名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

another purpose─目的─《2/2》
※妄想全開の後編(..;)
──────────────────


気付いたら水の底だった。

すでに水を飲んでしまっていて、息が保たない。



構造から、注水・排水の設備があるのはおおよそ想定していた───だが、まさかテーザー銃を使ってくるとは。それも背後から。

甘かった自分を反省している時間はなかった。排水口の蓋と思われる一点をトランプ銃で連射すると、僅かだが歪みが生じた──ように見えた。
水中で精一杯の力を込めて蹴飛ばす。



ゴウッ────。


やった。あっという間に吸い込まれる。

かなりの勢いの水流に乗って流されてゆく。
出口は…どこだろう。

もう少し。

この勢いなら…、出口まで…きっと、

あと…少し、…だ……。

薄れる意識の中で微かに考える。
出口でレオン・ローの手の者に待ち伏せされていたら、完全にアウトだ。


気が遠くなる。


ふわりと浮く感覚があった。


息が吸える───。


だが、そこまでだった。


俺は意識を失った。













揺さぶられる。


強く、胸を圧されている。


誰かが───呼んでいる。


〝キッド〟


〝こんなところで倒れるなんて、僕が許さない〟


〝さあ、息をするんだ〟


〝キッド──!!〟




………。




温かいものに口元を覆われる感覚…。


温かな──吐息が吹き込まれる。俺の中へ。


肺が膨らむ。


また強く胸を圧され、苦しくて身を捩った。



「が…はっ…!」



飲み込んだ水を吐き出し、激しく咳き込んだ。



「───はあっ、はあっ…、はあっ…はあ…っ───」

大きく息を吸い込もうとしたが、うまく吸えずに、むせっては水を吐いた。


ようやく目を開けて周囲を確認できるようになっても息の乱れはなかなか治まらず、俺は立ち上がろうとしてガクリと膝を着いた。

レオン・ローの屋敷の地下、金庫室のさらに下の階層だろう。邸内とはまるで別次元の無機質な金属の壁。足元の排水溝を大量の水が流れてゆく。

幸い、誰もいなかった。
あの状況から脱出できたのは我ながら運がいい。下手をしたら本当にくたばっていたかもしれない。

「はあ…、はあ……」

そして俺は気付いた。

誰かが、ついさっきまで俺のそばにいた。

その誰かが、溺れた俺に救命措置を施した………?



まさか。


濡れた手袋で思わず口元を抑えた。


あれは───口元に覚えたあの温もりは、気のせいじゃ…なかった。


俺は…助けられたのか。


あいつに。



白馬に。








・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・






僕が客間に戻ると同時に、邸内のセキュリティーアラームが鳴り響いた。

ほどなくして煙幕が立ち込めはじめ、数十秒もすると目の前が真っ白で何も見えなくなった。
微かな甘い香り。

どうやら、怪盗は立ち直ったようだ。

この後さらなる危機が彼を見舞うに違いないが、僕が手助けできる機会はおそらくもうない。

怪盗キッド。

君を助けたのが僕であると、君はもう気付いているだろう。そして余計なことをと、憤慨するに違いない…。

だが、僕は知っていた。心理戦に長けたレオン・ローが、君にとっていかに危険な相手であるか。ここの金庫室に仕掛けられた罠が君の命さえ奪う可能性があることを。


だから、僕はきたのだ。


僕は、君を阻むためにシンガポールに来たのではない。


君を、助けるために来たのだ。


君の正体を暴くのはこの僕なのだから。


いつかその日が来るまで、怪盗キッドは誰にも渡さない。


誰にも。君を。


渡さない。







20190621
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※お粗末様です。水攻めからすんなり助かったかのようなキッド様でしたが、実は白馬くんが懸命にキッド様を救ってたんだよ~。という前後や他の登場人物を無視した妄想編でした。

※は~、今夜はキッド様生誕祭『紺青の拳声援上映』です! 手に入れたトランプ銃タイプのペンライトを持参して応援に行って参りますよー
(^-^)///

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