名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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二人/新一と快斗《4/4》
(新一×快斗)(R18)
―――――――――――――

熱い。熱くてたまらない――。

工藤に見つめられていると思うと、どうしても恥ずかしさが先に立つ。

先に迸ってしまったあと、息苦しくて涙が出た。目尻を唇で拭われて、どうしていいか分からなくなって工藤の首にしがみついた。


ざわりと肌が泡立つ。

工藤が、俺の……後ろに触れる。
任せようと思うのだが、どうしても竦(すく)んでしまう。

快斗、と工藤が俺の上体を起こす。
工藤がベッドに腰掛け、俺に上になって座るよう促す。
戸惑って、できない…と訴えるが、大丈夫だからゆっくり、と背後から腰を捕まえられた。


あてがわれたと思った途端、ふらついてバランスを崩し、俺はそのまま腰を落としてしまった。
(あ――!!)
多少なりとも準備を施されたためか、自分の体重で一気に途中まで工藤が侵入してきた。途中まで――と思っただけで、とても途中でストップできるような体勢ではなく、信じられなかったが次の瞬間には俺は完全に工藤の上に座り込むように体を預けてしまっていた。
身を裂く痛みと胃がせり上がるような圧迫感は直後に襲ってきた。

「くっ…、ああっ!!」

体の中心に深く熱く、工藤が存在している。叫ばずにはいられない。まるで――贖罪のように――俺の心も体も、燃える杭に貫かれて灼かれるようだった。






俺を受け入れた快斗が、苦しそうに大きく体を震わせて喘いでいる。

快斗の腹を後ろから抱き、背中に繰り返し口付けてなんとか宥めようとする。
快斗が落ち着くまで動かずにそのまま待った。俺自身がすぐにも達してしまいそうになっていたせいもあるが。

「…あ……、はぁっ、く…くどう…」

「つらいのか、快斗」

「お、俺……もたない。は、はやく……」

「わかった」

下手に引っ張るのは酷か。
繋がったまま体勢をくるりと返した。

「ああっ…、あ、くどう――」

「あと少し。もう少し許してくれ…快斗」

ベッドの縁(へり)に快斗の上体を俯せに寝かせ、膝を床に着かせた。これなら下肢に力が入らず幾分かは苦痛が抑えられるはずだ――と思うのだが。

ゆっくり、俺は体を動かし始めた。





工藤の律動に、深く穿たれるたびに堪え難い衝撃に襲われた。

自分が発する声の大きさに気付いても、声が抑えられない。シーツに半分顔を埋め、打ち返す大きな波に翻弄される。
体の中心を……その奥深いところにある何かを工藤に突かれるたびに、苦痛とは違う表現しがたい感覚が目覚めそうになるのを感じる。しかしそう思うと次には熱い摩擦と鋭い痛みに襲われ、届きそうで届かない切なさにどうしようもなくなって、苦しくてたまらずに涙が溢れた。

工藤の吐く息が……動きが徐々に急いてくる。

俺の背に肌を合わせ、快斗、と震える声で俺の名を呼ぶ。きつくシーツを握りしめていた俺の手に工藤の手が重ねられ、やがて――熱く痺れた俺の中に放たれる工藤の想いを知覚した。









「大丈夫か、快斗」

「大丈夫じゃない」

少しむくれたような、照れたような顔をして、目を逸らしたまま掠れ声で快斗が答える。自分の声が掠れているのがいたたまれないのか、また俯いてしまう。

二人とも力尽きて一眠りした後、起きてシャワーを浴びたところだ。

本当は、すぐにももう一度快斗が欲しかった。しかし、ぐったりと体をベッドに沈めたまま荒い呼吸を繰り返す快斗を見たら――シーツに快斗の涙が染み込んで濡れているのに気付いたら、自制しないわけにはいかなかった。

可哀相に(俺のせいだが)一人では立ち上がれず、嫌だと言うのを無視して抱き上げ(身長は変わらないが快斗の方が俺より軽い)、バスルームに連れて行った。

しかも快斗は事がすんでからまだ一度も俺と目を合わせてくれない。どんだけ照れ屋なんだ。俺は見つめ合いたくてさっきから快斗の頬に手を伸ばすのだが、避けられてばかりいる。

「快斗、いい加減こっち見ろよ」

「……今日は無理。工藤の顔見れねぇ」

赤い顔でそう言われると――もっと見つめ合いたくなるじゃんか。

「快斗」

「やだって言ってんだろ!」

真っ赤っかになった快斗を抱きしめる。

「苦しい思いさせて悪かったよ。でも」

「………………」

「すっごく良かった」

「…………………………」

普段なら間違いなくぶっ飛ばされるところだが、今の快斗はすばしこく動くこともできず、声は掠れてるし、ただただ赤くなって固まって―――本当に愛しかった。




「……どうした?」

突然、快斗の気配が変わった。
俺の机に置いてある紙を見ている。

「これ………」

「ああ。今日預かってきた怪盗キッドの予告状だ。コピーだけど。快斗、その暗号どう思う?」

しばらく快斗は動かなかった。キッドの予告状から視線を移して――俺を見る。

快斗の瞳に浮かんでいるのは何だろう。
どうしてこんな顔して、さっきまで『見られない』と言っていた俺を見るのか。

「……後悔する、工藤」

快斗はそう呟いて俺の肩に顔を押し付けた。

なぜ。最初に答えたはずなのに。後悔なんてするわけない。

肩を震わせる快斗を強く抱き締めた。






――この時はまだ、俺は本当に何にも気付いていなかった。
とても考え及ぶことではなかった。

でも……後から思えば、快斗は始めからサインを出していた。
俺が見抜くのを待っていたんだ。

それなのに俺は快斗を胸に抱く歓びに浮かれて、快斗の苦悩の表情の本当の意味を考えようともしなかった。



俺と快斗の〝真実の邂逅〟は、まだしばらく先の事になる――。






20111026

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