名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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follow《2/2》(新一×快斗)

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明るい黒羽の笑い声に耳をくすぐられる。

話をして驚いたのは、黒羽の頭の回転の速さだ。

ちょっとした会話のやりとりの中で意外な展開があったり、欲しかった答えをズバリ言ってくれたり。なんていうか――充足感を覚える。いいな。黒羽。やっぱり好きだ。
そう思って見つめていると、今までケラケラ笑っていた黒羽が俺の視線に気付いて、ふっと瞳を陰らせる瞬間がある。
どうしてだろう。
オレの想いが負担なのかな。かもしれない。こうして会うようになって、オレはすっかりいい気になってたけど……黒羽にはまだ戸惑いの方が大きいのかもしれない。




工藤の家にちょいちょい行っては宿題なんかもそこで片付けたり、二人でいる時間が増えるにつれ一緒にいることがだんだん〝普通〟になってきた。
逆にいうと離れて過ごすのが淋しい。って、これ本格的にヤバいだろ。

うじうじしているうちに、次のキッドの〝仕事〟が迫ってきた。さすがにしばらく探偵とは距離を置かなければならない。
と思っていたら、唐突に工藤が言い出した。

「来週あたり、きっと怪盗キッドが現れると思うんだ」

「…………」

「オレ、最初に黒羽に会いに江古校行った時、ほんとは黒羽がキッドかもしれないなんて思って、それを確かめに行ったんだ」

なっ。なっ。なにぃいー。

ドキリとした後にジワリと汗がふき出してきた。

「そんなことあるわけないのにな。前にサッカー場で見かけた時の身のこなしとかの印象が、キッドを連想させたんだよ」

う。そうだったのか……。
模試結果で俺の名前見つけて、それで。
スゲェ。当たってんのに名探偵。

「オレ、キッドが気になって仕方ない。いつかアイツにモノクルをとらせて、アイツの正体を確かめたい」

くくく。
ぶっちゃけ言えるもんなら今言ってしまいたい。俺なんだぞって。だけど工藤の大大大好きな謎解きの答えを言っちゃったら、俺が隠し事してるって以上に――怒る気がする。

はっと気付くと、工藤の顔が目の前にあって、チュッとキスされた。

「…………」

「黒羽のこと、名前で呼んでもいいかな。これから」

「えっ。……あ、うん」

「快斗。かいとって、いい名前だな」

心臓が痛い。
少し頬を赤くして俺に微笑みかける工藤がまぶしすぎて。

ヤバい。ヤバすぎる。
どうなっちゃうんだろ、俺この先。

下を向いた俺をどう思ったのか、工藤がそっと抱きしめてきた。工藤の部屋。遮るものはない――俺の偽り以外は。

「快斗、俺のこと嫌か」

「……嫌なら一緒にいねーよ」

「そっか。あは。よかった」

ぎゅううと強く抱きしめられて心臓痛すぎて死にそうな気分になる。すごく嬉しいのに、嬉しいだけ後ろめたさも増してつらくなる。ヂゴクだ。

「しばらく会わない」

俺がつぶやくと、工藤の力が緩んで「えっ、どうして」と聞かれる。

「忙しいだろ工藤。……キッドの事で警察からなんか依頼されたりすんじゃないの」

「まぁ俺が呼ばれるのは主に一課の方だけどな。でも今度もS財閥系列の展示会だから、予告状がくればそっちから呼ばれると思う」

そうなんだ……。

まだ工藤の腕の中にいながら、じゃあどうやって名探偵を欺く予告状を作ろうかなんて頭の片隅で考え始める。俺ってズルイ。目的はどうあれ、俺ってやっぱり泥棒だ。


いつか――俺の正体を知ったら、工藤はどうするだろう。自分の迂闊さを呪うのか、俺の嘘を憎むのか。
いまさら避けて通れない。

いいさ。工藤に見破られるなら仕方ない。どうせなら工藤に捕まえてほしい。歪んだ俺の勝手な願い。

それまでもう少し黒羽快斗でいよう。工藤の背に俺も手を回して力を込めた。

俺達の対決はこれからだ。
これから本当に始まるんだ。探偵と怪盗の物語が……。





20111124

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