名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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迷信(新一×快斗)
――――――――――

今日はあまり来たくなかった。工藤の家。

それでも来たのは、ゲン担ぎというか――ジンクスというか。つまりは特別なことはしない、普段通りにしている、というのが〝ヤマ〟直前の俺の過ごし方だからだ。

ま、そんな大げさなもんじゃないし、極めて気分的なものだけど。

だって平日の夜に〝ヤマ〟があるからって、いちいち学校休んだり早退したりしてらんないし。
もちろん、必要な準備のために時間を割かなければならない場合もあるけど、それは例外的なケースだ。


そんなわけで、気は進まないが来たのだが。それなのに招いた家主のこの仏頂面。
あまり来たくなかった理由はそこにもある。工藤の機嫌が悪いのだ。
〝キッド〟が犯行予告を出した〝ヤマ〟の前は。

前日なら俺もさすがにパスしただろうが、二日前という微妙なタイミングに返事を躊躇したあげく、断りそこねた。まあいいか、と開き直って来たのだが――


「……なんとかなんねーのかよ、その顔」

あんまり苦々しい顔をされるので俺は来たことを後悔した。
工藤が苦々しく思うのもわかるけど。

探偵にしてみれば、そうだろう。二日後には盗みを働くと予告している怪盗が目の前でへらへらしてるのだ。自分は怪盗の正体を知っているのに、どこへも通報せず見逃して――通報しないばかりか、その怪盗と××したりして――共犯者と呼ばれてもおかしくない立場に陥っている(自業自得だけどな!)。






「……う……ああっ!」

工藤が俺を追い詰める。

悔しいが、今日も俺は探偵の腕の中で自分を見失うほど狂わされる。

約束をしたわけではないが…逢う時には互いの立場やそれに関わる話はしないというのが暗黙の了解になっていた。

しかし、今日の工藤はそのルールを破った。

快斗…と、俺の背に腕を回して工藤がとうとう言葉にする。

おそらくずっと心に思っていた事を。



「――危ないこと、もうすんなよ」


「…………」


「怪盗なんてやめろよ。俺が…手伝うから」



探偵が怪盗の何を手伝うんだよ。という不毛な突っ込みはやめておいた。
工藤はうすうす感づいている。キッドの目的にも。

だから俺は……返事をしなかった。



工藤が今日 特に不機嫌だったワケも、分かってはいた。

前回ハンググライダーで飛んでいる時、俺は何者かに狙撃された。狙撃を避けなから飛ぶのを、工藤は警察のヘリに同乗して見ていたのだ。


「誰に狙われてんだよ……?」


結局、俺は工藤の心配にも問いかけにも一言も答えなかった。

工藤はそんな俺の背を、ただ強く抱きしめた。



ほんの少し――いやな予感がした。

大丈夫さ、と自分をなだめる。

ちょっとしたジンクスが破られただけ。つまらない思い込み。

怪盗キッドは誰にも捕まらない。名探偵にだって捕まったつもりはない。こうしているのはあくまで黒羽快斗として、のつもりだ。

怪盗として捕まるわけにはまだいかない。

憂い顔の名探偵に、俺は微笑んでキスを贈った。

次の犯行の二日前の夜だった。





20111006

―――――――




時間軸としてはこのあと9月24日にアップした『拷問《1》』へとつながる流れです…。

昨日アップした『呵責2』にも、〝二日後〟という言葉が出てくるので紛らわしいですが、そっちはさらに時間的には後の、別の日ですので_; ;

分かりにくいアップの仕方でスミマセン。@@;



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