名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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待ち人(新一×快斗)R18

――――――――――――――――――

水曜の夜になって、やっと工藤の呼び出しに応じることが出来た。


大阪で〝イベント〟を終えた後、張り詰めていたココロとカラダをゆっくり休める間もなく翌朝すぐの登校で、さすがに昨日までは工藤の処へ行くキリョクがなかった。

だって……行けば、100パー押し倒される。
前もそうだった――。デカいヤマの後は。

今回は日曜午後七時台にテレビの報道中継もあったし、東京にいても状況は逐一分かっただろうから……たぶん、なおさら。
なおさら工藤はイラついたに違いない。

服部から俺の連絡先を知りたいと言ってきたらしいけど、どうしたかな。
別にいいよ、と返事したけど……。







案の定、工藤はろくに言葉も交わさぬうちから求めてきた。これまでにも近い状況を経験して、分かってて来たんだから覚悟はしてるんだけど。
……それにしても。

コワい。

少し間が空いたせいもあって、こっちはカラダがついていかない。
しかし工藤はお構いなしで――というか、わざとかと思うくらい乱暴に俺を突き飛ばしてひん剥いてなぶり始めた。

もっとゆっくり……と思わず声に出してしまったがダメだった。勢いのまま貫かれ、強く押し拓かれる衝撃に悲鳴を上げて仰け反った。

熱い。悲鳴が――堪えようと思っていても、食いしばった歯の隙間から漏れ出てしまう。

突き動かされる工藤の勢いは加速するばかりで容赦がない。苦しい。


こんな時の工藤は、どこにも吐き出せない全ての感情を俺にぶつけてくる。原因は俺なのだから、分かっていて工藤のもとを訪れているのだから――俺は堪えるしかない。
鬱屈した愛情表現と、歪んだ贖罪。それが今の俺たちだった。








ひんやり。

「……」

気が付いた。濡らしたタオルで工藤が動けない俺の汗を拭ってくれる。

さんざん手荒く扱っておいて、一息つくと妙に穏やかになるのも前と同じだ。
あれだけ〝苛立ち〟をぶちまけてくれたんだから、あとは優しくするしかないんだろう――。

(あ、つっ…!)

体を起こそうとしたが、鈍い痛みが走って顔をしかめた。

「何がしたいんだろうな、オレ……」

「…え?」

「――快斗を」

オレだけのものにしたくて。

ベッドに腰を下ろしたバスローブ姿の工藤が呟く。

「…………」

「できるわけないのにな。ごめん」

「……謝るくらいなら最初から加減しろよ。もたねえっつの」

「悪かった」

工藤の手のひらが頬を包む。


――俺の正体を知っていて、それを誰にも知らせず、仇敵のはずの〝怪盗〟と想いを通わせる。
黙っている限り、工藤にとってこの関係は〝共犯者〟だ。

いつまでもつか分からない、危うい関係。

互いに近付かなければ良かったのだ。しかしもうとうに遅い。たとえ互いを苦しめると判っていても離れられない。そのくらい惹かれ合っている。言い表せないほど――。

「俺も…すぐ来れなくて」

「いや。オレが無理言ったんだ。どうしても逢いたかった。抱き締めたくて……ずっと…待ってた」


その言葉を最後に工藤は黙り込んだ。


俺から顔を背けて――たぶん、泣いていた。






20120229



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