名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
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雨音(新一×快斗)

※新一視点のショートです。『シークレット・トライアングル』の続きであり、以前からイレギュラーに続いている一連のストーリーの流れに沿っています。そしてなんだかとてもメロチックです……(*_*;

――――――――――――――――――

今夜も雨だった。明日まで続くという。


金曜の夜だというのに……これでは心も晴れない。




このまえ快斗が夜中に帰った日。
―――あれから快斗に会っていなかった。

何度か短いメールを送ったが、一度だけ〝行けない〟と返信が着たあとは連絡もとれない。





何度抱きしめ、心を通わせたと思っても―――確かに結んだと信じていた絆なのに、こうしていると分からなくなる。

快斗の迷い。
不意に消え去ってしまうのではないのかと……俺の元から。
取り戻したと思ったのはほんの一時で、焦燥ばかりつのってゆく。


もどかしいが待つ以外にない。
追えば逃げるのだ。
解っていても俺は追いかけたくて、逃げる快斗を捕まえたくて。こうしていても心は逸(はや)る一方なのに。




雨音の響きが微かに変わる。

窓の外を見下ろした。傘を差した誰かが門の前で一瞬躊躇うように佇む。そう見えた。

俺は部屋から走り出た。






「快斗!!」


雨音が俺の声を遮る。


「快斗!」


振り向いてもう一度叫んだ。


「快斗ー!!」


だが、激しくなる雨に打たれて俺の声は虚しくかき消された。


誰もいなかった。

外には誰も。


傘も差さずに走り出た俺は、すぐに雨でずぶ濡れになった。

冷たい雨なのに、頬を伝う水滴は不思議なほど熱かった。







20120310


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