名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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夜風の香り(新一×快斗)R18
※目標ちょっぴり危甘(+_+)。
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ふぁさ、と微かに響いた衣擦れの音に目を開けた。



夜風の匂い。怪盗の気配。

だが、起き上がった時に窓の桟に腰掛けていたのは澄ました貌の快斗だった。

「ただいま」

「なにが〝ただいま〟だ…、こんな時間に。何をしてきた?」

「内緒」

とん、と軽く床に降りてベッドサイドに立ち、快斗はオレに微笑んだ。

「じゃあ、何しに来たんだ」

「それも内緒」

薄闇の中、くすりと笑う快斗の唇に惹きつけられる。
立ち上がって正面から腕を掴んだ。確かめるようにその瞳を覗き込む。

「捕まえたぜ?」

「ふふ」

霞むように笑う快斗の気配は〝怪盗〟のそれだった。
いまオレの目の前にいる快斗は、快斗であって快斗ではない。夜の香りを纏ったまま、内に〝怪盗〟を引き摺っている。

オレは快斗を引き倒し、シーツの上に抑えつけた。スプリングの揺れが収まる前に覆い被さってキスをする。
抗う真似も悪戯のうちだ。オレは構わず快斗のシャツを剥ぎ、自分も裸になった。


言葉はない。
急激に高まる熱に煽られるまま、考える事を放棄する。
なぜこうなったのか。どうでもいい。今はただ肌と肌を重ね合わせて破裂しそうに膨らむ衝動に従うだけ。


繋がった体を揺さぶりながら快斗の背に覆い被さってゆく。
オレの動きにつられて跳ねる細い体に両腕を巻きつけ、汗ばむ背に口付けて強く吸った。

「あ…、や…っ、痕、付けんなっ」

何言ってやがる。

「やだね」

もがく快斗を放さずに続けて強く吸う。鬱血した痕が並んだ。二つ。三つ。
その痕をぺろりと舐めると、快斗の体がぎゅうっと締まって、オレは慌てて息を呑んだ。
快斗が訴える。

「ば…か、もう放せって…! 今週…プールあんだよっ」

オレは噴き出した。確かにそれは拙いだろう。

「快斗」

「ん、だよっ。…ああっ」

「おまえの声が色っぽすぎるんだよ。虫に喰われたとでも言っとけ」

快斗の腹を抱いたまま体を起こした。快斗を乗せてあぐらをかくような体勢になる。スプリングがギシギシ音をたてるのが異様に淫靡に響いた。

「ああ…工藤…、はや、く」

「ちゃんと快斗に戻るまでダメ」

「え…? アウッ、ア!」

快斗が熱い。腕を捕らえて自由を奪い、跳ねるように突き上げる。

ア、ア、ア、と堪えきれずに漏れる快斗の声がだんだん切羽詰まったものになってゆく。
もう少し。オレもギリギリだったが、意地で保たせた。

快斗は驚くほど乱れた。
そうだ、戻ってこい、快斗。そのために来たんだろう…自分に…黒羽快斗に戻るために…。

「快斗…」

「う…ああ…っ」

「快斗…!! 」

快斗が大きく伸び上がるように震え、背をオレに預けてくる。
ふっと力が抜けた。
オレもその瞬間、迸っていた。









「あああ…どおしてくれんだよ。背中だと隠すの大変なんだよ」

「隠すことないさ。堂々としてりゃ誰もキスマークとは思わないよ」

「そうかなあ」

キスマークだと思う奴には思わせとけ。心の中でオレはそう言った。
唇を尖らせる快斗の頬を、オレは手のひらで包んで撫でた。部屋を訪れた時の、快斗の闇の匂いは消えていた。

おそらく…今夜快斗はキッドとして密かに修羅場をくぐってきたに違いない。そこで誰に逢ったのか、どんな危険な目に遭ったのか。
そしてオレに何を求めて此処へ来たのか、快斗自身がどこまでそれを意識していたのかも解らない。
ただ早く自分に戻りたくて─────オレに逢いに来たのだろうか。

「おかえり」

囁いたオレに、快斗はくるりと丸い快斗の瞳で微笑んだ。『ただいま』と言って。




20130728
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※2012.11.21up「溶解パラメータ」と被ってると思いつつ修正できず…開き直ってup~(*_*;

●拍手御礼!「オブザーバー」「雨上がりのピーターパン」「真贋」「月明かりのガーデン」へ拍手ありがとうございました~(^^)/


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