名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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ユクエフメイ(新一×快斗)

―――――――――――――――

怪盗キッドが消えた。
イコール快斗も行方不明。
なにが起きたのか。

キッドの白い翼が海の方向へ飛ぶのを大勢が見ていた。警察も、野次馬も、通りすがりの一般人も。
海上に出たのか、あるいは手前の倉庫街かどこかに舞い降りたのか。

まるまる二日間連絡がとれない。江古田高の白馬も心配していた。
……白馬と言えば、このところ快斗の背後に白馬の影を感じることがあって、俺は微妙な三角関係に陥りつつあるのを気にしていた。恋敵とは極力接触を避けたかったが、そんなことも言ってられない。

快斗。どこへ行った?!
なぜ連絡をよこさないんだ。
どこかで身動きがとれなくなってやしないか、万が一海に墜落したなんて事は――と、想像はどんどん悪い方へ向かってしまう。

気持ちは焦るが、快斗を探しに一日中走り回る余裕も今の俺にはなく、上の空ながら他の雑事に煩わされて過ごしていた。
しかし三日目になるともうじっとしていられなかった。
俺はキッドが消えた港の湾岸を快斗の姿を求めて探し回った。
キッドのマントやシルクハット、あるいはモノクルがどこかに落ちてやしないかと――。何か白いものが目にはいると、その度に心臓が大きく鳴って……ただのゴミだったり、白っぽいネコだったり。疲れた。

陽が傾き、辺りが翳りはじめると、俺は途方に暮れてしまった。
もしや快斗はすでに海の藻屑と化してしまったのではないか。もしそうだったらどうしよう。俺は快斗をこのまま永遠に失ってしまうのだろうか。
そんな考えしか浮かばなくなり、夕陽が落ちるのを見ていたら堪えられなくなって落涙した。一度こぼれた涙は止まらず、頬を伝ってぽたぽた落ちた。
あまりに悲しくて――俺は海に向かって大声で名を呼んだ。

かいとーーー!!

…………………………

返事はどこからもなく、なんの手がかりも得られないまま、俺は虚しく引き上げた。快斗がどこかで生きのびていてくれることを願って…快斗の面影だけを胸に抱きしめて。








「おう、お帰り! メシできてるぜ」

「……………………」

家に戻ると快斗がごちそう作って待っててくれた。なんで。

「おま……どこにいたんだよ……」

「は? ずっとここにいたけど」

「だって……メールしても全然返ってこねぇし……学校だって無断で休んでるって」

「え? 誰に訊いたの? 俺ちゃんと毎日通学してっけど」

なにい。まさか。

「メール……? あっ! ワリィ! もしかしてこないだ設定いじくってて間違えて拒否ってた!? どうりでここんとこ来るメールが少ないと思った」

えええええええええええええー?!
そうなのぉ?!

「それじゃあ……白馬のヤツ……」

やられた。あの野郎、俺を騙したのか。なんてこった。
すっかり快斗が行方不明だと思い込んで、〝証言〟を鵜呑みにしていた。俺としたことが!

「直接電話くれりゃよかったのに」

確かに。いや。

「電話もしたぞ! 一昨日何度もかけた!」

「ああーワリィ。一昨日はそういや携帯忘れたんだ、家に」

おいおいー。まじなのかよ。なんで着歴見て折り返しくんねぇんだよ。
ひでえ。俺の3日間を返せ。

「工藤……? ごめん、悪かったよ、ちゃんと連絡しないで。でも工藤だってあんま折り返しくんねぇじゃん」

「…………」

もういい。わかった。最初からキッドは〝消えて〟などいなかった。すべてが空回りの思い過ごしで、それに白馬の俺へのイヤガラセが重なって。

がっくりと肩を落とした俺を、快斗が抱きしめてくれた。

「俺がいないと思って探してくれたんだ? ありがと工藤。メシ食って元気出してくれよ。俺今夜サービスすっからさ」

「…………………」

情けなくて涙も出ない。さっきたくさん泣いたし。こうなったら徹底的に快斗といちゃついて白馬に思い知らせてやる。

「快斗……」

「ん……?」

「愛してる」

初めて使う言葉を伝えると、快斗が驚いた顔をして――それから真っ赤になった。うん、と頷いて俺の肩に頬を寄せる。
ザマーミロ白馬。快斗は俺のモンだ。絶対に渡さねぇ。
俺は快斗を抱き締めた。本当に、心の底から安堵して。




20111201
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最初からこんなオチを考えてたわけではないのですが、勢いでこうなりました(^_^;)
ツッコミどころもあるかと思いますが軽い気持ちでお見逃しくださいー。

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