名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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帰還《2/2》(新一×快斗)R18
カテゴリ★インターセプト《番外編》
※ぬるいですスミマセン(*_*;
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快斗からの折り返しはなかった。

メッセージを読んだかどうかも分からない。



ただ待つ時間は長かった。
もう一度連絡するか、直接携帯を鳴らそうかと思いながら、結局出来ずにオレは半分諦めてベッドに寝ころんだ。

カーテンの隙間から覗く夜空に月はない。
新月だ。
あの夜───煌々と輝いていた奇跡の月は、今もそこにあるはずなのに。

見えない月に手を伸ばそうとしてためらう。
快斗にはまだ時間が必要なのかもしれない。無理強いして苦しめるようなことがあってはいけない。

考え過ぎかもしれない。
だが…、もし今夜このまま快斗が現れなかったら、オレはこの先きっともっとためらってしまうだろう。
手を差し伸べたいのに出来ない。
抱き締めて…鼓動を確かめたいのに。
こんなに──。





「!」

ハッと目を開けた。
階下に気配がする。オレは部屋を飛び出した。


「──遅かったな」

上擦る気持ちを抑え、エントランスに立つ快斗に声をかけた。オレの気も知らずに、快斗はイタズラ小僧のように〝イヒヒ〟と笑った。

「来ないと思った?」

「……」

ふざけんな。
バカやろう。
待たせやがって。

以前なら言えたはずの言葉が出てこない。快斗の顔を見て、安堵して。切なくて。

オレが黙り込んでしまったからか、快斗も少し慌てた感じで言い訳してきた。途中で警官に出くわしたからだとか何とか。

『未成年が深夜徘徊してたら職務質問&保護するのが警官の義務だ』とオレが返すと、『だったら夜中に呼ぶなよ』と快斗が頬を膨らませた。

目が合い、互いに吹き出した。
オレはようやく快斗に歩み寄ることが出来た。快斗の肩を抱く。
春の夜風を纏った快斗の匂いはどこか懐かしく、オレの胸に染み込んだ。



オレがあんまりギクシャクしているもんだから、快斗が面白がって『そういえば』と話し出した。

あの時、名探偵めちゃくちゃテンパってたよなぁ。

あの時って…。

この前。最後にここへ来た時。

最後に…?

心臓を掴まれるような痛みを思い出し、苦しくなった。
あれは快斗が失踪する直前のことだ。ただし立場は逆だった。快斗はキッドの姿で現れ、オレを──。

へへへ、と思い出し笑いしていた快斗の目が不意に潤む。
戻ってこられないかもって思ってたんだ…あの時。そう言って。

オレも思い出していた。
快斗が戻ってきたら、文句を言ってやろうと思ってたんだ。
勝手に一人で覚悟を決めて、勝手に行っちまいやがって。白馬には告げたくせに、オレには何も言わず、オレを置き去りにして消えちまいやがって──。

快斗の唇が〝ごめん〟と動いた。
オレは快斗に口付けた。ずっとずっと夢に見ていた瞬間だった。



熱い。
互いの吐息がぶつかる。
深く穿つと、快斗は〝ああっ〟と声をあげ、顔を逸らせた。

快斗はオレが気付いてないと思っているのだろう。はっきりそうと解る(陵辱を受けた)痕はない。それでも。
なんとなく解るのだ。
オレを見上げる快斗の眼にちらつく影が。懸命に堪えようとする声が。
オレに気付かれまいとしていることが。

いいんだよ、と言ってやりたかった。
言えない代わりに口付けた。何度も。淡く、深く。漏れ出る嘆きのすべてをオレのものに…二人のものにしたい。

──あっ…、く…、くどう…っ!

ゆらゆら一緒に揺れながら、快斗の琴線を弾く。
快斗の肌が粟立ち、大きく震え出す。
まだだ、まだだ…。心の中で唱えながら、オレはさらに快斗を引き寄せた。

どんなに想い合っていても、近付けない平行線だったオレたちが、いま本当に交わり、一つになれたんだ。

どこにも行くな、快斗。

もう二度と、オレの手の届かないところに行くな…!

オレは快斗の手に自分の手のひらを重ね、指を通して強く握りしめた。
一つになったまま、両手を繋ぎ、唇を合わせた。
───ふっと息が止まる。
痺れが全身に伝わり、頭の先まで突き抜けた。

ともに到達した歓びに満たされながら、互いに抱き締め合った。

快斗。お帰り。そう呟くと、快斗は微笑み、そして小さく〝うん〟と頷いた。







20160428
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※お粗末様です…どこまでいっても甘々なので、ここらにしときます~(*_*;  

●拍手御礼
「確率」「加虐実験」「ブラックシャドウ」「ウルトラキッス」「Love cuffs」「ためらい(仮題)」へ、拍手ありがとうございましたー(^^);;

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