名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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5000メートル《2/3》(白馬×快斗)
※快斗くん視点にて。
カテゴリ☆噂の二人《番外編》
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「今日こそ君に追い付いてみせます。君が途中でリタイアさえしなければね」

「けっ、誰にモノ言ってやがる。いーぜ、勝負してやるよ!」



売り言葉に買い言葉────ってだけじゃねえけど、この5000メートル走、どうやら白馬は本気のようだ。

本気で俺に追い付くって…?
そーはいくかっつーの。

地道なイメージの長距離は確かに得意じゃない。だけど〝走り〟で他人に負ける気はしない。専門にトレーニング積んでる陸上選手にはさすがに敵わねえかもしんねえけど。

白馬をギャフンと言わせるために、俺なりに作戦を立てる。
アイツ…なんだかよく憶えてねえけど、俺に何かの約束守らせようとしてるみたいだし。

約束なんか、したかなあ。
憶えてねえなぁ……。


パーン!


「あっ」

考え込んでいるうちにスタートの合図が鳴った。周りのクラスメート達が一斉に走り出す。

「おおっと」

集団の中で走るのは鬱陶しいので、さっさと前に出て先頭に加わる。後方から最後に全員ごぼう抜きってのも悪かないけど。
陸上部のヤツ……いたいた。
アイツのペースに合わせて付いていけばいいんじゃん。
そんでラスト一周まで抑えて走って、最後の最後に全速力でぶっちぎる。
ケケケッ、簡単簡単!

白馬のヤツは…?
振り向いても後ろは団子になっててどこにいるんだかよく見えない。
ゴールライン脇には大きな掲示用ボードのタイムウォッチがあって、それでスタートから何分何秒経ったかは分かる。

……一周で約40秒。
つーことはだいたい×25で1000秒の、割る60で約16分40秒か。
いけんじゃね?
サッカーで前後半合わせ80分走り回ること考えれば。もっと詰められるかも。15分代とか。そしたらあれか、インターハイとか出れちゃうかも? むふふ。



──快斗、オレのことマークしてんの?

陸上部が併走しながら訊いてくる。

「イヤイヤ、マークなんて、おこがましい。陸上部に付いてれば、ま、間違いないかってっ」

あれ。舌噛みそうになる。
まだ7週。ペースは変わらない。だけどなんかちょっと…シンドイ?

「あのさ、もしかしておまえ、長距離ランナー?」

──いや、違うよ。

陸上部は首を振った。なんだ、コイツも専門ってわけじゃないんだ。

後ろを振り向く。だいぶバラけてきていた。白馬は半周以上後ろを走っている。長い脚の大きなストライド。まだ余裕がありそうだ。白馬が顔を上げ、目が合いそうになったので慌てて前を見た。

あれっ、陸上部と少し差が開いてる。

10周目。自分のペースが遅れ始めていることに気が付く。うそ。まだあと15周も残ってんのに?!
途端に飽きて、真面目に走ってんのが馬鹿らしくなる。うああ、だけどこのまま失速して白馬に抜かれでもしたら…カッコ悪りぃし。
くっそーー!!


「快斗ー! あと12周~!!」

言うな。くそ。
青子の声に振り向く余裕もない。なんか苦しい。汗がやたら出る。

──快斗、どうしたよ。

野球部の悪友が、いつの間にかすぐ後ろに付いていた。

──オレら毎日部活で走ってっかんな、まだまだいけるぜ。快斗はサッカー部でも不良部員だからなー。

「う、うっせ」

野球部め、弱気になりつつある俺に心理戦か?!  チクショウ、それにしても。

「陸上部…さすがだよな…アイツに付いてこうと、思ってたん、だけど」はあ、はあ。

陸上部はもう30メートル先を行っている。ここから追い付くのはキツイ。

──そんな無理すっから苦しくなるんだよ。あいつ中距離選手だぜ。

「え…、なにぃっ」

──5000は長距離だけど、中距離扱いされる事もあるし、あいつにとっちゃ練習で普通に走ってる距離なんだろうよ。

な・ん・だ・と?!
陸上部~っ! 長距離専門かって俺が訊いたらサラッと否定したくせに。前半で俺を引っ張って潰す作戦だったのかあ?!

くっそーー、どいつもこいつも。頭きた!!!

考えんのヤメ!
こうなったら、いけるとこまでスパートしてやる!

「てめーはゆっくり来い、野球部! 陸上部、待てーっ!」

あと5周。俺はヤケクソで加速した。我ながら無謀な予感はしたけれど。
それでもこのままずるずる落ちて負けるのは自分が許せない。

いくぜ、黒羽快斗。
マジだ。これはマジな勝負だぜ。
前をゆく陸上部。追い付いてきた野球部。そして少しずつ着実に迫ってくる白馬。

苦しくたって、負けねーぞお!!




5000メートル《3/3》へつづく
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※あら…終わらない(x_x)。日常話なのに長引いてさらに一回追加です。〝対抗〟白馬くんが上がってくるのにもう少し時間がかかるので…スミマセン;;


●拍手御礼!
「隠れ損ねたお月様」「ルパン三世VS怪盗キッド」「5000メートル《1/2》」へ、拍手ありがとうございました(^^)/

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