名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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森の中(新一×キッド)
《四名画のショートパロディ》

※原作から一部場面をお借りしたショートパロディです。

――――――――――――――――――

「高木刑事、なにしてるんです?」

「あ……工藤くん。いや、ちょっと夜風にあたろうと…」

「なんだ、そうですか。てっきり翼を広げてそこから飛び立とうとしてると思ったのは……気のせいか」

窓際で振り向いた高木刑事の表情が変わる。真面目で人のよい青年刑事の顔から――不敵な怪盗の貌へ。

「……どこでわかった?」

「消去法さ。でも感謝してるぜ……おまえのあの手品で事件のトリックが見抜けたんだから」

「仕掛け物はこっちの方が専門家だからね。だから俺にあの絵を探させたわけか……。ちゃっかりしてんな、名探偵」

高木刑事の姿を借りたキッドが、トランプ銃を取り出して真っ直ぐオレに向ける。

「だが今回は見逃して欲しいね。俺は濡れ衣を晴らしに来ただけなんだから」

「分かってるよ。だから二人になるまで待ってたんじゃねーか」

ふっと笑って油断させようとしたが、キッドもそんなに甘くはなかった。
オレが麻酔銃を撃つと同時に煙幕が張られる。
翻る白いマントに麻酔銃の針は弾かれたようだ。霞む窓際にダッシュして飛びかかった。

「捕まえたぜ、キッド!」

「わわっ、バカヤロッ、名探偵!」

一瞬ふわりと浮く感覚があったが、二倍の重さがかかったキッドのハンググライダーはみるみる降下しだした。

「てめ、工藤! フザケンな!」

「そうそう逃がしてたまるかよ。よくも先週シカトしやがったな」

「だから、そりゃ今回の準備があって―――」

ばきばきと音がして、木の枝に白い翼が引っかかる。ドスンと土の上に落ちた。肩と背中に衝撃があったが、それでもキッドに頭を抱えられて落下のダメージは最小限で済んだようだ。

て、て、て、と声を詰まらす怪盗の声。

「大丈夫かよ、キッド」

「大丈夫じゃねえっ、こんのアホ探偵! どーしてくれんだよ、ハンググライダーがっ」

壊れたのか。

「あははは」

「てめー、覚えてろっ」

立ち上がったキッドがマントを再びなびかせると、次は素顔に戻った黒衣の快斗が現れた。

「ちくしょっ……怪盗を利用しやがって、なんて探偵だ。職務怠慢だぞ! おまけにハンググライダーまで壊しやがって。この後どーすんだよっ!」

「落ち着けよ。怪我ねえか?」

「擦りむいたよっ、見ろ、どーしてくれる! 顔だってマジシャンの商売道具なんだかんな!」

目の前に示された快斗の頬の擦り傷にキスした。

「な……ばっ、テ、テメー」

「アシがねーし、やっと二人きりになれたんだし、ちょっと歩くけど今夜は峠のホテルに泊まろうぜ♪」

「……オメ、最初からそのつもりだったんじゃ」

「怪盗の姿を独り占めできたし、オレ的にはかなり満足さ。このあとお泊まりできればもっと」

「し、知るかっ。調子に乗んじゃねえ! 俺は帰る!」

慌てたように早口になった快斗が走り出した……と思ったら、すぐに蹴躓いてうずくまった。

オレはゆっくり歩いて追いつき、しゃがんで快斗の背を抱いた。

「気をつけろよ。夜道は危ないぜ」

「てめ……」

クールなキッドから素顔に戻り、ふてくされて頬を膨らます快斗にキスをした。
まだぶつくさ文句を言ってる快斗に肩を貸して歩き出す。

道に出ると森の上に輝く満月が見えた。
幻想的なほど美しい満月に、オレたちはしばし現実を忘れてその場に立ち尽くした。

互いにしがみつくように体を支え合いながら。
森の狭間で。








20120613


――――――――――――――――――


いいわけ的あとがき

せっかくキッド様が登場するお話でも、キッド様は別人に変装している事が多いので(当たり前なんですが)、その欲求不満から発生した無理矢理なパロディでした。お粗末様でスミマセン! 原作で地上に落ちた快斗くんがあの後どうしたのかも気になって……。でもあまりオチもついてないし……スミマセン~(@_@)


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