moonlight 新一×快斗

発露
カテゴリ★インターセプト３
※ウォッカ視点～快斗くん視点へ。各々独り語り状態(*_*;
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ヘリを棄てて移動すると知った〝K〟のポーカーフェイスが、僅かだが動いた。

ネズミどもの目に一度晒したヘリを間を於かずに飛ばすのは、確かに危険だ。だが、ここまで徹底する兄貴の周到さはさすがだ。

それでも半分もったいねえと思いながら、おれは念のため余計な痕跡を残さねえようヘリをチェックしていた。そして自動操縦装置をセットし、爆薬を取り付け、ヘリを降りて最後に何気なく振り向いた。

すると、目線の高さで何かがちらりと光ったのだ。後部シートの下の隙間。
何だ…？
小型の懐中電灯をかざすと、ハッキリ光が反射した。

腕を突っ込んで取り出した。

それは手のひらに収まるほどの、真ん中が窪んだ形をした───おそらくは宝石が取り付けられていたはずの、台座だった。







・・ー・・・・・ー・・・・・ー・・

   


息苦しくて目が覚めた。

ここは……どこだろう？

喉に巻かれた革のネックベルトに指を差し入れ、隙間を作って数回深呼吸した。

肩が痛い。
そうか…車に乗ってすぐに目隠しされて、薬を打たれて眠らされたんだ。
どのくらい経ったのか判らないが、すでに移動は済んだのだろう。

「……」

周囲を見渡し、病院の診察台のような小さなベッドから立ち上がった。
移動前に囚われていた部屋と大差はない。

それにしてもジンは本当に用心深い。ああもヘリを簡単に棄ててしまうとは。
工藤がくれた〝細い糸〟も、あっという間に絶たれてしまった。

一つ溜息を付いて、背伸びをした。

体はまだ重かったが、頭は幾分すっきりしている。皮肉だが、ぐっすり眠ったおかげだろう。

推測でしかないが、移動と言ってもたぶんさほどの距離じゃない。
接近するボレー彗星を最も良く観測できるのは日本だ。ジンたち日本にいる組織の主要メンバーは、当面日本から動かないはずだ。
そしてジンたちが身を潜め暗躍するのに適した場所と言えば───やはり大都市東京をおいてない。

それに。
一度スコープに工藤の姿を捉えたジンが、工藤を〝視界〟から外すことはない。そんな気がした。


ふっとベルツリー・タワーでの一瞬がフラッシュバックする。
壁に両手を着いて目を閉じた。

何本もの眩いライトに照射された黒いヘリ。何かを叫ぶ工藤の顔…。

ジンは、なぜ撃たなかったのだろう。

俺の背を打ち抜いて工藤を狙うかと思ったが、そうしなかった。
確実ではないと判断したからか。

つまり、まだ望みはある。

生きていれば、どこかでチャンスが訪れる。

パンドラの真実を知るチャンスが。
ジンたち組織を崩すキッカケを掴むチャンスが。
工藤に報いるチャンスが。
その時まで。それまでは───。


「〝K〟、目が覚めてんなら来い。シャワーを使え。着替えるんだ」

「…！」

威圧を覚える低い声。
いつの間にか、開いたドアの向こうにウォッカが立っていた。
俺はポーカーフェイスに戻って頷いた。

常にジンを立て、ジンの後ろに控えていたこれまでのウォッカとは違う気配が漂っているようだった。






20141026
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※話の途中ですが、少し間を空けます(+_+)。動きのあるところまで進めようとしたんですが、とにかくupに時間がかかってしまい、読まれる方も飽きちゃうかなと思うので…(汗)。
少し別の短編を挟んで、またつづけます～(*_*;

●拍手御礼
「生贄」「陰夢」「運命の白い女神」「迷い鳥」「幻の彗星」「★ウエストサイド」「コールナンバー」へ、拍手ありがとうございました///

（ひとりごと）
毎週まじ快アニメが見られて楽しいです♪ 昨日は白馬くん！ 来週は紅子ちゃんも登場！ いよいよメンバーが揃う～(*^^*)!!

[10回]