名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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条件反射(新一×快斗)
※20130417up『エロスの神様』と対になる話を書こうとしたんですが、いつものパターンに陥りました~(*_*;
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工藤が帰ってこない。

毎度のことなので今さら文句を言う気はないが、こんな日は少しばかり自分を憐れんでしまう。



工藤にすれば俺は単なる〝都合のいい相手〟でしかないのかも。なんて。

別に構わない。
それが厭なら去ればいい。
それが出来ないから困ってるんだ。

工藤のヤツ、相変わらず事件が起きれば頼まれなくても首を突っ込んでいきやがって。
〝日本警察の救世主〟なんて持ち上げられて、カッコ付けて、オーラ全開で、迷宮なんて言葉はオレの辞書には無いって顔して偉そうに。
きっと今頃は真犯人に指を突きつけ〝真実はいつも一つ!〟と決めゼリフを吐いてるに違いない。

気の毒な犯人に自分を重ねて同情する。


工藤さえ、現れなければ───。




「わっ」

突然白く部屋が光った。
数秒おいてバリバリと天地を裂くような破裂音と、続いて地鳴りのような低い轟音が響き渡る。
雷だ。夕立か。
バラバラと音がし始め、瞬く間に窓ガラスが吹き付ける雨水に覆われてゆく。

「………」

窓の外をぼうっと見てたら、またピカピカ連続して空が光った。
思い出してしまう。
工藤と素顔で初めて向き合った時のことを───。






雨と強風に阻まれてまともに飛べず、俺は辛うじて逃走経路上の小さなビルに降り立った。
警察は撒いたはず。そのまま雨風が弱まるまで潜むことにして、俺は怪盗の装束を解き、屋上出入口の鍵を開けた。

扉を開け、薄暗いビルの中へ入る。

そこにずぶ濡れの工藤が立っていたのだ。

しまったと思いながらもポーカーフェイスだけは崩さず、しかし後戻りするわけにもいかず、俺は工藤と向かい合った。

互いに大泣きしたように頬が濡れていた。
工藤は黒羽快斗の姿をした俺を見つめ、掠れ声で『よう、怪盗。逢いたかったぜ』と言った。
そして震える手を俺に差し出したかと思うと、いきなり俺を強く抱き締めたのだ。

濡れた衣服を通して伝わる工藤の早鐘のような鼓動と熱を思い出す…。
あの時から俺は離れられなくなったんだ。工藤から。


「え」

ふと下腹部に違和感を覚えて俺は絶句した。
ソファーにうずくまって工藤のことを思い出していただけなのに、〝俺〟が変化していた。
慌てて背を起こす。

なんで?
あの時の工藤を思い浮かべただけなのに。
俺、相当溜まってる?欲求不満? もしかして俺の方が都合よく工藤を求めてるだけ?

鼓動が速まり、吐息の熱が高まってゆくのを抑えられず、俺はソファーに縋って立ち上がった。

ヤダヤダ、若いって。
ちょっと思い浮かべただけでこんなんなっちゃって。条件反射かよ、恥ずかしい。
工藤が帰ってくる前に落ち着かなきゃ。
落ち着くためには、速やかにこの熱を処理することだ。
なんだけど。

うううう。

さすがにこのままリビングでというわけにはいかない。自分の家だったらサクッと片付けられるのに。
やや前傾姿勢になりながらヨタヨタ扉に向かう。

かっこわりー(>_<)。静まれ〝俺〟!!
これは単なる生理現象だ。落ち着け。
三回、深呼吸した。
そうだ、落ち着けば自然にもとの状態に…。

「げげげっ」

ならねえ!
工藤の匂いが漂ってる気がして、なんてうっかり思ったら余計にギアが入ってしまった。
バカ~〝俺〟っ。工藤のことなんか考えるなーーっっ!

「!?」

やっと扉に辿り着いて開けようとしたら、逆に勢いよく扉が開いた。
驚いたのと脚がもつれたのとで言葉も出ず、俺は後ろにひっくり返った。

開いた扉の向こうに、雨に濡れてびしょびしょになった工藤が立っていた。

「あ・・・、ああっ(゚o゚;」

「快斗、待っててくれたのか 」

「え、わあっ、く、くるなっ」

「どうした? ここまでパトカーが入ってくると近所迷惑かと思って大通りで降ろしてもらったんだ。そしたら突然この土砂降りだろ。雨宿りして待つほどの距離でもねえし、走って帰ってきたんだ」

雨の滴が工藤の前髪から頬を伝い、俺のシャツにポタリと落ちた。
俺はしりもちを付いたまま後ずさった。
つもりだったが、ほとんど動けてない。

「あはは。快斗、顔赤いぞ。俺も快斗が恋しくて毎晩困ってたよ。好きだ、快斗」

工藤が転がった俺に笑顔でダイブしてくる。

うわあああ~っ、迷惑すぎる率直さ(@@)!!
どおすんだよ?!
うごけねーよ?!
ここからどうやってどうするつもりだよ?!

しかし冷たかった工藤の唇があっという間に熱くなって、それが俺の首やら耳やら肩をたどり始めると、すべてがどうでも良くなった。

愛おしさに溺れてしまう。

逢いたかった、工藤。
夢中でそう言い、俺も工藤に口づけた。






20150809
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※えー…すみません。水も滴る工藤くんのセックスアピール度が高くて困る、という話を目指したんですが、思うようにいきませんでした~(-.-;)。


●拍手御礼
「閃光(改)」「月無夜~傍観者~ 」「月光という名の真実」「返り討ち」へ、拍手ありがとうございました(^^)/

★拍手コメント御礼!!
チョコレート様
白快で幸せ〜な気持ちになっていただけて嬉しいです。白快だとなぜか甘々もしくはハーレクイン(同じ?)になってしまうんですよね…白馬くんの人徳でしょうか(^^;)??  白馬くん視点でのリクエストもありがとうございます! いずれこそっと書かせていただけたらと思いますー♪

彌爲さま
いつも拍手コメントありがとうございます!!
お仲間と〝満月〟を愛でる会を催されたことがあるとのこと、うらやますぃ限りですーー!
『振り回されつつ美味しいところを持って行く白馬くん』、仰るとおりで笑ってしまいました。『四つ葉~』のエロかわキッド様のリクエスト、せっかくいただいたのでこちらもいずれ何らかの形でお応えしたいと思います。あまり期待せず(汗)お待ち下さい~。



   

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