moonlight 新一×快斗

帰還《1/2》（新一×快斗）
カテゴリ★インターセプト《番外編》
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快斗はオレが気付いてないと思っているのだろう。

もちろん〝証拠〟も〝自白〟もなく、〝推理〟というより、オレの〝想像〟でしかないのだが。

快斗を失っていたかもしれないと思えば、こんな葛藤など些末なことだと分かってはいる。

再会の歓びに満たされていた間は余計なことを考える隙(ひま)がなかった。大きな怪我もなく、怪盗としての気力を保ちつづけていた快斗にオレは安堵し感激した。

だが落ち着くにつれ、快斗の窶(やつ)れた姿を陽の光のもとで目の当たりにするにつれ───オレの中にだんだんと良からぬ想像が芽生え、膨らんでゆくのを抑えられなくなった。


囚われている間、快斗はどうしていたんだろう。


何か、されたのでは───。



「あーっ、バカオレ！ ほんっと余計だよ、 快斗が助かっただけで十分だろうが！！」

自室で悶々して、挙げ句にデッカイ独り言で吐き出したりしてる。

快斗は先週から復学していた（本人ではなく白馬がマメに知らせてくれている）。
オレはといえば、はじめのうちは連日警視庁に出向いて調書作成に協力したり、それが片付くと今度はベルツリー・タワー改装再オープンの準備を手伝ったり、さらにその後片付けを手伝ったり。まぁ、要は快斗と二人きりになる時間はまだなかった。
というより…忙(せわ)しさのせいにして、二人になるのを後回しにしていたんだ。快斗を抱き締めたい強い想いにずっと衝かれていたにもかかわらず。

快斗がまだ白馬研究所にいた頃、灰原から『彼の首からこんなものを取り出したわ』と写メが送られてきた。
小さなカプセルタイプの機器だった。

『単純な発信機ね。自分で処理するって言うから本人に渡したわ』

『それから…心配してるだろうから教えとくけど、虐待を受けた痕跡は特になかったわ。むしろ不思議なくらい。痣はあちこちあるけど、どれも脱出に際して負ったもののようね。体重は本人の申告によれば5キロ近く落ちてる。ま、それもよく休んでよく食べれば、じき戻るんじゃないかしら』

『あと他にあるとしたら精神的なものね…。本人はさほど気にしてないつもりでも、案外根深かったり、誰かの助けが必要な場合もあるわ』

『さっさと助けてあげたら？』

『あなたの方もね』



オレも、か。
灰原が言おうとしてることは解る。オレはまだ快斗を取り戻していない。快斗が訪れるのを待っていたのではすれ違うばかりで前に進めない。

机に放り投げていた腕時計を取り、時刻を見た。
23時を回っている。


「……」


ためらうのか、ここでまた。

快斗が何かしらの理由を付け、断ってくるのを怖れて──。


「そん時はそん時だ…！」


オレはスマートフォンを操作し、快斗にメッセージを送信した。

泊まりに来い、と。






帰還《2/2》へつづく
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※★インターセプト、最後新一視点ないままだったなー、と思ってるうちについ書き出してしまいました(汗)。そして手短に済ませるつもりが書いてるうちにどーせなら…という展開に。そんなわけで後半はR18目標です。たいした描写にはならないと思いますが～(*_*;;

●拍手御礼
「確率」「おおきくなったら」「囚人」、カテゴリ★交錯、★インターセプト へ 拍手ありがとうございましたー(^^)/

☆今宵は匿名にて 様！！
拍手コメントありがとうございます！ あまり詳しく読み返しちゃだめです～、自分でもさらなる反故を見つけるのが怖くてじっくり読み返してないんですぅ～っ。
そしてもしや同世代？ファースト派！？♪ 嬉しいです(^^)///  昴さんとして怪盗キッドと絡む赤井さん。とかどうですか？ 妄想止まらないっすね～(*^^*)!!

[5回]