名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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指の隙間の月光《1/2 》(白馬×快斗)
カテゴリ☆硝子の欠片
※白馬くん視点から
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背を強く突き飛ばされ、僕は固いコンクリートの上に突っ伏した。

次に何が起こるか身構える間もなく、背後でガチャリと扉の鍵が掛かる音がした。嘲るような笑い声と共に。




どうやら閉じ込められたらしい。
ただしここは密室ではなく、天高く開け放たれた場所──校舎の屋上なのだが。

「あいたた…」

かろうじて両手を着くことができたが、強か膝を打ってしまった。
袋叩きにされなくて良かったと自虐気味に安堵を覚えつつ、この状況に至る原因の心当たりに僕は溜息を付いた。


彼らが僕を屋上へ締め出した理由は想像が付く。
また屋上から大声で叫べばいい、叫んで助けを求めればいい…という事だろう。

つまり、一昨日僕が屋上から黒羽に大声で告白したことを皮肉り、揶揄しているのだ。


───いい気になるなよ、お坊ちゃん。


あの時、僕にそう吐き捨てた上級生がいた。顔など見ていない。今の連中がそうだったかどうかなど判らない。

僕が告白した翌朝、黒羽も校庭から学校中に響き渡る声で返事をしてくれた。そして僕らは互いの想いを確かめあった。…はずだった。

「やれやれ」

独り言も虚しい。
なにしろ黒羽への想いが通じた喜びを覚えたのは、あの瞬間いっときだけの事なのだ。

教室に戻った直後こそ皆に冷やかされ〝うるせえ〟などと怒鳴って赤くなっていた黒羽だったが、すぐに元通り、普段の黒羽に戻ってしまった。
僕と目が合うとサッと向こうのクラスメートの輪の方へいってしまったり、目すら合わせようとしなかったり。

つまり黒羽の態度が以後一変するなどということはなかった。それどころか余計避けられるようになってしまったのだ。


──照れてんだよ、快斗。

黒羽の幼なじみの中森さんが、呆れ顔で僕に同情してくれた。

──なんたって生まれつきの天の邪鬼(あまのじゃく)だからね。白馬くん、ここはもう一押し必要だと思うよ。

ありがたいアドバイスを拝聴しつつ、僕は苦笑いするしかなかった。
もう一押し。だが、どのように?

悪友たちと戯れる黒羽を離れた席から眺めつつ、僕はひっそり溜め息を漏らすしかなかったのだ。








・・・・・





「あーーっバカ! 何やってんだ俺!」

途中まで一緒に下校してきた悪友たちと別れて1人になった俺は、またまた自己嫌悪の嵐の中にいた。

「せっかく決心してせっかくちゃんと白馬に返事したのに~!」

それも校庭で大声で叫んだのだ。『白馬が好きだ』って。

「うわ」

思い返しただけで体中熱くなる。
走ってきた白馬の姿にテンション上がった俺は、ショーのノリで煙幕弾を使った。
立ち止まりかけた白馬に近づいて、俺は…俺たちは……。

「うあ~」

思い出しては顔から火が出そうなほど熱くなって狼狽える。
とてもじゃないが皆の前で白馬と目なんか合わせられない!

だけどだけど、こんなのツンデレもいいとこだ。自分でも分かってる。白馬にすれば公開両想い宣言したはずの相手が自分を避けまくってるんだから、そりゃ弄ばれてると憤ってもおかしくない。

今日の帰りだって『白馬と帰んなくていいのかよ』って悪友どもがマジ顔で心配してくれたのに『逆方向だし』とか言って白馬を振り向きもしないで教室出てきちまって…。 
バカ!バカバカッ!

「俺って本当に酷いヤツ!絶対バチが当たる!白馬が優しいからってどこまで甘ったれてんだよ…トホホ」

やっぱり白馬に会わなきゃ。今日のうちに…。
俺は来た道をUターンし、白馬の家に向かって駆けだした。






硝子の欠片4《2/2 》へつづく
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「サカナ嫌い2」「朧ろ覚え」「レモンパイ」へ 拍手ありがとうございました(^_^)ノ


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