名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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はじめてのひみつ(怪盗キッド)
カテゴリ★ファーストステージ
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目の前の〝怪盗キッド〟のシルクハットに、赤いレーザーポインターが当たっていた。

「待て、快斗っ!!」

コナンくんが叫ぶ。
だけど、考えるより先に飛び出していた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「このバカ!! 下手したらオメーが撃たれてたかもしんねえんだぞっ!!」

その夜のコナンくんの怒りは凄まじかった。
そう言われても、目の前でキッドが撃たれるとこを黙って見ているわけにはいかない。たとえそれが〝偽キッド〟だとしても。

「ムチャしやがって。あんなフザケたコスプレ野郎と心中する気かよ!」

「オーバーだっつの」

実際に狙撃されたわけではなかった。どこかに潜んでいたスナイパーも、撃つ前に〝偽者〟だと気付いたのだろう。

「けどあのニセモン、仕立てはチャチぃけど遠目にはそれなりに見えたよな。まぁ本物のカッコ良さに比べりゃ月とスッポンだけどさ」

俺がそう言うと、コナンくんは小さな手のひらで俺の襟をガシッと鷲掴みにして睨みつけてきた。

「感心してる場合か。キッドがいまだに狙われてるってことがはっきりしたんだぞ。解ってんのか…!」

「……………」

そう。なんでだろう。
〝パンドラ〟なんてジュエルは実在しない────はずなのに。
キッドはもう役目を終えた。なのに、どうしてまだ狙われるんだろう。

「大丈夫だよ。キッドは……もう存在しない」

「本当だな」

「必要ないのに、命狙われてまでやるわけねえじゃん」

「誓えよ」

「わぁったよ。だからもう睨むなって」

やっと手を離したコナンくんの顔が、不意に歪む。
ぎゅうと俺にしがみついてきた小さな体が熱くって、胸が痛くなった。

大丈夫だよ。
俺は黒羽快斗さ。

コナンくんを包むように抱き返しながら、そうつぶやいた。






偽キッドによる偽の犯行予告騒ぎから一週間経った。

少年探偵団が確保し警察に引き渡した騒動の犯人は(コナンくんが工藤新一の声で電話して高木刑事から聞き出したところによると)背後関係はなく、キッドに扮して仲間に撮影させて楽しんでいた〝キッド愛好サークル〟のメンバーだった。宝石店を襲う予告をネットに流したのは、悪ノリが過ぎた結果……ということらしい。

〝キッド愛好サークル〟だって。ちょっと笑った。

そしたら次の阿笠邸での少年探偵団のミーティングん時、歩美ちゃんがこんなこと言い出した。

「なんだぁ。キッドが〝にせもの〟だったなんて、歩美がっかりしちゃった」

え…なんで?

「歩美ちゃんは本物のキッドに会ったことがありますもんね!」

光彦が大きく相槌を打つと、元太がでかい声で割り込んでくる。

「ばっかだなあ、おまえら。キッドが歩美のことなんかいちいちおぼえてるワケねえじゃん!」

バカはオマエだ元太っ。ちゃんと憶えてらあ。あれが歩美ちゃんだったとは話を聞くまで気付いてなかったけどさ。

「そんなことないもん! キッドは、キッドは……だって────」

「吉田さんのファーストキスのお相手。なのよね、確か」

赤くなった歩美ちゃんのあとを継いで哀ちゃんが言うと、エエッ! と元太と光彦と博士までが慌てた声を出した。ついでにいうとコナンくんも目を見開いてる。
オイ、誤解を招くような言い方すんな!

「あら…快斗お兄さんまで赤くなって、どうしたの?」

「べ、べつに」

哀ちゃんとコナンくんが両サイドからジト目で見上げてくる。
コナンくんはともかく、哀ちゃんにまで見透かされてるようで焦る。つい弁解しちまった。

「か、怪盗キッドは紳士だから、小さくてもマドモアゼルに対して礼儀のキスをしたんだ……と思うよ、俺は!」







「あれ…帰んのか、快斗?!」

「おー! また来る。良い子にしてろよ、名探偵」

「バーロォ」

おやすみとハグしてコナンくんと別れ、その夜は工藤邸には泊まらず、俺は駆け出した。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・











────コトン。






あれ…。



なにかの、音……?





なにか、カーテンのむこうに……まどの外にいるみたい。




きゅうにどきどきして、目がさめた。


ベッドからおきあがって、いつかのようにカーテンとまどをあける。


いつかのように、風がふいていて。

いつかのように、外の手すりの上に立っていたのは────。




「かいとう………キッド……?」


いつかのように、お月さまをうしろにしてキッドがふりかえる。

とん、とかるくとび下りて、いつかのように歩美のまえにしゃがみこんだ。それから、いつかのようにキッドは歩美の手をそっとつかんで、ニコッと笑った。



怪盗キッド────。

やっぱり、やっぱりとってもすてき。

これ…ユメなのかな。思いきってきいてみた。

「キッドさん、にせものじゃないよね?」

そしたらキッドはちいさく笑って首をふり、わたしの手にいつかのようにそっとキスした。

「本物ですよ、お嬢さん。今夜の月は美しい。空の散歩を楽しんでいましたらここを通りかかり、お嬢さんのことを思い出して失礼かと思いながらも、また立ち寄ってみたのです」

「え……ほんとう? 歩美のこと、おぼえててくれたの?」

「もちろんです。ですが私はいまだ追われる身。どうかこのことは私とお嬢さんとの二人だけの秘密にして下さい」

「うん…わかった。だいじょうぶ、歩美だれにも言わないよ! きてくれてありがとう、怪盗キッド!」

「ではまたいつか。お嬢さん」

ウインクしたキッドが立ち上がり、その白いマントがふわっと広がったと思ったら……あっというまにキッドは目のまえから消えてしまった。

ベランダから空をみて、いっしょうけんめいさがしたけど、白いつばさはどこにも見えなかった。
風がすこしつめたかったけど、どきどきしてたから、さむくなかった。


キッドは歩美のこと、おぼえててくれたんだ。

とっても、とっても、うれしかった。

とっても、どきどきして、とってもしあわせなきもちになった。


わかったよ、キッド。
歩美、だれにも言わないよ。
きてくれてありがとう。


しばらくキッドのことを思い出してたけど、そのうちねむくなってねちゃった。
本当だったか、ユメだったか、だからわからなくなっちゃった。

でも、ひみつはまもるよ。
私とキッドの二人だけのひみつだもん。
歩美、ずっと、ずっと、ひみつにするよ。

ひみつだよ。……キッドとわたしの。

ずっと。ずうっと。








20120908

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※あとがき+補足いいわけ

前半も後半も描写を略して、かなりの部分を読んで下さる方の想像力に頼ってますスミマセン(汗)。
歩美ちゃんのキモチについては『婚約していようが結婚していようが、ステキな人はちゃんとステキに見えるもの』という某名作マンガの一節をご紹介し、ご理解いただければとオモイます~。(*_*;


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