名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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末尾に拍手御礼と『ひとりごと』あり。雄叫んでます~(*_*;

業火妄想《新一×キッド編》
カテゴリ★業火の向日葵パラレル
※劇場版『業火の向日葵』を元にした〝別物〟パラレル。ネタバレも含みますのでご注意下さい。
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「名探偵、決着(ケリ)つけようぜ」

「望むところだ、キッド!!」




鍾乳洞に建てられたレイクロック美術館の螺旋通路。キッドはその支柱にワイヤーでぶら下がっていた。片腕には防護ケースに収まった『芦屋の向日葵』を抱えている。

オークション会場で派手に暴れて『向日葵』の警備を強化させたのも、爆破によって飛行機から投げ出された『向日葵』を取り戻したのも、このレイクロック美術館で暗躍する真犯人から『向日葵』を守った理由(わけ)も───おまえを捕らえれば解る。
おまえの謎を、解いてやる…!

ベルトからボールを射出して腿でワントラップし、体を半回転させ渾身の力をこめてキックした。
大きく振り子のように体を揺らすキッド。しかし片手はワイヤーを掴み、もう片方の手は『向日葵』を抱いているのだ。羽田の時のようにトランプ銃でボールを撃つことは出来ない。
どうする、キッド!

ボールがキッドを捉えた。そう見えた。
だが、ボールは紙一重で広がったキッドのマントに吸い込まれていた。

「くそっ!!」

マントを巻き込むように回転して止まったボールが、ゆっくりと落下を始める。

「今宵…神が見捨てし過去を取り戻す」

「なに?」

オレは目を瞠いた。キッドが『向日葵』を手放したのだ。ボールと、そして『向日葵』が、まるでスローモーションのように落ちてくる。
シルクハットを外したキッドが高らかに叫んだ。


「It's  show  time───!!」


オレンジの炎が列をなして一斉に立ち上る。同時にボールが落ち、大きく弾んで破裂した。
衝撃で飛ばされ、オレは岩肌に転がった。

『向日葵』は…?!

落ちた音がしない。

『向日葵』は、どうなった?!

怪盗の姿は焔に包まれ、とうに見失っていた。鍾乳洞は一面の業火に炙られ、オレンジに輝いている。目映いほどに。

馬鹿な。
そんな、馬鹿な。
キッド、どうしたんだ。まさか…死ぬ気なのか。

〝神が見捨てし過去〟──?

その〝過去〟が、この事件といったいどう結び付くんだ。


「キーッドーーー!!」


目が霞む。
オレは膝を着いた。
不思議と熱くない。火がそこまで迫っているというのに…。
脱出シューターは焔の向こうだった。走れば間に合うかもしれないが、立ち上がる気にならない。

キッドはきっとまだ近くにいる。

〝過去〟なんてくそ食らえだ。

オレはここだ。

だから、姿を見せろ。

オレのそばに来い…、キッド!

キッド───!!












