名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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睡魔2《2/2》(新一×快斗)

――――――――――――――――――

しゃがんだまま見つめ合う。ほんの1・2秒のはずなのに、時が止まったように感じた。



「快斗――」

「工藤、俺――」

ほぼ同時に話し出して、また同時に固まってしまった。

固まったまま、また数秒が過ぎる。

宙に浮いた快斗の手をとり、握り締めた。

「ば、ばか。ガラスちゃんと片付けねーと危ねーぜ」

「分かってるよ。でも」

どっちが震えてるのか判らない。とにかくお互い意識しているのは間違いない。今夜の……オレたちの〝これから〟に。

赤くなった快斗がオレの手を解き、割れたコップの欠片をまた拾い出した。

「……俺、工藤に隠してることがあるんだ」

「え?」

「いま言っとかないと絶対後悔するから、言うよ。それで工藤に嫌われても……仕方ねえ」

「ま、待てよ」

なんだよ、おい。何を隠してるっていうんだ。

まさか他に付き合ってるヤツがいるとか。実は不治の病であと少ししか生きられねーとか。

――なんなんだよ、いったい!?

目を伏せた快斗の震える睫毛を見詰めていたら一気に不安が募って心臓が締め付けられた。

ガラスの欠片を拾い終わった快斗が立ち上がる。

「……あと、雑巾かけなきゃ。雑巾ある?」

「え? あ、いらねータオル持ってくる」

快斗に背を向けかけたオレに、快斗が言った。


「工藤、俺――怪盗キッドなんだ」





え?




ゆっくりと振り向いて――オレは快斗を見た。




「か…… キッド……?」


「うん」


振り向いたオレの目を見て、快斗が頷く。


「いままで……隠しててごめん。でも俺がキッドだって分かったら、工藤の側にいられなくなると思って……。だけど、俺――」

「なあんだ。ははは。バァーカ」

快斗がますます赤くなる。

「てめ……ホントだよ! 冗談言ってんじゃねーんだって!」

「あー、脅かすな。何言われんのかと思った。大丈夫、快斗がキッドでも俺の気持ちは変わらない」

「バ、バカヤロっ! てめー全然信じてねーな!!」

「快斗こそ、俺の気持ち解ってねーよ」

立ち尽くす快斗の手から集めたガラスの欠片を受け取った。

「オレの気持ちは今言ったとおりさ。快斗が怪盗キッドでも、好きな気持ちに変わりない」

「言ってる意味分かってんのかよ……。そんな簡単に流して、後で文句言うなよ! 俺はちゃんと打ち明けたんだからな!!」

「落ち着けよ。まず危ないからガラスはなんかにくるんで捨てよう」

「工藤……」

「探偵が怪盗を好きになっちゃ可笑しいかよ。安心したよ」

「おめーバカじゃねえ? 何で安心すんだよ」

「初めて快斗に逢った時、オレがなんて思ったか、オレも正直に言うよ」

「…………」

「あ、こいつキッドに似てる、って思ったんだ。快斗を見て。もちろん本当にキッドだとは思わなかったけど」

「…………」

「だからおまえの言葉を信じるなら、俺の直感は当たってたっていう事だろ」

「工藤……いいのかよ、ホントに」

「好きだ、快斗。おまえと一緒にいたい。繋がって一つになって、おまえを感じたい」

オレは嬉しくて、ビックリするほどすんなりと求愛の言葉が出た。

困惑したように小さく首を振る快斗を引き寄せて、抱き締めた。

『おめーがここまで大馬鹿ヤローだとは知らなかった』と快斗がオレの耳元で嘆いた。

目を閉じて快斗の吐息を、鼓動を感じる。

まるで抗い難い〝睡魔〟のように――意識を溶かし、身を任せたくなるような心地良さに包まれて、オレ達二人は動くことが出来ないまま――いつまでもただ抱き合って立ち尽くしていた。






20120319


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