名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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噂の二人(白馬×快斗)
カテゴリー☆噂の二人(白快)

最難関・快斗視点での白快両想いバージョンにアタックです。(*_*;

――――――――――――――――――


白馬のヤツ、またこっち見てる。

いーかげんにしてくんねぇと、女子が面白がってウワサすっからマジ止めてほしい。

最近じゃ幼なじみまでが『お邪魔しちゃ悪いから先に帰るね~』とかぬかしてさっさと行っちまう。

女子だけならまだ冗談ですまされるが、どうもオトコ連中までが陰でコソコソ『8:2で白馬が上』だの『意外と逆かもしんねぇ』とか賭けをしてたりするらしくて、も、ほんっと頭くる。俺のマトモな高校生活を返せっ!


「黒羽くん」

白馬が俺の机の前に立ち止まるだけで教室の視線が一斉に集まる。勘弁しろよ。

「…今夜は部屋の窓を開けておきますから」

俺の耳元に白馬がキスせんばかりに唇を寄せて囁くと、ギャーー、みたいな歓声が起こって隣のクラスのヤツまでが見物に走ってくる。

我慢できねえ!!

「白馬っ、テメーいい加減にしろっっ!!!」

「おや、どうしました」

「どうしました、じゃねぇっ! テメーが妙にくっついてくるから誤解されて俺はメーワクしてるんだっ!!!」

「誤解? それは困りましたね」

あっという間に廊下まで黒山の人だかりだ。先生達まで何事かと寄ってくる。泣きたい。

「だからっ、あんま近づくなっつってんだよ!」

「連れないことを云わないで下さい……君と僕の仲じゃありませんか。では誤解の無いよう、きちんと皆に解るようにしましょう」




ん。






―――― シンと静まり返る教室。







「……ね。これで大丈夫」



は、は、白馬……。



みんなの目の前で白馬にキスされた俺は硬直し、そして顔から火が出るかと思うほど熱くなった。

我に返ると俺はそこらの連中をかき分けて、必死に教室を飛び出した。


一瞬の間があって教室の方から盛大な拍手喝采が響いてくる。お祭り騒ぎだ。人の気も知らねーでバカヤロウ。

チクショウ、ホントに涙出てきた。

あああ。明日はもう学校中でウワサだよ。

白馬の……白馬のバカやろう~~っ!!!











「そんなに怒らなくてもいいでしょう。当たり前になってしまえば噂などなくなります」

「当たり前って……んなわけあるかよ」

白馬の部屋の窓に腰掛けて、俺は脱力していた。

今度ばかりは頭にきて、この言葉だけはバカ丁寧なくせに日本人の奥ゆかしさを理解しない帰国子女のアホ野郎に絶縁状を叩きつけようと思ってやって来たのだ。

それなのに――俺が何を言おうが、どんな文句をつけようが、まったく柳に風だ。
穏やかに見透かすように微笑んで、たとえ殴っても俺の拳はフニャリと受け流されて、コイツに掠り傷の一つも付けられないに違いない。

「もーいいよ。俺帰る」

なんでこんなヤツ好きになったんだろ。

ずっと――苦手だと思っていた甘い笑みに、それが俺だけに向けられていると気がついてから――俺はコイツに見詰められると心臓がドキドキするようになっていた。

絶対にタイプじゃないはずだったのに。それなのに、いつしか長く綺麗な指先に魅せられて。その指に頬を触れられて眩暈まで覚えて――。

「黒羽くん、ちゃんと中にお入りなさい」

「やだね! 俺は後悔してんだっ、オメーなんかと……」

窓の桟に置いた手を掴まれる。

「僕と…?」

「……」

付き合い始めたこと。

だいたい無理があったんだ、最初から。コイツに合うのはゴージャスな花束とかが似合うお嬢様タイプだ。俺なんかじゃない。

「放せよ。帰るんだから」

「来たばかりじゃないですか」

「帰るったら帰る!」

俺は白馬の手を振り払った。
はずだったのに、逆に引っ張られて部屋の床にズデンと音を立てて白馬とともにひっくり返った。

――やば。響いたぞ、いまの。

「大丈夫ですよ。今夜は僕一人です。……いや、君と二人きりです」

ジタバタともがくが、俺より手も足も指も長くて手のひらも俺よりずっと大きい白馬に体重を乗せられたら、もう動けない。

「重い。どけっ」

「だめです」

「白馬……」

チクショウ。また実力行使。悔しいが白馬に包み込まれるように口付けられると、ヘナヘナと力も憤りも栓が抜かれたようになって俺はクタリとへたり込んだ。

「逃がしませんよ……僕の〝怪盗〟さん。この腕の中が君の永遠の檻なんですから」

「……こっぱずかしい言い方すんな」

「大真面目ですよ、僕は。たとえ君が逃げ出そうとしても、僕はこの手を決して放しませんから、そのつもりで」

言いながら白馬がシャツの裾からいつの間にか片手を差し入れて俺の肌を弄っている。

「ば、バカッ、やめろっ」

「今夜こそ戴こうと思っているのですが」

「な、な、なに、を」

「君をです」

胸の突起が白馬の指先に挟まれる。

「な…、バカッ、よせ!」

「僕ら両想いですよね? 君の全てを知りたいと願うのは、恋人同士として当然の欲求だと思います」

「ふざけんな、心の準備ってもんがあるんだよ! まだ、無理――」

唇を塞がれ、口の中に白馬の温かな舌が忍び込んでくる。

うそだろ…、まさか本当に今からやるつもりかよ。好きだけど、好きだけど、俺にはまだ無理だ。

やめてくれ。

白馬、やめてくれっ、頼むから――!!


「黒羽くん」

「…………」

ポロポロと隠せずに涙が零れてしまう。

「…見んなよ」

こんなヤツに泣かされる自分が情けない。

背けた頬に長い指を添えられて、何故だかますます涙が止まらなくなった。

「!」

ぐいと上体を起こされ、はっとする。思わず体が強張った。白馬と目が合う。目の前の明るい茶色をした静かな瞳に、俺のみっともない顔が映っていた。

「見んなよ…!」

俺はもう一度言って目を逸らした。

ふう。と白馬が頭の上で溜息をつく。

「…仕方ありませんね。そんな顔されては」

え…。

「君の心の準備とやらが出来るまで待ちましょう」

「…ほんと?」

「あからさまにホッとした顔して。まったく……。では、何分待てばよいですか。10分? 15分?」

「ば、ばっ……か、そんなちょっとじゃ出来ねえよ!」

「では、一時間? 朝まででも待ちますよ」

「今日は無理!」

「そんな」


それから馬鹿みたいにくだらない会話を続けているうちに、なんだか俺は眠くなった。こどもにするように、背中をトントンとたたいてあやされて。

温もりに包まれ、自然と小さな欠伸が出た。
ただ抱き合ったまま白馬に背や頭を撫でられて、うとうと目を閉じる。

白馬が『また僕は据え膳のままほったらかしですか』と言っている。

ごめんよ……白馬。でも俺、これで今は十分なんだ。
白馬の優しさに甘えて、甘やかされて。

ごめんよ……。

次にここへ来るときは、ちゃんと覚悟してくるよ。だから……今日はこのまま眠らせて。


ただ優しく…俺を…抱いててよ――。








20120202


――――――――――――――――――


あとがき

明日学校に行ったらどうなるか、っていうところまで付け足すとダラダラしちゃうので、甘イチャで落ち着いたところで終了させました。

白快週間なんて言ってましたが、最難関をとりあえず?突破したので(白快)はまたいずれ、ってことにしようかと思います…。お粗末様でしたー。(^_^;)


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