名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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月蝕《2/2》(新一×快斗)

―――――――――――――――

工藤の側にいたいという想いと、近付きすぎては危ないという思いの狭間で揺れながら――実際はこうなる事を望んでいたのかも知れない。


帰り際、部屋を出ようとすると工藤に腕を捕まれた。数日前に傷を負ったところだった。痛みに堪えながらそうと気付かれぬよう振り向いた。
またな、と言おうとした声は唇ごと塞がれ奪われた。
これまでの、想いを確かめる合図のような短く重ねるだけのキスではなく、はっきりと性交渉の意味合いを持つ深いものだった。

俺は――いまさらだが、逃れようとした。だがそのキスはいっそう深く濃いものへと進んでゆき――出ようとした扉に背を押し付けられ、動けなくなった。
工藤の手が上着から差し込まれ、中のシャツの裾をたくし上げて俺の素肌を捉えようとする。俺は思わず工藤を突き飛ばしてしまった。

一度体を離した工藤は青ざめたように思い詰めた顔をしていた。とてもふざけた言い訳をして逃れることができるような段階を超えていた。

それでもやはり俺は怖くて――工藤が、ではなく、自分の本当の貌(かお)を知られることが――工藤から顔を背け、なんとかこの場を避けようとした。工藤の腕を振り切らなければ、隠している本性まですべて暴かれ逃げ場を失ってしまう。
だがもう遅かった。工藤が悪いのではない。悪いのは自分だ。工藤はずっと待っていてくれたのに、調子良くそれに甘え何時までも都合のいい関係でいたいと思っていた俺の狡さだった。

工藤が俺の上着を剥ぎ取り、シャツの前を引きちぎるように開く。立ち竦んだ俺の両肩が一気に晒され、背に回され巻き付けられたシャツがそのまま俺の両手を捕らえる枷になった。

ここまで工藤を追い詰めたのは自分だ。工藤の優しさに甘え、焦らしてきた自分が悪いのだ。
それでもまだ抗がうべきなのか。もうどうしていいのか自分にも判らない。やめてくれと叫んで工藤だけのせいにできるほど俺はきれいな人間じゃなかった。

ベッドに落とされうずくまる俺の体を返した工藤が、俺の腕の包帯に気付いてハッとした目をする。声も出せずに身を硬くしている俺の顔を見下ろし……その動きを止める。


「くど…う――」


「……快斗」


快斗の腕の包帯から赤い鮮血が滲んでいた。それに気付いて、俺は目が覚めた。

快斗が後ろに両手を回した不自然な格好で俺を見上げている。目が合うと、居たたまれぬように唇を噛み、俺から顔を背けた。

俺は何をしようとしていたんだ。
快斗を傷つけてまで自分の欲望を押し付けて――吐き出そうとしていたのか。なんてバカを。

後ろで纏めた快斗のシャツを解いた。快斗がそろそろと両腕を動かし、血の滲む腕の包帯をおさえる。俺は体を起こして快斗に背を向けベッドに腰掛けた。
顔を覆う。みっともない。情けない。自分を抑えられなかった。大事に想っているはずの快斗にこんな真似をしてしまうなんて。

「……」

肩越しに快斗が抱きついてきた。快斗の吐息が髪にかかる。

「ごめん、工藤」

「謝んのは…おまえじゃないだろ」

「俺だよ。俺が悪いんだ。俺がいつまでもはっきりしないから」

「ケガしてんだろ。無理すんな」

「関係ない。俺……工藤に…ずっと嘘ついて――」

言ってしまおうか、いま。いまここで俺の秘密を。そうすれば楽になる。工藤を失うことになっても。

「言うなよ。快斗が言いたくないならいい。何もかも全部欲しがるなんて俺の我が侭だ。いま快斗が側にいてくれれば……それでいい」

工藤はそう言って振り向き、俺の目を見た。
俺から工藤にキスをした。唇を重ね、想いと体温を伝えた。工藤が俺の肘を掴む。向き直った工藤に、俺は頷いた。工藤の腕にきつくきつく抱き締められ、シーツにふたり折り重なって沈み込む。

今度こそ本当に一つになる。

俺は目を閉じ、触れ合う温もりだけを信じて工藤の肩に頬を押し当てた。





20111211

―――――――――――――――



あとがき

これまでにも近いシチュエーションの話を何度かアップしてるのにまた書いちゃいました;;なのでこの先は省略です。スミマセン (@_@)。

ところで昨夜の輝く美しい満月とその皆既月食、よく晴れていてバッチリ見られましたね! お月様見るとどうしてもキッド様思い出すんで……だんだんと影に〝蝕まれて〟隠れていくお月様が妙にセクシー(?)でどきどきしちゃいました~!

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