名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

白衣でドッキリ《2/2》
※タイトル変でスミマセン(^^;)。
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「名探偵、意外とちゃんと小学一年生してんのな」

聞き覚えのある声。固まるオレの背中でポン!と音が弾けた。


漂う薄紫の煙とラベンダーの香り…これって、ま…まさかっ!!?

くるりと椅子が回される。
そこにいたのは白衣の女医先生じゃなかった。白衣は白衣でも────

「か…、か、怪盗キッド!!」

モノクルの飾りを揺らし、キッドが笑う。

「かわいいねぇ名探偵。このままずっとお医者さんごっこしてたいよ」

「なっ、なんで、てめえが?!」

「しい~静かに。誰かに見つかったら大変だろ、怪盗と二人きりなんて」

人差し指を唇に当て、キッドが囁く。

「ふざけんな! いったいいつから変装してたんだよ!?」

「初めからさ。校医の爺ちゃんが今日は急用で休むって聞いたから。それにしてもたまんないね~。名探偵の肌、柔らかくってスベスベ♪」

ええ? 最初から? それじゃ…昼間の健診の時もコイツだったの!?

「ひゃっ! よせ、バカッ」

キッドの指が脇腹をなぞる。呆気にとられて捲り上げたままだったシャツを、オレは慌てて引っ張りおろした。

「ちえっ」

キッドが白い手袋を取り出して両手にはめる。



ふぁさっ。



〝ちゅっ〟



・・・エッ。

なに…? いまの。
どくん、と鼓動が膨らんだ。
衣擦れの音がして…キッドが床に跪いたと思ったら、一瞬目の前が暗くなって。
キッドの睫毛が近付いて……唇に、柔らかな…何かが────。

「うわあ」

仰け反って椅子から落ちそうになり、オレは素早く伸びたキッドの両手に支えられた。

「じっとして、名探偵」

「キ、キッド?」

「不思議だな。ここが小学校だからかな。いつもの手強い名探偵とは思えないよ。…可愛くて、放せない」

「………」


カワイイだと?  フザケンナ!


言い返そうと思うのに、声が出ない。
ドキドキ脈打つ体を包むように抱き締められて…温かくて、守られているようで、言いようのない安堵感を覚えてしまう…。

とか言ってる場合じゃないっ!

「こ、こらキッド! 帝丹小に何しに来たんだ!?」

「決まってるだろ」

「なにが!」

「名探偵を奪いにきたのさ」

「はあ?」

意味が判らない。

「オレを誘拐する気か!?」

「違うよ。声が大きいし。口塞いじゃうよ? チューッてしちゃうよ?」

「えええ?!」

口調とは裏腹にキッドの瞳はやたら真っ直ぐで、深い色をして。オレをじっと見詰めている。
熱い。バクバクする。
心臓がもたね~っ(>_<);;!


コンコン。────ノックの音。

『あのー小林です。入りますよ~』

オレはハッと我に返った。扉が開く。

「こ、小林先生っ!」

「コナンくん、いるの? 失礼しま~す」

衝立の向こうから、小林先生がひょいと顔を出した。

「あらあ、熱があるのね。顔が真っ赤っかよ。保健室だってみんなに聞いたから来てみたんだけど」

「あ、あの、あの、これは…っ」

「ええ、検診の時から熱っぽかったから。でもたいした事はないみたい」

あ…れ?
オレは混乱状態のまま恐る恐る前を見直した。

「無理しないでね、江戸川くん。お家に帰ったら温かくしてすぐお布団で寝るのよ」

「あ………ハイ…」

椅子に腰掛けた女医先生がにっこり笑ってオレを見ていた。
頭が完全にショートしてしまったオレは、カクカク頷くのがやっとだった。





「小林先生、ありがと。ひとりで帰れるよ」

「そう? 気をつけてね。フフフ」

「な、なあに?」

校門まで付いてきてくれた小林先生が、オレにウィンクする。

「あの女医さん、いい匂いだったわね」

「えっ」

「ラベンダーの香りかな。一日だけのピンチヒッターで男性の先生方も残念がってたわ。コナンくんもキレイな先生に診てもらって、ちょっとドキドキしちゃったんでしょ?」

「一日だけ? しばらくあの女医先生だって…」

「そう聞いてたんだけどね。校医のおじいちゃん先生から、明日は出てくるって連絡があったそうよ」




オレはランドセルをしょい直し、一人とぼとぼ下校した。

歩きながら小石を蹴飛ばす。
頬を撫でる風に、間近に感じたキッドの吐息を思い出して赤面した。

小林先生と話をする女医先生は落ち着いていて、どこから見てもちゃんとした大人の女の人だった。怪盗キッドの変装だなんて、突拍子なさ過ぎて言い出せなかったんだ。

それに────オレは気付いたんだ。
女医先生を見た時に感じたドキドキが、〝アイツ〟と出逢った時に感じたドキドキと同じだったってことに。

ぶんぶんと頭を振ると、くらくらがまた強くなった。
くそう、キッドの奴め。わざわざオレをからかいに来やがって。覚えてろ!




・・・・・・・・・・・・・・



帰って行くコナンくんの小さな背を見ながら、俺はため息を付いた。
俺としたことが、舞い上がって言い損ねちまったぜ。
名探偵を奪いに…じゃなくて、〝名探偵のハートを盗みに〟って言いたかったんだよな、ホントは。

次こそちゃんと伝えて、ちゃんと盗み出すぜ、名探偵。覚悟しとけよ。
名探偵の胸に眠る光り輝く最強のダイヤモンドをな!





20140513
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※うひー。改題しようか迷いましたが、このままにしときます…(*_*;

●拍手御礼!
「朧月」「白衣でドッキリ《1/2》」「嘲弄」へ拍手ありがとうございました…!

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