名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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エピソードX (コナン&キッド)

―――――――――――――――


「およしなさい、小さな子供に銃を突き付けてどうなるのです」

真犯人に抱えられた俺(コナン)の前に、白い怪盗が現れた。

いつものように真犯人を突き止め、追い詰めたまではよかったのだが。

階下で起きた爆発にコナンの軽い体がぐらつき、尻もちをついてしまった。形勢はあっという間に逆転し、俺は真犯人の男の腕に捕まえられてしまったのだ。

時間をかけて準備しただろう完全犯罪のトリックを子供の(姿をした)俺にあばかれて逆上した男は、今にも俺に向かって引き金を引くかと思われた。

その時――目の前にふわりと現れたのだ、怪盗キッドが――。

「およしなさい、小さな子供に銃を突き付けてどうなるのです」

うるさい、と怒鳴って男は俺を抱えたまま怪盗を睨み付けた。

「私が身替わりになりましょう。ですからその子をお放しなさい」

え…? 怪盗が探偵の身替わりに?

一瞬、男も怪盗の申し出にどう反応してよいか迷ったようだ。しかし全てを失う事になる怒りの方が勝ったらしい。男はつかつかと怪盗に近づくと、いきなり手にした銃で怪盗の顔を殴りつけた。八つ当たりだ。

「――キッド!!」

ふらついた怪盗が顔を上げる。
口元から赤い血が伝っていた。

男は血を見てさらに興奮したのか、俺を床に叩きつけるように落とすと怪盗に飛びかかった。



こ――この野郎、コドモの目の前で何しやがる。

完全犯罪に失敗し、自分を見失った男はあろうことか俺(コナン)を助けに現れた怪盗を、俺の目の前で襲い始めた。

「やめろォ!」

俺が叫ぶと、男は馬乗りになった怪盗の肩に銃を押し当てたまま狂った目をして振り向き、ガキは消えろ!!と大声で怒鳴った。

うっかり近づくと今度は怪盗が撃たれる。

俺が黙り込んで数歩下がると、男はもう俺に用はないとばかりに自分が組み敷いた怪盗を襲うことに集中し始めた。

怪盗の青いシャツに男の手が掛かったと思った次の瞬間、鋭い音を立てて怪盗のシャツは引き裂かれていた。

キッドが、危ない――!

しかし何故だか金縛りに遭ったように体が痺れて、動けない。キッドを助けなければならないのに。

キッドの肩が露わになる。

キッドと目が合った。キッドはキッドで、俺がそばから離れないので(俺の身の危険が去らないので)反撃を躊躇しているのだ。

分かっているのに、動けない。心臓が痛いくらい大きく跳ねて冷や汗が流れる。

そうしているうちに今度は怪盗の下肢に男の指が伸ばされ――。

ドォン、とビル全体が揺らぐような振動が響いた。
ハッと目が覚めたように手が、体が動いた。






爆発を繰り返す悪魔の塔のような高層ビルから脱出した。

風が冷たい。

寒みぃ、と怪盗が嘆いた。
空を飛ぶ怪盗の腕に抱かれた俺は、風が怪盗の裂かれたシャツから覗く素肌に直接当たらないよう一生懸命くっついて、怪盗が少しでも寒くないようにした。
怪盗の肌の香りを胸一杯に吸い込む。なんだろ。優しいにおい。石けんの香りみたい……。

「名探偵」

「んっ?」

「さっき、もっと早く俺を助けられたのに、しばらく見てただろ」

「…ちっ…ちっ、違うよ!」

それは誤解だ。
本当に――頭と体が分離されたように動けなくなってしまっていたのだ。
もしかしたら……コナンの子供の体が〝見てはいけない大人の行為〟に対してフリーズしてしまったのかも。

見上げた怪盗の口元が紫に腫れていて痛々しい。喋ろうとして顔をしかめてる。

「……あーあ。また服だめにして、文句言われんなぁ」

口調が素っぽい。こうなると(本来の)俺とまさに同年代だと感じる。
それより。

「文句って、誰に言われんの?」

「――いけね。そんなん探偵には秘密に決まってっだろ!」

怪盗はそう言うと翼を傾け一気に旋回した。

うわあ! と振り回されて俺が叫ぶと、怪盗は明るい声でアハハと笑った。





20111022

―――――――――――


えーと、あるエピソードから部分的に抜き出した的な感じです。前後左右の詳細?は無視です。ここはどうしてやそしてどうなったは考えないようオネガイいたします~(^_^;)

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