名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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放課後4《3/3》(白馬×快斗)

────────────────────────────────

(黒羽くん!)

名を呼ばれ、硬直する。
な、なんで。……どうして?!

二つの気配のうち、一つは今倒れ込んだサイレンサーの男。そしてもう一つの気配は────まさかの白馬だったのだ。




訊きたいことは幾らでもあるが、とにかく今は脱出が先だった。互いに無言で走る。

白馬がペンライトを消して立ち止まった。

(僕の首に腕を回して!)

(え?)

誰か来た。白馬が俺のキャップを奪って自分で被る。抗議する間もなくグイッと腰を掴んで引き寄せられた。

(うっ…)

白馬に抱き締められて…どころか、いきなりディープキスに見舞われた。ワケが分からなくなる。墜ちた時に打撲した肩の痛みも吹っ飛んでしまう。

「ん…んん…っ」

背後を通過する何者かの気配。舌打ちして去ってゆく。


(…も、行ったぞ、放せっ)

ベタなことしやがって。
ジタバタもがくが、上背のある白馬に抱きかかえられて逃れられない。脚を蹴っ飛ばした。

(痛たっ、なにするんです)

(調子にのんな! 前も言ったろーが)

小突き合いながら、俺たちはまた走り出した。











・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



翌朝。

サイアクな寝起きでフラフラしながら教室にたどり着くと、すでに白馬は涼しい顔で自分の席に座っていた。

「おはよう、黒羽くん」

「………」

「僕の顔になにか?」

にっこり笑う甘い口もと。
くそ。こっちの方が恥ずかしくなって目を逸らした。

「放課後、顔貸せ」

「では屋上で」

頷いた白馬をジト目で睨み、〝ケッ〟と声を出して俺は白馬の席を離れた。


なんだかすっかり白馬のペースになっちまってる。


昨夜俺の窮地に突然現れた白馬は、あの杜から脱出したところで、やはり突然姿を消したのだ。何故と問う間もなく。

俺を────〝怪盗〟を助けるような真似しやがって。
俺は頭に来ていた。かなり、自尊心を傷つけられていた。










放課後。

何かに急かされるような思いで俺は階段を駆け上がった。怪我した左肩が腫れて痛んでいたが、どうということはない。


屋上に出ると、白馬はいつもの所で俺を待っていた。
空を背にした白馬の姿に目が惹きつけられて────どくん、と鼓動が跳ねた。


チクショウ。

てめえフザケンナ!! そう言って一発ぶん殴ってやろうと思っていたのに。

どくん、どくんと続けざまに心臓が高鳴って。

そして───白馬が振り向いて…目が合った瞬間、抑え込んできた感情が噴き出した。
叫び出したいような〝想い〟が溢れて。
止まらなくなって。

俺は走り出した。
まっすぐ白馬に向かって。




手を広げた白馬の胸に飛び込む。



しっかり受け止めてくれる。

俺を。憎らしいほど。





「黒羽くん…」

耳をくすぐる甘い声。

「捕まってくれるのですね」

「そーだっ、悪りィか!」

ふふふ、と白馬が笑う。

「?」

「人がきました。こっち」

抱きかかえられたままズルズルと屋上の隅っこに移動する。
しかし、それはそれ、これはこれだ。
一言言っとかないと気がすまない。

「白馬テメーッ 昨日はよくも」

「偶然ですよ。たまたま寝付けなくて散歩していたら、白い大きな鳥が杜の中に落下するのを見たのでね」

「偶然なわけねーだろ!」

「そうしたら物騒な物を持った怪しい人影がうろついていたので何事かと…。君を見つけられてよかったです」

「……余計なことを」

「仕方ないでしょう」

「なにがだよ」

「僕は君が好きなんですから」

「………」

かああと熱が上がる。

「君に振られて、僕は……少し以前の僕だったら、自分の愚かさを嘆きながら身を引くしかなかったでしょう。ですが」

「…なんだよ」

「諦められませんでした。どうしても」


────諦められるわけがない。

あの日この場所で抱き締めた君が零した涙。ポーカーフェイスという堅い鎧で隠した君の本当の心。
僕が気付かないとでも思ったんですか。


「君も、僕を────」





言葉を途切らせた白馬を見上げた。

目の前には穏やかな明るいブラウンの瞳。俺を……俺だけを映して微笑んでいる。


そうだよ。
おまえの言うとおりだ。俺はとうに捕まっていた。

自分の気持ちから目を逸らしていただけ。
気付いていたのに気付かぬ振りをして。
ずっと求めていたのに。
抱き留めてくれる胸を。有無を言わさず塞いでくれる唇を。こうして二人でいることを。


いつからだろう。

待っていたんだ。俺は、この時を……。






言葉はもういらなかった。

まだ明るい屋上の片隅で。

黙ったまま見つめ合って。

誰にも見つからぬよう。

そっと唇を重ね合った。


心を通わせ合った恋人同士としての、初めての甘い口付けを────。










20121009


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