名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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今夜は半分(新一×快斗)

※ノーマル?イチャイチャ編です。一人称『俺』は快斗くん、『オレ』は工藤です。

――――――――――――――――――


「くすぐってえな、なんだよ!」

背中を指先でうりうりされて、オレは快斗を振り向いた。


「だって。どうせ事件の謎のこと考えてんだろ」

快斗の言うとおり、ベッドに二人して寝転んで〝おやみなさい〟の体勢になってからオレは余計に目が冴えてしまい、いま追っている事件のことを一から考え直し始めていた。

「つまんねんだもん。寝ちゃうんならまだいいけど……俺のこと完全に忘れてんだろ」

「忘れてねえよ。半分は」

「んだよ半分って。オメーが泊まってけって言うから…」

「しかたねーだろ、事件のこと思い出しちゃったんだから」

「どんな事件だよ」

半分体を起こした快斗の、オレのパジャマを着た胸元から温かそうな肌が覗いている。半分やっぱり気になる。ちらりと横目で盗み見する。

「話してみろよ〝迷〟探偵。俺が解決してやっから」

「クビ突っ込むんじゃねえ。…いま〝迷〟って言ったな」

「あれ、よく分かったね。さすがぁ」

内心は、半分は快斗の意見を聞いてみたい。現状手詰まりなのだ。しかし。

「俺がアッサリ解いちゃったらカッコわるいから話せないんだろ」

「そうじゃねえ。おまえまで謎解きにハマったら、オレが休まるところがなくなるだろ」

――なんとかそれっぽく言い訳してしのぐ。
実は半分は快斗の言うとおりなのだが。

コイツは普段そんな素振りは見せないがIQ400という噂で(キッドの手配書にそう記されている)、オレは半分信じてないのだが時折なにかの拍子に驚くような閃きを見せるのは確かで……かと思うと、驚くくらいボケをかます時もある。オレを油断させるためにわざとボケているのかも知れないが。
仮に本当にIQが高くとも、性格がどこか抜けてるのは確かだ。天然気味というか――素顔の時は。
ところが一度怪盗に姿を変えると別人のように切れ味が増す。
どんな切り替えスイッチがどこにあるのか知らないが、こうして側にいても今も半分は信じられない。
快斗とキッドが同一人物だなんて。


出逢った頃の疑問にふと立ち返り、薄明かりの中でオレはまじまじと快斗を見つめた。

オレの視線をモロに数センチの位置から浴びて、快斗が少しどぎまぎしたようにたじろぐ。
くそ。カワイイ。


「……なんだよ。事件の話しすんじゃねえのかよ」

「快斗が誘ったんだろ」

「人のせいにすんな! 別に誘ってねーし」

「半分、信じられねえんだ。今も」

「なにがだよ……、あっ、こら!」

パジャマの下に手を忍ばせる。快斗の温かくて滑らかな肌のさわり心地にうっとりし、半分以上、いや完全に気持ちが惹き寄せられた。


少し切り替えた方が、何か不自然なところに気がつくかもしれない。事件は明日の朝起きたら考えよう。


おい、もう寝るんじゃなかったのかよ、とオレの隣でじたばた往生際悪くもがく素顔の怪盗を抱き寄せて口付けた。優しく。


ウィンクした半分のお月様が、カーテンの向こうで微笑んでいた。







20120302 (^_-)-☆

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