名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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ホワイト・メリー・クリスマス(コナン&キッド)

―――――――――――――――

〝メリー・クリスマス〟と毛利探偵事務所に現れた白い怪盗は言った。

なんでまたオレが一人の時を見計らったように来るんだ。

少し照れてるように微笑む怪盗を見上げながら、オレは小振りだか美しい白いバラの花束を受け取った。

――白いバラの花言葉は『清らかな愛・尊敬・純粋』だ。分かってて選んだのかな……コイツ。

「入ってもいいですか?」

「ダメっつったって入るだろ」

「またそんな意地悪を」

「なんで俺だけって分かった?」

「先日ピザの出前に伺った時にそんなお話をされてたので」

「…アレ、おめーだったのか!?」

「はい。こちらのリサーチは業務上欠かせませんので」

「ストーカーみてぇだな」

「そんな。多少公私混同しているかもと自覚はしておりますが……」

怪盗はニコニコしながらマントを翻し、室内で俺を振り向いた。そして礼をするように恭(うやうや)しく片膝を着いた。

ぽん!と小気味良い音がするとピンクの煙幕とともに怪盗の手にクリスマスプレゼントの包みが現れた。

「どうぞ。名探偵に」

「……いいのかよ。悪リィな」

そこはちゃっかり子供らしく貰えるもんはもらう。小学校低学年の小遣いなんてほぼないに等しいし。

「重も。本か?」

「ええまあ」

赤いリボンを解いてガサゴソ開けると――

「おおっナイトバロンの最新刊じゃねーか! やった! いやいやまだこれ発売前じゃねーか!? テメーまさか流通途中のくすねてきたんじゃねぇだろな!?」

思わず興奮して一気にまくし立ててしまった。

「そんな品のないことはしません。ましてや名探偵へのプレゼントですから……きちんと定価でお支払いしてきましたよ」

「本当だろうな」

とか言いながら早く中が見たい。そわそわ。
怪盗は小さく微笑むともじもじしながら俺に言った。

「あのう……。よろしければ私も名探偵にプレゼントをいただきたいのですが」

「えっ。そう言われても」

だから小学校低学年の小遣いなんて、せいぜいクラスメートとのプレゼント交換で百均のノートやメモ帳やシールくらいしか買えないんだってば。

「物でなくて……その」

頬を染めて怪盗は白い手袋の指先で自分の唇を示した。

「あの、その、先日していただいた名探偵のキスが忘れられなくて……」

そうきたか。コイツ最初からそれをねだりにきたのか。んーーーー、まぁいいか。それでプレゼントのお返しが済むなら。さっさと終わらせて本読もう。

「んじゃ目つぶれ」

「はい」

…………………………

「メリー・クリスマス。キッド」

唇を離してそう言うと、怪盗は感激したように目を潤ませた。ちょっとカワイイじゃん。

「名探偵?」

「オマケ」

今度はぎゅっと抱きついてオトナのキスをプレゼントした。
怪盗の体からヘナヘナと力が抜ける。

「……あ、ありがとうございます」

おもしろい。もーいっかい。
さらに飛びつくように抱きつくと怪盗は後ろにひっくり返った。

「あ、名探偵、そんな」

勢いでほっぺとか耳元にもキスした。くすぐったそうにもがく怪盗。

――キキィ、バタン。

外で車が止まる音がして、続いておっちゃんのダミ声と、それをなだめる高い声が聞こえてきた。帰ってきた。予定より早い。
と思ったら、ぽん!と音がして……

「キッド!?」

『おじゃましました名探偵。熱いプレゼント受け取りました。またいつか――』

「…………」

怪盗の気配が消えた。

帰ってきた二人が階段をあがってくる。

なんて言い訳しよう。この本と白いバラの花束。それに煙幕の少し甘い香り。

仕方ない、バラはおっちゃんのファンが来たって事にして、本は――とかなんとかとっさに考えながら、俺はちょっぴり高ぶっている心を落ち着かせようと深呼吸した。

ヘンな怪盗。おかしなヤツ。
次はいつ逢えるかな。

ソファーにぴょんと飛び乗って、俺は入り口の扉が開いたら『お帰りなさいー!』と言う準備をして待ち構えた。




20111224

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