名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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高校生同士のBL初体験Hをなるべくライトに、という目標で書きました。
はたして? (^。^;)

―――――――

確率  (新一×快斗)R18


「え? なんだって?」

駅で待ち合わせ、オレんちにてくてく歩いて向かう途中。
快斗に真顔で聞き返され、さすがにオレも言いよどんだ。




「んー、だからさ…」
セックスしてみねえか? ともう一度言った。
「誰と」
オイオイ。
「決まってんだろ! お前と――」
もごもご。
「俺と?」
「――お、オレだよ」

きょとんとしてオレを見つめる快斗。
「…だって男どーしじゃん」

オイオイオイオイ。
ちょっと憮然とするオレ。

「よく聞け。付き合ってるわけだよな、オレら」
「うん」
「恋人同士でもって17才同士なわけだよな」
「うん」
よろしい。
「だったら、セックスしてみてもいいんじゃね?」

「うーーん? そうかなぁ」
小首を傾げて瞬きする快斗。

「俺は別に今のままでいいけど…」

むっ、引かれるとマズイ。

「新一 物知りだし、優しいし、キス巧いし…いまでも十分シアワセだぜ俺」
くう。可愛いヤツめ。

「オレだって幸せさっ! だからこそ提案してんだ! なにもセックスは男女間だけのものじゃナイぜ。それは歴史が証明している!」

力説。
好きな相手と繋がって、二人だけの世界を築き、その秘密を共有したい――。これって例え男同士あるいは女同士だとしても、ヒトとしていたってマトモな欲求だと思う。

「でも…」
「なんだ」
「やり方…わかる? どっちがどっちとかさ。痛いんじゃないのかなぁ」

うんうん。心配なのはわかる。そりゃそうだろう。オレだって知識だけはアホのように貯えているが、今回の件についてはモチロン実践したことなどナイ。ナイからこそ、そして愛し合いたい相手がいるからこそ、ドキドキしながら申し出ているのだ。


「明日は休みだし、オレんちでこれから試そうぜ!」




新一がそう切り出した時、内心(きたか)と思った。もう、しばらく前から新一がそんなキモチで逢う度ソワソワしているの、気付いてた。
俺だって興味がないわけではない。
ないわけではないけど、うまくやる自信はとてもない。
しかしなにしろ新一は好奇心と探究心の塊(かたまり)だから、いずれこんな日が来るだろうことは予想していた。
だって…告白し、付き合い始めて、手をつなぎ、キスをして、抱き締めあったら――その次は。当たり前と言えば当たり前のコースだ。

でも俺には新一のように前向きにチャレンジしようという勇気はない。首尾よく上手くいって歓びを得るより、上手くいかない時の残念な…どちらかが失望する結果になるかもしれないのが不安なのだ。


俯いて言葉少なくなった快斗の背を軽く叩いた。
ちょっと顔をあげてオレを気遣わしげにチラ見する。
罪悪感に駆られたオレは、つい口走ってしまった。
「じゃあ、どっちがどっちかはジャンケンで決めようぜ!」


もちろんオレには確率と心理から導いた勝算があった。
1対1のジャンケンの勝率はフツーなら半々だが、これを三分の二、さらに八割近くまで高めるには――人の無意識の行動学と、快斗の性格を加味した心理戦に持ち込めばよい。
万が一、残りの二割の結果が出たとしても後悔はしない。その時は素直に快斗の愛を受けとめる。
そして次はオレの番。てコトにすればいいのだ。なんたって17才だぜ。一番ヤリたい盛りの高校生なんだ。最終的にはオレはやるったら絶対やる。
――少し落ち着けオレ。
こんなに妄想突っ走って鼻血でも出したらカッコ悪い。深呼吸だ。

