名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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あの鋭く尖った月(新一×快斗)
※短めです(*_*;
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何があったのだろう。

白い姿の怪盗を追って昇ったビルの屋上には、怪盗ではなく、黒衣の快斗がいた。


快斗はオレに気付くと苛立った目をして振り向いた。だが金網を掴んだ指はそのままで、また前を向いてしまった。

オレたちの頭上には細く鋭い眉のような月。
手を伸ばせば突き刺さりそうに尖っている。

「どうした、快斗。やっぱり目的のお宝じゃなかったか」

「…………」

「話してくれりゃ協力するのに」

「うるせえ、来んな。探偵の手なんか借りるか」

「盗まなくたって見付ける方法があるかもしれないだろ」

「黙れ。てめえに何がわかる。さっさと消えろ!」

「快斗」

「馴れ馴れしく呼ぶな…!」

手を伸ばすと快斗は強い調子で拒絶した。瞬いた蒼い瞳が濡れたように光っている。
今夜の三日月のように。
鋭い切っ先の両端は、自分をも傷付けてしまうだろうに────。


オレは振り上げた快斗の腕ごと抱え込んだ。深く抱き寄せる。

「この…っ、ずかずか近付いてきやがって。だから探偵は嫌いなんだ」

「どんなに鋭く尖っていても、月の美しさは変わらないさ」

「月…?」

「今夜の三日月さ。鋭くて、気高くて。美しすぎて…その孤独から目が離せない」

「なに言ってんだよ」

「だけどな、オレは知ってるのさ。月が本当は丸いこと」

「……そんなの、当たり前じゃねーか」

「当たり前じゃないさ」

ぎゅっと腕に力を込めて囁いた。快斗の耳に唇を寄せて。心まで届くように。

「鋭くなりすぎて、自分を傷付けるな」

「………」

絶対にオレが腕を離さないと観念したのか、それとも気持ちが通じたのか。しかし、とにかく快斗の中の嵐は峠を越えたようだ。強ばっていた体の力が抜けてゆく。
温もりが伝わるのを意識しながらそっと揺らすと、快斗は小さくため息を付いた。


何があったのか、訊いても快斗は答えないだろう。それでもいい。そばにいることを許してくれるだけで。
冴え冴えと浮かんだ三日月が西へと傾いてゆくまで、オレたちはそこにそうして佇んでいた。
二人、ただ黙って。肩を寄せ合って。





20140503
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※…消化不良ですみません。細部はご想像におまかせします…(逃)。

●「寄り道」へ拍手ありがとうございました~(^^)/

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