名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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追憶(盗一×優作)

――――――――――――――――――

白い姿の怪盗は私の前で恭しく礼をし、その口元を綻ばせた。


『それでは――私の愛しい〝名探偵〟工藤優作殿――またお会いいたしましょう。ご機嫌よう』


マントを翻して軽やかに飛び去る怪盗の美しい姿。永遠に私の目の網膜に焼き付いた……。


盗一。私の〝怪盗〟。


『お互い帰る巣を持つ身、こうして想いを通わせるのは終わりにしましょう。……当面は』

えっ、と声をあげかけた私に向かって最後に一言付け足すと、盗一はクスリと笑った。赤くなった私を抱き締めて。



私は君の〝忘れ形見〟に逢ったのだよ。

君と奥方の聡明さと美貌、そして華麗な技をも受け継いだ少年。

驚くことに君と私の息子は、あの頃の私達と同じ様に、互いに競い合い、そして慕い合う仲らしいのだ。
こんな巡り合わせが在るものだろうか……!


盗一……。あの日飛び去る君を引き留めれば良かった。行くなと縋って、君を困らせてでも引き留めれば良かったのだ。

そうすれば、あの仕組まれた〝事故〟に、あの時のショーに向かう便に遅れ、君の運命は……あの少年の運命は変わっていたかもしれない。
仮定しても詮無いことだが、ついそう考えると――私は堪らない思いに囚われる。


盗一。私は今も君に惹かれている。君の美しく凛とした佇まいは私の憧れだった。


愛している―――私の〝怪盗〟。


私の、怪盗キッド。君を。


今も。この先も。永遠に――。








20120301


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