名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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開かない扉(新一×快斗)
※新一視点です。

──────────────────────

押しても引いても、叩いても引っ掻いても開かない扉がある。

快斗の心の奥に何重にもある堅い扉だ。


いい加減通してくれても良さそうなものなのに、やっぱり開かない。

これまでにもいくつかの扉を開けてきたつもりだ。だが、やっと開いたと思って万歳して浮かれてると、その奥にもっと堅牢な扉が現れて、すごろくの〝はじめにもどる〟みたいなことになる。

今度もそうだ。

電話してもつながらない。メールしても返ってこない。ムキになって連続で送ってると、20通目くらいに〝忙しい、邪魔すんな〟みたいなのがポツッと戻ってきて、しゃくに障って俺の方も携帯を投げ出す。
────みたいな事が繰り返される。


逢いたいだけなのに。
なのに、快斗は厳重な扉の前に、さらに高い柵まで設けやがって、いったん入れたとこからも追い出すような態度をとりやがる。

逢いたいだけなのに。

探偵だとか、怪盗だとか、諸々な障害はこの際すっ飛ばして、てか、障害が多いからこそなおさら想いが募って、俺は今だっていても立ってもいられないほど快斗を抱き締めたくてたまらないのに。

快斗を抱き締めて、安心して眠りたいのに……。

また何かヤバいことして危ない目に遭ってやしないかとか、心配しながら眠るのは疲れるからいやなんだ。
せめて電話で一言でも声を聞きたい。

俺、おかしいかな?
ちょっと異常かな。
しつこいストーカーみたくなりかけてるかな。もうなってるかな。

だって…こうでもしないと、快斗を見失いそうで怖いんだ。
捕まえても捕まえても俺の腕をすり抜けて消え去る〝怪盗〟。
ついにその〝怪盗〟の素顔を手に入れた晩の事は忘れない。
胸が震えるような感情が溢れ出して、放したくなくて、もがくアイツを抱き締めた。抱き締めて、口付けた────。


ガクッと肘が落ちて目が覚めた。

やべ。机でうたた寝してた。

夜10時。

……もう一度だけ、電話してみようかな。

ケータイの履歴から〝kaito〟 をタッチする。

・・・呼び出し音が鳴る。電源は落ちてない。


♪♪♪♪・・・・

ちぇ、やっぱ出ねえか。


♪♪♪♪・・・


虚しいというか、寂しいというか、悲しいような気持ちになって、諦めて切ろうとした。だが。
不意に回線がつながった。
なぜだか異常に心臓が跳ね上がる。


『もしもし。俺』

「快斗! なかなか出ねーから心配してたんだぞ」

『親かよ。…基本、音消してっからさ』

「家?」

『まだ出先』

「来いよ」

『ダメ』

「なんでだよ。遅くてもいいから来いよ」

『まだ出先だっつったろ。何時になるかわかんねーの』

「じゃあ、いつ逢えるんだよ」

『……………』

おい! そこで黙んなよっ。

「快斗?!」

『来週かな』

「そんなに待てねえ」

『うっせーな、行けるようになったら行くよ』

「快斗」

『………………』

ふっと厭な想像に囚われる。

この電話の向こうで、快斗はどうしているのだろう。

「快斗……危ないことすんなよ」

『ふふ。残念ですが名探偵、私は〝怪盗〟ですので』

ブツッ────。



回線が切れた。

唐突に。

無駄と分かっていたが、リダイヤルした。

何度も。しかし、もう繋がらなかった。




快斗。

逢いたい。

いま、どうしてるんだよ。


声が聞けたと言うのに、何故だか不安な思いに襲われて、俺は寝付けずに────キッドが撃たれる夢を見たり、落下する夢を見たり、誰か判らない相手に襲われてたりする夢を続けざまに見てシニソーな気分になった。

全然休めやしない。


快斗。また俺を閉め出すつもりかよ。

俺は諦めないからな。

何度でも、何度でも、おまえの心の扉をこじ開けて、たとえおまえが逃げ出したって放さないからな。


快斗────おやすみ。


早く…またおまえを、抱き締めたい……。








20120804


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