名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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更新が久々すぎて我ながらあきれ気味 ; ;
こちらを片付けねばと四苦八苦です(-_-;)。

工藤邸襲撃事件【顚末①】
 ★17歳(新快・3/4組)
※新一視点/快斗くん視点
──────────────────

『あ…』

唐突に目覚めた。

隣りで一緒に眠っていた快斗がいない。

オレは慌てて跳ね起きた。




「おーう、起きよったか工藤!」

「工藤くん、体調を崩したと聞きました。無理せず休んでいてもいいんですよ」

「服部、白馬。もう来てたのか。すまん。大丈夫だ」

リビングのテーブルに、ビニールに小分けした昨日の小包の残骸を広げていた二人が、オレの方を振り向く。

「まだ何も食うてへんやろ。途中で買うてきたったで、ミックスサンドと牛乳や」

「あ、ああ、サンキュー。快斗は?」

「黒羽くんなら、念のため屋敷の周囲を見回ると言って。そろそろ戻ってくるでしょう」

「そうか…」

情けない。昨夜、あんなに憤(いきどお)って──熱まで出して。
挙げ句、オレ一人寝過ごしてしまったとは。

灰原が言った通り、あのまま独りでいたら不調はもっと長引いていただろう。快斗が寄り添ってくれたおかげで、自分でも驚くくらい安堵して眠ることができた。

(快斗…)

触れ合った快斗の温もりを思い出し、顔が熱くなる。

「本当に大丈夫ですか、工藤くん。まだ熱っぽそうに見えます」

「いや、平気だ」

白馬にじっと見つめられて何故か目を逸してしまう。

「ところでや、工藤。もしかして、おれら思い違いしとったかもしれんで」

「思い違い?」

「そうです。昨日、我々が四人でいるときに荷物が届いた。そして、工藤くんが包みを開けようとして爆発した。だから 我々は“探偵事務所が狙われた” と思ってしまった」

「小包は確かにオレ宛だった」

爆発で宛名の部分は燃えてしまった。
あの時、差出人をしっかり確かめないまま開封してしまったのが悔やまれる。手書きではなく印字だったこと、個人名ではなかったことくらいしか覚えていない。

「しかし、や。犯人にとっては、この家に誰がおろうが関係なかったかもしれん。っちゅう可能性もあるんちゃうか、って話や」

「えっ。どういう意味だ」

「 ”この邸宅で騒ぎを起こすこと” 自体が目的だったかもしれない、ということです。だから警察の臨場がないのは、犯人にとっては想定外かもしれません」






・・・・・・




戻るか。

工藤邸周辺をぐるりと二周歩いてみたが、特に異常はない。
怪しい人影も、不審な物や車も見当たらない。

だが、あれだけで終わるとは思えない。きっと次がある。
犯人は今もどこかでこっちの様子を窺っているんじゃないだろうか。

(………?)

後方から徐行で近付いてくる車の気配を感じ、道の端に寄った。

客が乗ったタクシーだ。初老の運転手は真っ直ぐ前を向いている。
念のため目で追っていると、タクシーは速度をさらに下げ、工藤邸の前で停車した。

今頃、誰だ。慌てて駆け寄る。

後部座席のドアが開いた。

中から現れたのはパンプスを履いた女性。柔らかなイエローのフレアーワンピース。サングラスを掛けた髪の長い…。

「やだぁ! 新ちゃんたら、すごい寝癖!と思ったら──似てるけど、あなたはだあれ?」

明るく笑いながら、女性がこっちを見てサングラスを外す。

え、この人、まさか。

「あ、突然ごめんなさい。私ね、この家に住んでる工藤です。って言っても久しぶりに帰ってきたところなんだけど」

まじか。
ロスに居るはずの工藤のおふくろさん!

こんな時に。
何をどう応えたらいいのか、焦って声も出ない。

「あー、わかったわ! 私の勘だと、ねっ、あなた新ちゃんのお友達ね! ねっ、そうでしょ? ちがう???」





× × × × × × × × × × ×



工藤有希子の登場で、事態は急転回した。
数日前、工藤の父親で著名な作家である工藤優作のオフィシャルサイトに、今回の犯行を匂わせる匿名の投稿があったそうだ。
しかし優作自身がサイトの管理をしているわけではなく(しかも現在原稿締め切り前でホテルに缶詰状態のため)、投稿に気付いたスタッフが念のためにと有希子夫人にだけ知らせたのだ。そもそも夫妻はロスに居て、日本の自宅が万一本当に襲撃されたとしても危険はないと考えてたから。
しかし、日本の自宅には一人息子の新一がいる。
有希子は、だから知らせをよこしたスタッフにも優作にも内緒で、一人帰国を決めた。
新一の安全を図るため。そして予告の投稿をした人物に心当たりがあったから。




つづく

──────────────────


※あっ、まだ終われない(汗)。UP間隔が空き過ぎのため、あらすじ記載で諸々省略です。広げた風呂敷はなんとか畳まねばと焦るばかりで…次で『顚末』終わらせられるかなぁ…(-.-;)。


●拍手コメント御礼
ほの様、「掠れた記憶」にツボっていただきありがとうございます。リクエスト、お話考えておきますね。今のペースだといつ頃までにとお約束するのは難しいですが(^_^;)。

●拍手御礼
「渇望」「ユウワクノハコ」「クリスマス・キャロル」「黒の鎖」「月光という名の真実」
「ブルー・フォレスト」「そう遠くない未来・君のバースデー」「春花」「危弁」「絶体絶命」「グッナイ・サマー・バースデー」「ノープラン~ヨコハマ・デート」「掠れた記憶」
カテゴリ★交錯 ほか 拍手ありがとうございました!




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