リバース《2/3》(新一×快斗)
カテゴリ★ファーストステージ
※軽めイチャ系です(汗)。
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どっかで見た男の子。
赤くなってオレを睨んでる目付きに見覚えがある。
「工藤のバカ! なんで高校生に戻ってんだよ!」
「えっ!?」
男の子は俺の臑(すね)を蹴飛ばすと、くるりと向きを変えて階段を駆け上っていった。
「いてえっ…て、おい待て!」
慌てて小さな背を追う。
追いかけながら、男の子の服がコナンのものだと気が付いた。
やっぱり。でもなんで。
ワケが分からない。
だが、間違いない。
───あのガキ、快斗だ!
今日オレは工藤新一として警視庁を訪ねる用事があって、渋る灰原から解毒剤をもらい服用していた。
この間の治験薬は効果がかなり短かったが、今回は半日ほど保つと聞いている。
再び訪れたチャンスだった。
当然、オレは初めて快斗と抱き合ったあの夜を再現したいと願っていた。
だから快斗を驚かせようと(快斗が来ていなければ押し掛けるつもりだった)、スゲー急いで帰ってきたんだ。
なのに。
なのに、予想外のこの状況…!
「快斗ぉ~」
チビ快斗はオレの部屋に逃げ込んだ。様子を伺いながら、そっとドアを開ける。
……今度は何も落ちてこない。
ホッとして中に入ろうとしたら、ばふっと枕が顔を直撃した。
「ばっ、やめろ快斗!」
一応怒ってみせたが、実はオレはものすごくワクワクしていた。チビ快斗を、もっとそばでじっくり見て、抱き締めたい。
快斗が小さくなったのはAPTX4869の作用以外に有り得ない。快斗がなぜ薬を飲むに至ったのか、灰原は知っているのか───。
だが今はそんな事は後回し!!
この奇跡的にオイシい状況が最優先!
「快斗、ちゃんと顔見せろ」
「やだっ。あっちいけ! ばか!」
「オレの部屋だぜ」
ベッドの隅っこでシーツにくるまってちっちゃくなってやがる。悪口言ってても声なんか女の子みたいに高いし、語尾なんか震えちゃっててたまらない。
「薬飲んだのか…。苦しくなかったか」
「……」
シーツから少しだけ顔を覗かせて、チビ快斗はふるふる首を振った。
「いつの間にか寝ちゃってて、目が覚めたら縮んでた」
解っていて飲んだはずだが、不安なのか半分涙声だ。
ちらと見ると、ベッド脇に快斗の服が乱雑にまとめられていた。
「おいで。大丈夫だから」
子供に言い聞かせるようにしてベッドの前に膝を着いた。もう一度おいでと言って手を差し伸べると、ためらっていたチビ快斗はパッとオレの腕に飛び込んできた。
うおおおおおお☆
こっ、これは・・・たまらん!!!
「くどう…ごめん、俺」
「よしよし。どうした。泣いてんのか」
「泣いてないよ! 泣いて…ないけど、だけど…こんなに怖くなるとは思わなかったんだ」
泣いてないと言いながら、オレのシャツの胸にほっぺたを押し付けて小さな手でオレの脇にしがみついて、声はやっぱり湿っている。
「工藤は…コナンくんは、小さくなっても頭脳は大人だろ」
「?… ああ、まあな」
「でも俺、小さくなったら何も出来ない。トランプのシャッフルもうまくいかないし、鳩も隠せない」
「快斗…」
「それでも、コナンくんの気持ちが解るかもって思ったんだ。同じ子供になって、コナンくんと話ができればって、思ったんだ…。なのに高校生に戻ってるなんて、ずるいよ!」
何ともいえない愛おしさと切なさがこみ上げてきて、オレは小さな快斗の体をぐっと抱き締めた。
壊れそうに小さい、頼りない体。抱き締めた腕が余ってしまう。
快斗がコナンを抱き締めるときも、こんな感じなのかな───。
「よし」
オレはチビ快斗を抱っこして立ち上がった。
「工藤…?」
「まず、風呂だ」
「??……な、なにが〝まず〟なんだ?」
「いつもコナンと一緒に風呂入ってるじゃないか。お約束だ」
「こ、この流れでそれ?! やだよ、放せ、ばか工藤っ」
チビ快斗は脚をジタバタさせて抵抗してるつもりのようだが、軽くて全然へっちゃらだ。
「ふーん…」
「な、なんだよお!」
「いつも快斗がコナンを抱き上げてる時って、こんな感じなのかと思ってさ」
「………」
困ったように俯いてしまったチビ快斗をしっかり抱え、下心を極力見せないよう努めながらオレは風呂場に向かって歩き出した。
リバース《3/3》へつづく
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※お気楽でスミマセン(*_*; あと一回追加します~。
●拍手御礼
「怪盗キッドと探偵諸君」「月光という名の真実」「月夜の告白」「エロスの神様」、さらに カテゴリ★ファースト・ステージ へ拍手連打をいただきました(TvT)。ありがとうございます!!
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