名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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デジャヴ《1/2》
(新快+盗優 前提)優作&快斗
―――――――――――――――

『目を疑う』という表現はこういう事をいうのだろう。

それでも白い姿のマジシャンが舞い降りるのを目の前にした時、強烈な既視感にとらわれて私は立ち尽くした。

もちろんニュースで見知ってはいたし、新一からも何度か聞かされていた。〝二代目〟怪盗キッドのことは。

それでも、傷を負ったマジシャンがこの屋敷を訪ねてくるほど、新一とこの二代目キッドの間に信頼関係が築かれていようとは信じられなかった。

探偵と怪盗。
私たちの時よりもさらに背徳的ではないか。驚くと同時にある種の感慨を……懐かしい胸の傷みを思い起こさずにはいられなかった。


まだ少年だ。
抱き上げると、思いのほか細く、若いしなやかさが伝わってくる。新一と同い年のはずだ。…16か17。
〝彼〟も若かったが、それよりさらに年若い。幼さすら残る頬に散った血の飛沫が私の胸を抉った。

なぜ、こんな危険を冒してまで……。


シルクハットとモノクル、マントも外してソファーに寝かせる。上着も脱がせ、シャツ一枚にした。朱のタイを解いて引き抜く時に言いようのない想いに満たされたが、努めて感情は振り払った。
少年のシャツを寛げて肩の傷口を改める。
肩口を掠めた銃創。幸い、大きな傷ではなかったが、あと10センチ…いや数センチずれていたら命取りにさえなりかねない。〝彼〟が健在であったなら、一人息子が自分のために命まで賭けるような真似をするなど決して許すはずがないだろうに。


「――う…。ツッ……」

「動かないで。少し我慢して」

ぼんやり目を開けた少年は、小さな声で『ワリィ、ドジった』とつぶやいた。
まだ私に気付いていない。新一だと思っているようだ。
ふぅーと大きく溜め息をついて身じろぐ。

「名探偵が家にいてくれて助かったぜ、今日は――……」

そこまで喋って、ハッとしたように少年は体を強ばらせた。目を見開いて私を見詰める。

「あ――あなた、は――?」

あまり驚かせても可哀想だ。傷にも障る。私は直ぐにこの若いマジシャンに種明かしをした。

「私は新一の父親だ。工藤優作。君に逢えて嬉しいよ、二代目怪盗キッドの――黒羽快斗君」

よほど驚いたのだろう。
顔を赤くして呆気にとられたように、ただただ私を見つめ返している。

こうしてみると……面差しは母親の〝淑女〟の方により似ているかもしれない……父と母のそれぞれの美しさをきちんと受け継いでいる。まるで我が子のように愛おしさが込み上げるのを抑えられない。

少年は自分の顔に手を当てモノクルが失われている事に気付くと唇を噛んだ。向かいのソファーに掛けられた自らの衣装に視線を泳がせている。

「私に正体を隠す必要はないよ。今も言ったとおり、私は君を知っている」

この状況で足掻いても意味がないと悟ったのだろう。諦めたような、半分不貞くされたような表情を浮かべ、黒羽快斗は私から顔を背けた。

血を拭った傷口に抗菌剤を塗布したガーゼを当て、テープで留めた。

「肩の傷はそれほど心配ない。化膿しないように気をつけて。それより墜ちた時に頭を打ったりしてないかい」

「……大丈夫です」

「それならいいが。これに懲りたら無茶はやめることだね。君のご両親だって心配する」

「…………」

何か言いかけてやめる。
父はとうに他界し、母は海の向こうだ。そう言おうとでもしたのだろうか。

「君の父上とは少なからず縁があったのでね。――若い頃に」




つづく

―――――――――――――


まとめたかったのですが、もう少し長くなりそうなので一度切ります;;
明日ちゃんと後半アップできるよう頑張ります~(*_*;

さらに補足とイイワケ
厳密に言うと「既視感」の正確な意味とちょっと違うかもなのですが、優作さんが二代目キッドを目にするのは初めてという事で……ご了承下さい;
そしてお父さんまでついに出してしまってスミマセン~(;_;)

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