〝名探偵〟

オレを呼ぶ声がした。

目を開けると、オレンジに照らされた白いマントが翻っているのが見えた。
パチリと指を鳴らす音が聞こえ、目の前が不意に暗くなる。

「──あ…?」

「しっかりしろ。立てるか? バカ正直な名探偵に免じて出てきてやったぜ」

「え…っ」

「隠れていた真犯人は炎のマジックに驚いて逃げて行ったよ。鍾乳洞一面に反射して、なかなか凄かっただろ。おい、いい加減目を覚ませ。脱出するぞ」

「マ…ジック──?」

そう、か。
あの炎はキッドの仕掛けだったのか。だから熱くなかったんだ。
オレはボールが割れた衝撃で朦朧としてしまい、本当に身を灼かれるかと…覚悟までしたのに。

「それじゃ、『向日葵』は」

「無事だよ。俺が落とすわけねえだろ」

「……」

オレはガバッと起き上がった。
防護ケースに収まった『芦屋の向日葵』は、怪盗がしっかりと掴んでいた。
どうやらオレは犯人共々まんまと怪盗に嵌められたらしい。

オレはもう一度キッドを見た。驚くほどそばにキッドがいる。その息吹が聞こえるかと思うほど。
だからオレは無意識に手を動していた。


ガチャン。


「わっ!」

「捕まえたぜ…、怪盗キッド」

手首を手錠で繋いでキッドを引き寄せた。

「き、きったねー!  てか、ブレねえな~名探偵」

「当たり前だ。絶対逃がさない。〝神が見捨てた〟おまえの過去なんか、知るもんか」

オレはキッドの肩に腕を回し、キッドを強く抱き締めた。

「…俺の過去じゃねえよ」

「え?」

「とにかく脱出しよう。マジでそろそろヤバい」

キッドがそう呟いた次の瞬間、オレたちは抱き合ったまま宙に飛び上がっていた。

「うわあっ」

「飛ぶぞ、しっかり掴まってろ!」








レイクロック美術館が鍾乳洞とともに崩落してゆく。
オレたちは湖の対岸に着地し、さっきまで自分たちがいた場所が湖の底に沈んでゆくのを見つめていた。

「犯人は助かったかな」

「ったく、この期に及んで犯人の心配かよ。お人好しにもほどがあるぜ、名探偵」

「真犯人が死んでしまったら、おまえの潔白を証明するのに時間がかかるだろう」

オレがそう言うと、キッドは横顔のまま微かに笑った。

「キッド…、何故この『向日葵』を守ったんだ」

「依頼されたからさ。この『向日葵』を、どうしても見せたい人がいるってな」

「誰に」

「それも訊くかよ。探偵のくせに図々しいぜ」

確かに。だが。

「知りたいんだ…キッド、おまえの事を。オレは───おまえが」

おまえのことが。

うまく言葉にできない。
オレはキッドの肩に腕を回し、片腕だけでキッドを抱き締めた。

「…少し喋りすぎたな。名探偵があんまり」

〝あんまり必死に俺を呼ぶからさ〟

「え・・・っ (〃〃) 」

ぼふん!
突然煙幕に包まれ、オレは慌てて顔をあげた。
手錠が外れてる…!

「キッド、待て!!」


〝ほんのいっときだが、確かに過去は蘇った──後は任せるぜ…名探偵〟


怪盗の声はすでに手の届かないところへ遠ざかっていた。
木の幹に立て掛けられた『向日葵』を見つめ、オレは詰めていた息を大きく吐き出した。

みんなの声が近付いてくる。オレを探しに来たんだ。


解っていた。こんな手錠で怪盗を本当に捕らえることなど出来はしない。それでも抱き締めた温もりだけは、確かにこの腕に残っていた。

『業火の向日葵』。
オレはキッドに託された『向日葵』を手に、自分の名を呼ぶ声がする方へと歩き出した。

オレの日常へ戻るために。

いつか再び、キッドと対峙するために。







20150519
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※う…お粗末様です。聞きたかったセリフを無理くり入れてみました(汗)。曖昧な内容でスミマセン。雰囲気なのでご容赦を~(*_*);;


●拍手御礼
「囚人」「真贋」「強姦」「未明の道」へ、拍手ありがとうございました(^^);

★拍手コメント御礼!
チョコレート様、再びの拍手コメありがとうございます!(^^)!  ホント、快斗くんの出番、もっともっと欲しいですよねー! まじ快続巻を信じて地道に妄想膨らませつつ待ちましょう~!!


・・以下、ひとりごとな雄叫び・・
劇場版『業火の向日葵』、見納めに行ってきました。私のような?リピーターと思われる方々がけっこういました。
それにしても冒頭の黒衣の快斗くんは本当に不敵でかっこいい~!! そして飛行機から投げ出された〝向日葵〟を追う空中の新一くんも…あれがもし素顔の快斗くんだったらと思うと…もっともっとシニソーに萌える(スミマセン、私 快斗くん派なもので)のに!とか思ったりして(^-^;
そして、そろそろぶっちゃけ言っちゃいますが……《キッド様の出番が、全然足りないんですけどーーー!!!!》
はぁ、はぁ。
すみません、物語はあくまでコナンくんサイド(当たり前)なので仕方ないと解ってるのですが。しかし、せっかくのリバルな主題歌ですよ。名探偵と怪盗の対決を終盤さらに見たかったーっ! これで当分動くキッド様とは会えないし…(泣泣)。

来年の劇場版第20作目にはバーボン・昴さん・赤井さんが出るんじゃないかと思われるので、それはそれですごく楽しみです!

はー、『業火の向日葵』Blu-ray発売が待ち遠しいっ。
そしてさらなる秘かな野望…
今回の興行成績でキッド様人気が不動であることが認知されれば、『まじ快』映画の製作が企画されてもいいんじゃないのかーーっ? と思います!!! 真剣!!!


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