名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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フェアリーナイト《2/2》(白馬×キッド)
※後編。何でも有りな心の広い方向け(*_*;
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「それでは心当たりは無いのだね?  なぜこんなことになったのか」

『はい。下見だけでしたので、予告も出しておりませんし…。白馬探偵こそ、どうしてあの場所にいらしたのです?』



クシュン!

暖房は点けたものの、小さな体では体温が奪われるのも早いのだろう───素肌にシルクのハンカチを一枚羽織っただけの小さな怪盗は、口に手を当て、可愛いらしいくしゃみをした。
   
「寝ても覚めても君のことを考えているからだよ。君が次に何に狙いを定め、どんな策を練っているか、僕にはお見通しなのさ」

『さすがですね、白馬探偵。でも、そのおかげで今夜は本当に助かりました』

さり気なく告白したつもりだが、残念ながら今一つ伝わってない。

「キッド、風邪をひいてしまう前にこれを着てみてください」

『これは?』

「さっき寄った店で買ったものです。サイズが合えばよいのだが」

『ああ…なるほど。───素晴らしい、ぴったりです』

着替えの間、後ろを向いていた僕が振り向くと、そこには予想以上の衝撃が待っていた。

「キッド…!!」

僕のデスクに立つ、身長10センチちょっとの怪盗キッド。
以前から気になっていた某クジの残りを買い占め、ラストワン賞を手に入れた僕の咄嗟の判断は間違っていなかった。
〝本物〟の、ミニミニ怪盗キッドの姿がそこに在ったのだ。

「良かった、着せかえキッドフィギュアの服が、こんなに合うなんて!」

『そのクジのことは私も存じていたのですが、まさか本当に自分で着る羽目になるとは…』

「キッド、写メ、撮っても良いですか?!」

我慢できずに僕は申し出た。動画にも撮りたい!

『どうぞ。白馬探偵が個人で保有されるだけでしたら…。他にお礼のしようもありませんし』

「誓うよ! 絶対に!」

にこりと微笑んだミニチュアキッドが颯爽とポーズをとり、僕の目の前でマントを翻す。さらに帽子の鍔を指で摘まみ、プラスチックのモノクルを嵌めた瞳で僕を見上げる。
僕は夢中でシャッターを切った。
切って切って切りまくった。

これはとんでもないお宝だ。
箱に入っている制服バージョンも身に付けて欲しいところだ。ダメもとで後で頼んでみよう!

「どうしかしましたか?」

ふと気付くと、キッドが買い物袋をじっと見ている。

『なんだか少しお腹が空きました。それ、いただいてもよいですか?』

「コレを?」

下心が皆無だったとは言わない。だが、本人から申し出があるとはっっ(>_<)!!

キッドが指さしたのは店のレジ前に積んであったスタンダードなチョコポッキー。昨日は日付にちなんで宣伝されていた〝ポッキーの日〟だったのだ。

封を開けて一本摘まみ、僕はドキドキしながらキッドにポッキーを差し出した。
キッドは小さく『うわぁ』と声を出し、小さな両手でポッキーの先を掴んで取り付いた。

こ、これは…☆☆!!!

砕いてあげた方が親切なのは重々承知している。
しかし、この絵面!
想像してみたまえ!!!
小さなキッドが、小さな口を開け、ポッキーの先のチョコをペロペロ舐めてる。口に入りきらないのだ。

『おいしいです』

唇にチョコを少し付け、キッドはニコニコ笑って僕を見た。
僕は鼻血が出るのではないかと思うほど頭に血が昇ってしまっていたが、必死に平静を装い、辛うじてキッドに微笑み返した。




『白馬探偵…』

「どうしました?」

もう遅い。僕がパジャマに着替え、ベッドに入ると、キッドは僕の枕元にちょこんと座って僕に手をさしのべてきた。

「?」

僕も手を伸ばすと、なんとキッドは僕の指先にそっと寄り添ってきたのだ。

『白馬探偵の指、好きです』

「えっ…」

ドキーン!!!
落ち着け。今、キッドは〝指が好き〟と言ったのだ。いや、それでも嬉しい!

『こんなにアップで見ても、白馬探偵の指先はやはり美しいですね』

「そ、そうかい? 爪は揃っていないと落ち着かなくて。毎晩風呂上がりにケアするのが習慣になっているんだ」

『なるほど…いい匂いがします』

う、うわああああ・・・!!

キッドが、僕の指先にキスをした!!

のたうち回って喜びを表現したいところだが、そんなことをしたら小さなキッドがベッドから転がり落ちてしまう。
僕は懸命に我慢した。

キッドはやがて安心したように僕の指に頭をのせ、すやすやと眠ってしまった!!

可愛すぎる、怪盗キッド!!

指がツりそうだが、動くものか!

おそらく…眠ってしまえばこの〝夢〟は終わるだろう…。
素晴らしい夢だった。

写メが残っていればよいのになぁ…。
フェアリーナイトの思い出に。
僕の心のストレージに保管しよう。永遠に………。









・・ー・・・・・ー・・・・・ー・・

   


「紅子さま? このままでは、じき炎が消えてしまいますが」

「いいのよ。困らせてやろうと思ったのに、さんざん楽しませてやっただけだったわ。アホらしい!」

控えていた従者が首を傾げる。

「そういう紅子さまこそ、水晶を見ながらキャアキャアはしゃいで騒ぎまくっていたではありませんか」

「お、お黙り! もう、寝るわ。とりあえず…気がすんだから!」


紅い炎が燃え尽きる。

炎が尽きれば、魔法は解ける…。

「うふふ」

「紅子さま?」

「目覚ましをセットしなさい。朝五時よ」

「そんなに早起きされるので?」

「言われたとおりにおし!」

二人の寝起きドッキリを、見逃してたまるもんですか。

魔法が解けて元に戻ったキッドと白馬探…。
いったいどうなるかしら?!

いや~ん、楽しみ!!!






20141114
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※お、お粗末様でした。紅子様は白K(白快?)派ということで(汗)。実はお題〝ポッキーの日〟だったのでした。ぜんぜん間に合いませんでしたが。白馬くんもミニミニキッド様と、一緒にポッキーを頬張ったはずです!
魔法が解けたキッド様は必然的に小さな服を破ってしまうと思うのですが、もしかしたらその前に白馬くんが脱がせちゃうかも~?…なーんて、書き逃げの言い訳でした(^^;)!!

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