名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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恋人以上・謎未満3(新一×快斗)
※2012.2.10&同2.13にupしたお気楽系甘イチャ?再びです(汗)。
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「快斗、ちょっと来い」

「んだよ? いまタマネギ微塵切り中で手が放せねーの」



「いーから来いっ」

「な、な、何だよ?」

手もろくに洗わねーでキッチンから引っ張り出された。
ぐいぐい襟を掴んで連れて行かれる。

「な、なにすんだ、工藤っ」

工藤の部屋。ばん!と、ドアを開けて俺を引っ張り込んだ工藤はあれよあれよという間に俺をベッドに引き倒した。

「ええっ…?」

ワケわかんねえ。
呆気にとられる俺を、工藤はしげしげと上から眺め下ろしてる。

「な、なに、すん…だ…ょ」

真顔の工藤にじいっと見詰められて、顔が赤らむ。まさか、突然…したくなったとか……。え? タマネギの匂いで欲情したとか?
タマネギ微塵切りで赤く涙目になった俺がたまんねー、とか??

「!」

顎を掴んで、ぐいっと横を向かせられる。

「ちょっ……工藤?」

「じっとしてろ」

なんだよ。どんなプレイだよ。

「わっ!?」

今度は腕を頭の上に持って行かれる。コ、コエエ。こいつ何考えてんだっ(@@)??

「ひいっ」

足首を掴んで開かされる。もうやだ!
俺は首を回して工藤の方を見た。

「動くな!」

「な、にしてんだよ、工藤?」

「う~~~ん・・・」

?????

工藤は俺にめっちゃ不自然な姿勢をとらせたまま唸りだした。
コイツやっぱヘンだ。人にオカシな格好させて、ただ見下ろして、新手の放置プレイってか。

「…違うな」

「は?」

「もしかして他殺に見せかけた自殺かと思ったが、やはりこの姿勢では無理だ」

「・・・・」

ぶつぶつ言いながら、工藤はマイ革張りチェアにどすんと腰を下ろした。

「工藤」

「いや、だがなんらかの意図を持った…あるいは未必の協力者がいれば……」

俺はカアアと頭に血が上った。
こんのアホ探偵、俺の声なんか全然聞こえてねえっ。人に〝遺体〟役させといて、なんてヤツだ!!!
俺はガバッと起き上がった。しかしさらに頭に来ることに、工藤はすでに俺の存在自体アウトオブ眼中になっていて、俺が立ち上がっても全く注意を向けようとしない。

アッタマきた。
ドタドタわざと足音をたてて工藤の部屋を出て、ドアを閉める瞬間にチラッと振り向いたが、工藤のヤロウ窓の外を見詰めて微動だにしてない。

俺は力いっぱい、ぶっ壊れろの勢いでバアァーーン!!と叩きつけるように工藤の部屋のドアを閉めた。

「はぁ、はぁ……」

くっそ。
タマネギ刻んでやる! もっともっと微塵切りにして、山盛りのタマネギ微塵切り作ってやる! そんで大泣きしながらカレーの下拵えしてやるーーーっ(T_T);;;

「工藤のばかぁっ!」

────ガチャ。

「………」

階段下りようとしたら、工藤の部屋のドアが開く音がした。振り向くと、頬を赤くした工藤が目をキラキラさせながら出てきて────。

「快斗!」

「なんだよ」

「快斗! わかった!」

「はあ?」

「解ったぞ! トリックが! おまえのおかげだ!!」

「ハイ…??」

走り寄ってきた工藤に、階段の上でぎゅう~っと抱き締められる。

「あの日は風が強かったんだ! 開いていたドアが強風で勢いよく閉まる衝撃を利用したトリックだったんだ!」

「へー」

「ちょっと行ってくる! いつもヒントサンキュウ、快斗。おまえはやっぱり最高の相棒だぜ!」

〝相棒〟ね。

「そりゃどーも」

なんだか分からないが、工藤の頭の中で何かが繋がったらしい。
鈍感探偵は俺の醒めた視線と返事も意に介さず、ダダッと階段を走り降り、そのままぴゅぴゅーっと玄関を飛び出して行ってしまった。

けっ。またかよ。
慣れてるからいいけどさ。タマネギ微塵切りして飴色になるまでじっくりたっぷり炒められるし。カレーなら一晩煮込んだ方が美味しいし。ゆっくり謎解きしてきてくれよ。

あああ。
これで俺、謎に何連敗中なんだろ。
〝謎〟には永遠に勝てねーのかな。…勝てねーな。しくしく。


キッチンに戻って、タマネギ追加で切り始めた。さっきより涙がたくさん出た。目が痛くなって、開けていられなくなった。
そのうち、おいおい声出して泣いてた。タマネギが目に沁みて。

「…………?」

腹になんかが巻き付いた。

「…うわっ?!」

「ただいま。すげえタマネギ。目が痛てえ」

「工藤? あれ、出かけたんじゃ…」

目が痛くて涙が止まらない。

「カレー作るんだろ? 手伝うよ。タマネギはもういいんじゃねーか」

「……謎解き済んだのかよ」

「目暮警部に電話で説明したら解ってくれたよ。後は任せるさ」

「………困るんだけど」

「なにが?」

「だってまだカレー出来るの時間かかるし」

「手伝うって」

「一晩煮込むんだもん」

「半分は出来たら食べて、残り半分を煮込めばいいだろ」

「…………」

目が開かなくて見えないけど、俺は工藤を振り向いた。
あぶねえ、包丁おけよ、と慌てる工藤に、抱き付いた。







20121219


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