名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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Design by:タイムカプセル
 

雨上がりのピーターパン(新快前提 平次→快斗)
※平次くん視点。このブログ初期の同カテゴリ「フェイク」の、なんとなくな続き…(*_*;
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通天閣を飛び立った怪盗キッドが難波の夜空を翔け抜けて、半時が過ぎた。

降り出した通り雨に、キッドを一目観ようと集まっとった野次馬たちも蜘蛛の子を散らすように街角から姿を消した。
雨が止む頃には辺りを往来しとるパトカーの数もガクンと減りよった。
派手に逃走を演出したキッドは、まんまと姿を眩ましたようや。

ずぶ濡れついでに、おれはバイクで現場周辺を一巡する事にした。


キッドが今夜盗んだんは真宝印町の財閥の奥方が海外で購入したっちゅうアンティークの手鏡やった。鏡の背面に大粒の赤いルビーがはめ込まれとる超がつく高級品や。
せやけど…知り合いの刑事に聞いた話では、手鏡はいったん財閥の家からキッドに盗み出されたものの、すぐに奥方の手に戻されたゆうことや。

怪盗キッドは奥方が一人でおるところに現れて目の前にかしづき、直接奥方に手鏡を返したっちゅう話やった。
奥方はすっかりキッドに魅せられて──────誰かあの素敵な怪盗はんを捕まえてんか! と叫んだとか…。ほんまかいな。



このまえ工藤ん家で逢うたアイツ。
黒羽快斗。

もし…、もしアイツがほんまにキッドやったら……。


「?」

鳩や。白い鳩が。

バイクで走っとるおれの頭上を、一羽の鳩が横切った。
考えるより先に、おれは方向転換しとった。鳩が消えた方向へバイクを走らせる。

鳩の居場所はすぐにわかった。
また別の白い鳩が飛んできたんや。
街中の緑地公園。
おれは〝相手〟に逃げられんようバイクを公園手前の駐輪場に停め、ヘルメットを置いて走った。


ぱらぱらと拍手が聞こえてくる。
そっと公園を覗くと、十人ほどの男女が集まって何かを囲んどる。どっと歓声が上がり、また拍手が湧いた。
輪の中におるんは、黒シャツ・黒ジーンズ姿の若い男やった。跳ねた癖毛。
ドキリと心臓が鳴りよる。

────黒羽。

間違いあらへん。やはり、やはりおった!!

こっちの気配に気付いた黒羽が、悪びれんとおれにウィンクしよった。

白い鳩を両手の指にとまらせた黒羽が腕をサッと振り上げ、交錯させる。すると…バサッと羽音がしたと思ったら──────鳩が消えた。指にとまっとった二羽とも。

残りの一羽を肩にとまらせ、黒羽が恭しく礼をする。通りすがりの観客達からまた拍手。

友達が来たからもうおしまい、と黒羽が告げると、サラリーマンやカップル達はてんでに黒羽に礼を言い、残念そうに、けど笑顔で公園を去っていった。

公園には、おれと黒羽だけが残された。


また白い鳩が二羽、三羽と新たに飛んできて、戯れるように黒羽のそばを飛び回る。
雨に濡れた公園はキラキラと灯りを弾き、飛び交う鳩の羽根からは細かな雫が散って、それが光る霧のように黒羽の姿を覆っとる。
何とも言えん幻想的な眺めやった。
まるでピーターパンや、こいつは。

「黒羽…盛況やったな、今夜も」

「怪盗キッドだろ。俺も街頭のテレビで見てたよ。通天閣から飛び立つとこ、カッコ良かったなぁ♪」

あっけらかんと黒羽はそう言った。

「ちゃうわ。おまえのことや!」

「ん? いまやってたマジックのこと? いやぁあんなのキッドに比べたらまだまだ」

会話が噛み合わん。しらばっくれよって。

「…………」

後ろを振り返った黒羽が、とんと地を蹴ってブランコに飛び乗る。
大きく揺すって、ギコ、ギコと立ち漕ぎでブランコを漕ぎ始めよった。

「服部もブランコ乗れば?」

「おまえ、なんで大阪におんねん」

「夏休みだし。まあ、武者修行っつーか?」

「大阪以外でもマジックして廻っとるゆうんか」

「まあね。メール入れただろ、だから来てくれたのかと思った」

「なに?」

「服部、こないだ俺に連絡先くれたじゃん」

雨が降っとったんで携帯は内ポケットにしまい込んだままやった。
にこりと笑う黒羽に、またおれの心臓が反応しよる。どきり。どきり。なんでや。

バサ、バサ…。
白い鳩がまた増えた。十羽。もっと。

「なんやこれ、みんなおまえの鳩なんかい」

黒羽がピィ、と指笛を吹くと、さらにぎょうさんの白い鳩が降り立ってきた。
目の前が鳩だらけになる。

暗い公園、黒い姿の黒羽。その肩や腕にとまり、あるいは纏わりつく白い鳩たち。
幻惑するように黒羽のブランコが揺れ、白い鳩が羽ばたき、飛び交う…。

「またな、服部」

「え?」

はっと気が付く。
いつの間にか鳩に惑わされ、黒羽の姿がよう判らんようになっていた。

鳩が目の前を覆う。何羽もの鳩達がぐるぐると渦を巻くようにおれを取り巻き、飛び廻る。
風が舞った。

「おい、黒羽!」



ギコ、ギコ。ギコ、ギコ…。



おれ一人やった。

まるで幻やったかのように、黒羽の姿はブランコから消えとった。

白い鳩たちが飛んでゆく。美しい満月が再び姿を現した夜空へと。

目の前に白い羽根が一枚、ひらひらと舞い落ちてきた。
羽根は足元の水溜まりに音もなく落ちて波紋を作った。

波紋だけが、ただ静かに揺れとった。




20130724
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※うう、関西弁が変でスミマセン(+_+)。
※キッド様のエピソードの一つということで…。イメージなので、詳細はご想像にお任せいたします…(*_*;

●拍手御礼!「セカンドチャンス」「蠕動/カテゴリ★インターセプト2」へ拍手ありがとうございました。励みになります~(^。^;)!!

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