。
快斗がどうなったのか。
恐ろしい想像ばかりが浮かぶ。

「僕は昨夜、この叔父の研究所で怪盗キッドが関わった事件の詳細を調べ直していたんです。そこへキッドが都内を飛行しているという知らせを受けた。僕はすぐに所員に車を出させてキッドを追いました。まさか、白い翼で飛んでいるのが君だとは思わずにね」

「…………」

「そして、C区の内堀付近に墜ちた君たちを真っ先に見つけたんです。咄嗟の判断でしたが、警察や他の野次馬が集まる前に君たちを回収しました。なぜなら、どうしても君に直接訊く必要があったからだ。君は、怪盗キッドに会ったんですか?!」

────コンコン。

ノックの音に、白馬が息を呑んで顔を上げる。オレもドアを振り向いた。

「灰原…!」

検査着姿の灰原が、阿笠博士の腕に抱きかかえられてそこにいた。

「おせっかいね、工藤くん。私のことなんか放っておけば良いのに…」

「これ、哀くん」

やつれていても相変わらずな灰原の減らず口と、阿笠博士のいつも通りの困り顔に、目覚めてからオレは初めて一つ安堵の息をついた。

「たいした怪我じゃなくてよかったのう、新一。怪盗キッドの翼で脱出してくるとは驚いたぞ。警察も飛んどったのが新一だとは思っとらんじゃろう」

「変声機であなたのふりして目暮警部に電話しておいたわ。〝ヘリが着く前に脱出して無事ですから、オレの事はご心配なく〟って」

「…………」

かろうじてキッドとの繋がりは伏せておいてくれたという事か。
しかし、そんな事はもうどうでもいい。快斗がどうなったかを考えるだけで頭が灼き切れそうだ。

「それにしても怪盗キッドが〝こっち〟に絡んでくるなんてね」

「何か知ってるのか、灰原!」

白馬がオレの襟を離し、灰原に向き直る。

「灰原哀さん、あなたが知っていることを僕らに教えてもらいたい。もし本当に怪盗キッドが君のいた組織に関わっているのなら」

灰原が小さくため息を漏らした。

「……仕方ないわね。どうやら、これまでのように息を潜めて隠れてるわけにいかなくなったみたいだし」

「灰原、黒づくめの奴らのこと、話してくれるのか?!」

「あまり期待しないで。私だって組織の全てを知ってるわけじゃないわ。逃げ出してから数ヶ月経つ間に組織も変わったみたい。でも、まず真っ先に調べなければならない〝もの〟がある」

「なんです、それは?」

「〝パンドラ〟よ。もしかしたら組織の変化は、〝パンドラ〟の出現のせいかもしれないわ」





20131007

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※ひー またしても振るだけ振って続きます…(*_*;

●拍手御礼
「月光リフレクション」へ、拍手ありがとうございました~(*^^*)!

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