名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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リハビリ《Bの少し前》(新一×快斗)

―――――――――――――――――

いつも身軽な姿の快斗が、今日はスポーツバックと学生カバンを抱えて制服姿で現れた。

「どうした? どっかの帰りか」

「しばらく泊めてくれ」

「えっ」

「アッタマきた。特訓する」

「トックン?」

カバンを放り出すと、快斗は俺にぶつかるように抱きついてきた。

「快斗…?」

「いいかげん自分にアタマきた。特訓すっから付き合ってくれ」

「どうしたんだよ。泊まるのは全然オッケーだけど」

てか嬉しい。快斗が自分から泊めてくれ、なんて。

「白馬が…さ」

「ハ――!?」

白馬? 白馬が何だ!
いきなりのカウンターで浮かれかけた頭がぐゎんと鳴った。

聞き返そうとしたが、快斗のキスで口を塞がれた。
これは。も、もしかして特訓って。
いや待てその前に。白馬がなんで出てくんだ!

「…白馬が、何だよ?!」

「…………」

目の前の快斗の伏せた睫毛が震える。う。ごくん。

「あれから――白馬、ずっと何も訊かないで俺をそっとしといてくれたんだ。俺…それでずいぶん助かった。でも、もう大丈夫だと思ったんだろうな。俺だって――自分でも大丈夫だと思ってた。なのに」

「…なのに?」

「全然ダメだった。アイツと…二人になって……目の前遮るように立たれて、腕を掴まれたら」

なんだと――。白馬の野郎。

だいぶ略されてるが、想像して要約するに、つまりは俺の目が届かない所でヤローは快斗にプレッシャーをかけた、ということか。
許せん!!

「もういやだ。いつまでもビクビクしてる自分がホントにイヤんなった。だから」

快斗が思いつめた瞳を俺に向ける。もういっかいゴクン。

「何ともなくなるまで、俺ここにいる。一緒にいさせてくれ。頼むから」

縋るように掠れた声。

「もちろん――。あたりまえだ。いいに決まってるだろ」

俺が頷くと、快斗は安心したように微笑み、ふうと息を吐いて俺の肩に顔を埋めた。

――白馬のバカヤロー! そしてありがとうっ。テメーのおかげで快斗が本気でリハビリに取り組む気になったぜ!

腕の中の快斗をぎゅううと抱き締めながら、だがしかしクラスメートという日常共に過ごす時間が俺より長い白馬に俺は心の底から嫉妬した。
これが〝嫉妬〟という感情だとハッキリ自覚するほどに。

それともうひとつ。

しばらく泊めてくれ、と快斗は言った。何ともなくなるまで、と。

それじゃあ……何ともなくなったら帰っちまうのか。もし仮にこの後すんなりウマクいっちまったとしたら?
快斗に逢いたくても逢えなかった時のことを思えばなんてことない贅沢でささいな悩みだけど。

「んじゃ、とりあえずメシ食おう、そんで風呂入って、それから特訓だ!」

ヤケとも思えるハイテンションで叫ぶと快斗は投げ捨てたカバンを拾い、そして俺を振り向いた。

「な……くど……、俺どの部屋使えばいい?」

「――俺の部屋」

「……わかった」

いきなりテンション下がりやがった。あれからまだ快斗は俺の部屋にまともに入ってない。

「ここで待ってる。荷物置いて着替えて来いよ」

「…うん」

トントントン、と快斗が階段を駆け上がる。見てたら踊り場のところで振り向いた。

「工藤……わがまま言ってゴメン」

俺は肩を竦めて笑ってみせた。

なるようになる。
とにかく快斗が自分から来てくれたんだ。

俺の部屋に向かう快斗の気配に、俺は目を閉じて耳を澄ませた。




20111225
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次は『リハビリ《Aの復習~B》』の予定です。あれ~? 話がどんどん延びちゃう~。(*_*;

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