名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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デジャヴ《2/2》
(新快+盗優 前提)優作&快斗
―――――――――――――――

「……君の父上とは少なからず縁があったのでね。――若い頃に」

図らずも〝KID〟の称号を怪盗に与えた事を。あるいは今の新一とこの少年のように『好敵手』でありながら他人には伺い知れ無い『絆』を契っていた事を――。
〝彼〟の形見の少年を前にして、突き刺さるかと思うほどの胸の痛みを伴って思い出す。

「あの……工藤は……?」

「……ああ。妻が旧友に会いに行くお供を仰せつかってね、一緒に出掛けたんだ。ずいぶん渋っていたが、もしかしたら君がここへ現れると予感していたのかもしれないな」

「すみません。俺、ここには工藤しかいないって思い込んでた」

おとなしくそう話す少年の素直さに自然と心が和らいだ。

「無理ないさ。今回は予定外の帰国だったからね。明日午後にはまたロスに戻る。しかし私にとってはラッキーだったよ…、盗一くんの愛息に巡り逢えたんだからね」

少年は体を起こしてソファーに座り直した。視線を落とし、躊躇いを見せながらも私に問いかける。

「……親父と、逢ったことがあるんですか?」

「もちろん。君の父上と私とは、自他共に認めるライバル同士だったんだよ。今の君と――新一のようにね」

「…………」

私の言葉に顔を上げた少年の瞳が大きく揺れている。
まだ幼い頃失った父への想いが募ったのか。
〝彼〟は若き天才マジシャンとして世界を飛び回っていた。少年にとって父親との思い出は決して数多いとは言えないはずだった。

――気が付くと、私は少年を胸に抱えていた。
何故そんな事をしたのか判らない。
傷を負った少年が心配だったからか。懐かしい〝彼〟への想いを少年に重ねたのか。寂しそうな瞳をした少年を、父の代わりに抱きしめてやりたかったのか。

少年は私の胸に額を押し付け、何かつぶやいた。
なんと言ったのだろう。悪態の一つもついたのか、あるいは……。
頼りない肩が震えているように感じ、切なさが募る。少年は少年で失って久しい父親の温もりを求めていたのかもしれなかった。

「……工藤には、今日の事言わないで下さい」

「どうして」

「ドジったの知られるの癪だし、アイツ……文句言いそうだから」

少し悪戯な目をして小さく笑う少年。
私の手を放れ、立ち上がる。




若い怪盗は居住まいを正すと、テラスへ出て私を振り向いた。
そして――怪盗紳士としての最敬礼を私に向かって行った。

白いマントを翻し、傷ついていない方の腕を大きく振り上げてから、その腕を胸に収め恭(うやうや)しく頭(こうべ)を垂れる。

まるでデジャヴのようだ――。

過去に見た光景と重なる。
再び〝彼〟の姿を目にする事が出来るとは……!


少年にとっては、手当てをした私に対し礼を尽くしただけかもしれない。あるいは私と父親との浅からぬ因縁を察した上での、心を込めたパフォーマンスだったのかもしれない。
いずれにせよ私には狂おしいほどの懐かしさをもって迫るものがあった。

ぽん、という小気味良い音と煙幕を残し少年は目の前から消え去った。
私は思わず外に走り出て、まだ近くにいるだろう少年に向かって叫んでいた。
『キッド、また逢おう!』と――。




しばらくして戻ってきた妻と息子に、私は先刻ここで起きた奇蹟のような出逢いの事は話さなかった。
隠そうと思ったのではなく、少年に頼まれたからでもなく、ただ懐かしさと愛おしさの記憶にもう少し独りで浸っていたかったのだ。

妻も息子も鋭い。そうは思っていても、物思いに沈み旧友との話題に生返事ばかり繰り返す私の様子に二人して怪訝な目を向けてくる。

私は先に休むと言って二人の前から退散した。

いずれ話すから、と心の中で言い訳をしながら。





20111105

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