お互い無言になり、なんだか危なっかしいムードに包まれて、オレ達は家のドアを開けた。




めちゃくちゃ急く気持ちを抑え、夕飯を一緒に採る。味もよくわからなければ噛んだか噛んでないんだかもよくわからないくらい上の空で、とにかくがむしゃらに呑み込んで食事を終えた。

一息ついたところで、シャワー浴びようぜ、と誘う。内心断られやしないかヒヤヒヤだったが、快斗は頷いてくれた。ほっとする。
そうだよな…。
オレはハッキリと「したい」宣言して、その上で快斗も一緒にここにいるわけだから。慌てることはない。よぉーし。

「ジャンケンってさ、案外奥が深いんだぜ」
「へえ」
「初心者、特に男は無意識に最初にグーを出す率が高いとか、だからパーを出せば勝てるとか。迷っている時は一番かたち的に出しにくいはずのチョキを何故か出してしまうとかさ。一種の心理戦だよな」

 快斗が不思議そうな目でオレを見る。
あとは快斗次第、ジャンケンの神様次第だ。わくわくするぜっ!




交互にシャワーを浴び、濡れた体で抱き締め合うと、あんなにはやっていた気持ちが不思議と落ち着いた。
快斗の茶色がかった癖毛の先が濡れてクルクルになる。長い睫毛にも雫 が溜まる。温まって上気した頬が赤い――。
すぐにも抱き上げてベッドへGo! したかったが、まだジャンケンしてないので(どちらが主導するか決まってないので)我慢した。


キタ。ついに来るべき時が。

せーの、
「ジャンケン――」
ポン!!!
(うっ?)
なんと互いにパーだった。
「あいこで――」
しょー! 頭の中で反響するかけ声。

快斗がチョキ。オレがパー。

確率論と快斗の心を読み違えたオレの敗北だった。
まあ、いいさ。想定内だ。
どちらかというと勝った快斗の方が戸惑っている。
こうなったら快斗がどうしてくれるのか、大人しくされてみよう。また違う緊張感がオレ達を包む。うん、悪くない。そうだ、本当にどちらでもいいのだ。
大好きな快斗と一つになれるなら。


ベッドに横たえられ、快斗に見下ろされて、オレは我ながら焦りを感じるほど高ぶっていた。こんな気分になるものなのか……されるって。
いや、そうじゃない。
快斗の素肌が触れるのが気持ちいい。快斗と触れあえるだけで幸せだ。快斗だからいいのだ。快斗の優しさが好きだ。快斗の明るさが。素直さが。照れ屋なとこも。身軽で脚が速くて運動神経がいいとこも。前面に出さないが実はすごいIQを秘めてるとこも。たまに見せる憂いのある表情も。影も。切なくなるような控えめな口付けも。本当に全部好きだ。放したくない――。

(あっ)
なんと驚いたことに、快斗は舌先でオレ自身をペロリと舐め始めた。こ、こ、こんなコトしてくれるなんて!
オレは歓びのあまり、すぐさま反応して爆発しそうになるのを必死に堪えた。ホントに必死に。だっていくら何でも初っぱなから快斗の顔にぶちまける訳にはイかない。さすがにそれはできない。いつかする…かもしれないが、初体験でそれはNGだろう。
快斗のおずおずと触れるような浅く含むような口淫を、オレは夢見心地で楽しんだ。

快斗が離れる。かろうじて危機を脱してオレは荒い息を吐き出した。
やるなチクショウ快斗め。侮ってたぜ。次はおぼえてろ。
一本取られた感にとらわれていると、ついに快斗がオレの上に乗っかってきた。うひー! いよいよ。
さすがのオレも、なまじ知識を詰め込んでるだけに――緊張した。

