名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

ブログ内検索
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
カウンター
プロフィール
HN:
ronin
性別:
女性
自己紹介:
2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

雨音の回想(新一×快斗)
──────────────────


目の前に、怪盗キッドが〝堕ちて〟いた。

都心とは思えない───まるで時が止まっているかのように静まり返った旧子爵邸跡。



深夜、史蹟として管理されている敷地に人はいない。鬱蒼と木々に覆われた、その庭園の片隅に怪盗キッドは気を失い倒れていた。

しとしとと───細い雨が降り始めていた。









「…なんだよ」

「あっ」

眠っていると思った快斗が、不意に目を開けた。
快斗の頸に伸ばし掛けていた手を慌てて誤魔化す。

「なにグーパーしてんだよ」

「べ、べつに」

「…雨」

「え?」

「雨音。降り出したみてーだな」

「あ、ああ…」

快斗の感覚は鋭い。

言われてみれば、確かに〝感じる〟。忍び込むように微かに伝わる雨の気配…。

そうか──この雨音のせいか。

「なんだよ、だから」

挙動不審なオレの様子に、快斗がくすりと笑う。
オレの大好きな、いたずらっ子のようにくるりとした瞳で。

「オレ…おまえを捕まえたかったんだ。ずっと」

「俺を? 怪盗を?」

寝返りを打った快斗が、からかうようにオレに訊く。

「最初はもちろん怪盗をだよ」

だけど、怪盗の素顔を知ってからは。

オレが本当に好きで好きでたまらないのは。

「…あん時さ、俺を見つけてくれてサンキューな、工藤」

「えっ…」

「怪我して、バランス崩して失速してさ。高さもなかったからあっさり墜落しちまって。怪盗としてはあまり思い出したくない汚点なんだけど」

「………」

オレが思い出している同じ〝あの時〟の事を言っているのか。

「気がついたとき、側にいるのが最初誰か分かんなくって、スゲー焦って怖かった」

「……」

「でもさ、名探偵だって分かって、マジほっとした。今だから言うけど」

「快斗」

「俺を見つけてくれてあんがとな。名探偵」

そうだ、憶えてる…。

あの時──仄白い庭園の灯りに浮かび上がっていた怪盗の細くて頼り無げな首筋。

その喉に生気を確かめ、どんなに安堵したかを。

「…他のヤツに見付けられてたまるか」

「へへへ」

「絶対死なせない」

快斗が笑いながら腕を伸ばす。オレの方へ。

「よしよし。ちゃんと生きてるから。泣くな名探偵」

「泣いてねーよ」


静かな夜陰。

秘めやかな雨音がオレたちを包み込む。

しとしと。しとしと、と───。







20200623
──────────────────


※状況描写など全体的に〝ご想像にお任せ〟な緩い回想話でした。ちょっとイチャイチャさせたくなったので(..;)。黒羽快斗くん、怪盗キッドさま、そして青山先生、6/21お誕生日おめでとうございました!


●拍手御礼
「雨の夜」「パスワード」「嘘と嫉妬」「朧月」「怪盗の落とし物(新一編)」「掠れた記憶」「紅の霆」

●拍手コメント感謝です!
ひつじ様、
嬉しいお言葉ありがとうございます。褒めていただいて育つ方なので、たいへん有り難いです~(^_^;)。

名無し様、
チビ白馬くんとドキドキ快斗くん、喜んでいただけて何よりです(^o^)。いつもありがとうございます!

キッド大好き様、
更新遅くてすみません(..;)。懲りずにまた是非お訪ねくださいませ!

雫水様、
いつも鋭い考察ありがとうございます。
励みにしつつ、ペース遅くて申し訳ないですが引き続き頑張ります~!



拍手[4回]