名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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赤い月(新一×快斗)

―――――――――――――――

窓際に立つ快斗のシルエットの向こうに、低く赤い月が浮かんでいた。

大きな赤い月は上部が三分の一ほど欠けていて、どこか不安な気持ちをかき立てる。

不安定に俺を惑わせる――快斗のように俺には映った。

「……なに?」

「なんでもねぇ」

振り向いた快斗は俺の気持ちなどどこ吹く風で、明日もまた危ない橋を自ら選んで渡ろうとしている。

つなぎ止めて――隠してしまおうか、この月を。誰の目にも触れないように俺だけのものにして。

「なんだよ」

「言ったって聞きゃあしねぇくせに」

フン、と快斗は俺の心配をハナで笑い飛ばした。そして向き直り、俺に近づくとニッと笑って小首を傾げた。誘っている。

俺はこの得体の知れない怪盗の誘惑に、やはり今夜も抗えそうにない。

何度抱き締めてもいつの間にか俺の腕をすり抜けて、あざ笑うようにかき消えたかと思うと――再び目の前に現れては俺を戸惑わせ、そして擽(くすぐ)るような瞳をして微笑む。

震える手を伸ばすと、快斗はやれやれというようにその俺の手を捉え、そして指先をパクリと口に含んだ。
柔らかな唇に包まれ、濡れた熱い舌に指を絡められて俺は目を閉じる。

逃がさぬよう捕まえてしまいたいのに、奔放に駆け抜けるその姿に魅入られてしまった俺には――結局は目の前の快斗の自由を奪うことはできない。そんな俺のジレンマを知っていて、快斗は俺を焦らせ、からかうのだ。俺が耐えられなくなるのを。耐えきれなくなって、俺が理性を手放す瞬間を――待っている。いま。

「快斗……!」

きつく抱き締めると、苦しいよ名探偵、と言って身をよじり、ほっと耳元で吐息を漏らした。
俺はくらくら眩暈を起こして、快斗を抱き締めたままバランスを崩す。ベッドサイドの床の上に崩れるように折り重なって倒れ込む。

床はやだよ、痛てぇよ、と言う快斗のシャツを引き裂くように剥ぎ取ると、ああもう、と溜息をついて快斗は俺の首に手を回した。
そして小さくクスリと笑い――お手柔らかに名探偵。明日は大事な用が有るのです――と、怪盗の声で囁いた。




20111219




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