「動くなよ、新一」
「……?」

突っ立ったオレを、快斗が自分の後ろに当てがう。快斗がしようとしている事に気が付いて、オレはまたしても驚いた。
「快斗…!」

目を瞑り、快斗がそうっと腰を落とす。その分、オレが挿っていく。最初の抵抗感がキツい。何度か小さく、ゆっくり行き来して、本当に少しずつ、数ミリずつ、時間をかけて沈めてゆく――。
眉を顰め上体をくゆらす快斗の様子がたまらない。心の中で(絶景ー!)と叫んでいた。
そうだった。快斗はこういうやつなのだ。
オレの本心を解っていて、戸惑いながらも健気にしんどい方を自ら選んで尽くしてくれる。自己犠牲というか、ふたつ飴玉があってどっちがいい?と聞かれたら、最初に小さい方を選んで大きい方を相手に残しておいてやるような。
そんな快斗が愛しい。いつか傷ついてしまわぬよう、見守ってやりたい――。

たっぷり時間をかけ、ようやく快斗の体重がオレの上に全て乗っかった。
いっぱい汗を滲ませて息をするのも苦しげな快斗。可哀想になるほどだ。

だが、もう限界らしい。何度か下肢に力を入れようとしているが、全く動けないでいる。
「……新一、ごめん、俺…もうダメだ」
「十分だぜ、快斗」
オレは快斗を乗せたまま起き上がった。
「うあっ…、まっ、て…!」
「少しだけ我慢してくれよ。ゆっくりするから、任せとけ」
痛がって仰け反る快斗を支えて体勢を入れ替える。繋がったままだから苦しいだろう。
快斗の脚を腕に担ぐ。
「ああ…っ」快斗の目尻から一筋涙が零れる。
いったん落ち着くまで待った。
快斗のおかげで妙な焦りは消え、ひたすら優しくしてやりたいという穏やかな情熱だけがオレを動かす。
快斗が涙で潤んだ瞳を覗かせた。無言だが、頷いてくれた。

(おまえが好きだ――快斗…!)






横にいたはずの快斗が消えていた。

オレは真っ青になって跳ね起きて時計を見た。まだ深夜2時。
ええと――ああしてこうして最終的に力尽きて最後にキスを交わして熱の余韻に浸りながら並んで眠りに就いてから、まだ3時間ほどだ。
快斗どこいった!?

階下に降りると、すぐに居場所がわかってオレは心底安堵した。
風呂場から灯りが洩れてる。
シャワーの音がした。





鏡を見て、俺はため息をついた。
やっぱり痛かった…。

次もあるのかな。あるんだろうな。登り詰めた感覚も覚えたけど、今日のところは「痛かった」というのが最大の感想だ。
人間て不思議だ。どうして同性が相手でもこうして繋がりたいという欲求が湧くのだろう。
もちろん相手が新一だからできたのだ。
 新一以外にあんなことできやしない――。

ノックの音がしてドキリとする。

「大丈夫か、快斗…」
新一が顔を覗かせる。
「あ、うん。なんとか」
なんとか、といったところで不意に羞恥に捕らわれ全身が熱くなった。


ジャンケンのおかげで、前半快斗にリードしてもらえたのか幸いだったな、と思う。そうでなければオレだけ突っ走って、もっと快斗に負担をかけていたに違いない。

赤くなった快斗を包むように抱いた。石鹸のいい匂い。
オレもシャワー浴びよう。

それぞれの思いを抱いてオレ達の初体験は終わった。
次にまたさせてもらえるよう、快斗を大事にするぞ、ともちろんオレは胸の奥で固く誓ったのさ!



オワリ

20110903


―――――――

あとがき

短くてライトなお話にしよう!
と思って書き始めたのに、つい「初体験」に萌えてしまい、だらだらっと長くなってしまいました。
ちなみに一人称は二人とも「おれ」なので、新一はオレ、快斗は俺、にしたつもりです。
探偵と怪盗というベース設定はあえて余り出さなかったので単純にBL風になったかなぁ? と思うんですがどうでしょうか(照///)。

何にしても初めてって萌えますねー。という自己満足でした。すみません。読んでいただいた方、もしいたらお付き合いありがとうございました。


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