moonlight 新一×快斗

another purpose─目的─《1/2》
※妄想全開で前後は考えずに書きたいシーンのみ書いてます。お許しを(..;)。
※快斗くん視点
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「警備主任のヘッズリ・ジャマルッディンと──それからもう一人、私の友人を同席させていただきたい。君たちと同じ日本からの客人だ」

レオン・ローは後ろを振り向き、何者かを手招きした。

「やあ。まさかシンガポールで君に会えるとはね。はじめまして、工藤新一くん」

「………」

「白馬さん？」

俺より先に蘭が反応した。というか、俺はポーカーフェイスを保つので精一杯だった。
だって──何故ここに白馬が現れるんだ？！

「申し遅れました、白馬探です。〝黄昏の館〟以来ですね、毛利蘭さん。その節は失礼しました」

蘭に返事をしながら、白馬の目線は俺を捉えている。

解らない。
白馬のやつ、俺を本当に工藤だと思っているのか。それとも──。
だが、とにかく今は工藤になりきって対応するしかない。

「白馬探くんか。噂は聞いている。イギリスから日本に帰国して江古田高校に転入した、探偵だそうだな」

───私も聞いたことあるー！ やだイケメン！

園子が声を上げると、部屋の隅でジャマルッディンと握手をしていた京極が振り向いた。蘭が慌ててまた園子を窘(たしな)めている。

俺は工藤新一として当たり前の質問をした。

「白馬くんは、何故シンガポールに？ レオンさんとはどういう知り合いなんだ」

白馬はやや斜に構えて前髪をさらりとかきあげ、フッと笑った。

──その質問には私がお答えしましょう。

割って入ったレオン・ローが言うにはこうだ。

犯罪心理学の講師として英国の某大学に招かれた際、特別枠で講義に参加していた白馬と質疑応答をした。その時にお互いの連絡先を交換し、各々の国に戻ってからも世界的な事件に関して意見を交換し合っている。
今回怪盗キッドが予告状を出した〝ブルーサファイア〟を保管しているのがレオン・ローの屋敷だと、白馬は知っていた。そして怪盗キッドと対峙した経験を持つ自分に助言できることがあるかもしれないと、シンガポールを訪れた──。

「工藤くんは有名な高校生探偵だそうだが、サグルも優秀だ。その工藤くんとサグルが奇遇にもここで初対面を果たすとは、私も光栄だよ」

レオン・ローがにこやかに取りなす。

レオン・ローが相当な食わせ物であることは間違いない。
物腰は紳士然として上品、語り口も穏やかでインテリジェンスを漂わせているが、その実、腹の内で何を考えているのか全く解らない、まるでブラックボックスのような男だ。

直後に〝ブルーサファイア〟の持ち主、ジョンハン・チェン氏が来訪し、大勢に紛れる形で俺は狙い通り最新鋭の地下金庫内に入った。
侵入者を許さない複数の罠が施されていそうな金庫の壁を叩き、ジャマルッディンに睨まれながら、俺は決意していた。

やはり、今夜しかない。

思いもよらぬ白馬の登場で混乱はしていたが、邸内の案内を受けながらいざという時の仕掛けは諸所に配置しておいた。

ホテルに戻り、皆が寝静まったら怪盗の登場だ。

見ていろ、レオン・ロー。白馬。

ブルリと肌が粟だったのは恐れではない。武者震いってやつだ。

俺は決めたことは必ずやり遂げるタチだ。

レオン・ローと白馬に会釈して屋敷を失礼し、俺は蘭たちとホテルへの帰路に就いた。





another purpose─目的─《2/2》へつづく
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※描写がややこしくなるのでアーサーくんはいるかもしれませんが(??)省いております。都合よく勝手な妄想なのでご容赦を～(..;)。


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