名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
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夢遊飛行(新一×快斗)
※ゆる軽ショート、新一視点
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体が浮く。

急激に舞い上がる。天高く、夜風を受けて。



怖くはない。
キッドがオレをしっかり抱えてくれているから。

さっきまで立っていたホテルの屋上が、色とりどりの夜景に紛れてもう見分けがつかない。

前を向く。キッドがオレに話しかける声が背中から伝わってくる。


〝助かったぜ、名探偵〟

〝助けたくなんかなかったがな〟

一応、文句は言う。キッドがハハハと快活に笑った。

ここは海外で。
言うなればオレは〝囚らわれの身〟で。
キッドの言いなりにするしかなくて。

───だけど。

ほんとは…ちょっと楽しい。

スリリングな異体験に、内緒だけどワクワクしてる。

だって、こうしているのは怪盗とオレの二人だけの秘密なんだ。

誰にも言えない秘密を、オレたちはこの先ずっと共有していくんだ。
ずっと。

眼下に広がる夜景はまさに散りばめられたジュエリーだ。
そのジュエリーの絨毯の上を、縦横無尽に滑空する。


───いいのかな。オレこんなに暢気で。

ふと我に返り、自分を抱えるキッドの服の袖をきゅっと掴んだ。


〝おい、キッド、そろそろ降ろせよ〟

〝やだね〟

〝なんで!〟

〝俺が名探偵を連れてきたの、ほんとに事件のためだけだと思ってんのかよ〟

〝えっ〟

〝迷宮なしの名探偵も、こーゆーことには鈍いんだから困ったもんだぜ〟


────え?


何のこと?

考えるより先に心臓がドキドキ跳ねて、キッドに鼓動が伝わるんじゃないかと焦ってしまう。


〝ずっと言いたかったんだ。───だぜ、名探偵〟

〝え…!?〟

え、え、え。聞こえない。

いま、なんて?!!

肝心なとこが! 聞こえなかった!!


風の音と自分のドキドキの音がうるさくて、耳鳴りがスゴくて気が遠くなる。


もーいっかい言って!! 頼む!


ねえキッド、もう一回!!


もう一回……!!!











「───キッドってばぁ!」


はっ。


なんだ?

コナンの声じゃない。

オレの…工藤新一の…声だ。

「………」

薄ら明るい。

目が覚める。ここは空じゃない。

ここは。ベッドだ…。

後ろからオレの胸に回された腕。

首を動かす。

見慣れた自分の部屋。自分のベッドだ。

なんだよ…、ユメオチかよ!!

この腕のせいか!

「快斗~…!」

背中に感じる温もりと寝息。

快斗め、寝ながらオレをホールドしてたのか。
おかげでヘンな夢見ちゃったじゃないかよ。

「おい…快斗」

「…ん……」

「起きろ。朝だぞ」

「…ウソ付け…まだくらぃょ…」

「こら。腕、放せ。痺れんだろ」

「うう~ん、平気。名探偵、軽いもん…」

寝ぼけてやがる。

オレは笑った。そして〝ユメオチだけど夢じゃなかった〟ことに心底安堵し、そして嬉しかった。

「じゃあ寝てろ。起こしてやるから」

快斗を背にしたままゴロリと体を返し、快斗の上に乗っかる。

「うぇ、ばか、重も…、クルシぃ…」

「軽いから平気だって言っただろうが」

「えぇ…? あ、くど───」

覚醒した快斗が腕を離す。

振り向くと、快斗は目を大きく見開いてオレを見上げていた。

オレは快斗に口づけた。

今度はオレが、快斗を抱き締めた。





20191008
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※快コ気味?でしたがぬるくてスミマセン。紺青の拳ラブラブバージョン(..;)でした。

●拍手御礼
「虚空」「囚人」へ、拍手ありがとうございました!


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