名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

ブログ内検索
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カウンター
プロフィール
HN:
ronin
性別:
女性
自己紹介:
2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
Script:Ninja Blog 
Design by:タイムカプセル
 

☆2012-2013冬の白快SP☆
迷い鳥《2/2》(白馬×キッド)R18
────────────────────────────────

僕はキッドの頬にそっと手を伸ばした。

微かに怖れを覗かせ、キッドが表情を強ばらせる。






「どうか──君を」

愛させて欲しいと……僕はひれ伏す想いで素顔の怪盗キッドに懇願した。



ベッドに上体を起こしたキッドの細いうなじは、僕の前であまりに儚かった。包帯をしていない左肩が小刻みに震えているようにも見える。

寒いのだろうか────。

抱き締めたい。
切なさが込み上げてどうしようもなくなる。 僕は床に跪き、ベッドに肘を付いた。キッドを見ていられなくなったのだ。

どう想いを尽くし伝えても、拒絶されればそれまでだった。侮蔑を受けてまで我を貫く勇気は僕にはない。こんな事までしておきながら、それが情けなかった。


「白馬探偵」

「あ…、失礼」

僕はハッと我に返り、そして動けなくなった。立ち上がろうとした僕の髪に、キッドの手が置かれている事に気が付いたから。

「……いまの私は、傷を負い飛べなくなった迷い鳥。私を救い、この〝籠〟に入れたのは白馬探偵、あなたです」

「キッド…」

「籠の主(あるじ)であるあなたを拒む術など、もとより囚われた私にあろうはずがありません」

「待ちたまえ、僕は君を従属させる意図で手当したのではない。それだけは…」

キッドは僕を見て頷いた。

「解っています……奪おうと思えばとうに出来たはず。あなたの想いを信じます。あなたが、真に私を求めると仰るなら────」

言葉を切ったキッドは、微かに残る躊躇いを押しやるように僕から目を逸らした。

僕は震える手を伸ばす。今度こそ。
……今度こそ、キッドの頬に触れる。
少し冷たい頬を両手で包み込むと、キッドは目を閉じて小さなため息を漏らした。


これはキッドの、僕への慈悲なのだろうか…?

それでもいい。
たとえこれが一時の夢でも……!


目を開けたキッドと僕の瞳が合った時、僕を縛り付けていた全ての柵(しがらみ)は弾け飛んだ。

僕はキッドに口付けた。
想いを込めて。
この想いが真実である事を誓って。
甘く。深く。熱く────。
キッドの背をかき抱き、夢中で何度も口付けた。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


なぜ白馬の求愛を、俺は受け入れたんだろう。

自分でも解らない。

もし──── もし俺が拒んでいたら、白馬は引き下がっていたのだろうか?

だけど俺の前に膝を着いた白馬の祈るような姿を見た時、俺の口をついて出たのは自分でも思ってもみなかった言葉だった。

白馬の眼差しは優しかった。

有無を言わせぬこんな優しさを、俺は探していたのかもしれない…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



キッドの柔らかな髪が散る。
指と指を絡めて肌を寄せ合い、温もりを分かち合う歓びに眩暈すら覚える。
いつしか僕も生まれたままの姿になってキッドを愛しんでいた。

しなやかに息付くキッドの肢体は触れればすぐさま反応した。僕は狩人になったように想い人を逃れられない場所へと追い立ててゆく。
敏感な部分を探して辿ると、キッドはびくんと大きく肌を震わせた。

「キッド…」

「…………」

名を呼ぶと、背けた頬がさらに赤く染まった。愛しさがつのる。
僕は焦らす事はせず、そのままキッドを高みへと導いていった。

「…ア、アッ!」

キッドが感極まったように全身を震わせる。

恥じるように俯けた顎を持ち上げ、熱く濡れた吐息を漏らす唇をキスで塞いだ。
むずかる肌を引き寄せ、揺りかごに抱くようにして僕はキッドを包み込んだ。





────包帯が外れている。

「…キッド?」

「大丈夫……これではあなたを十分に感じることができません」

キッドはそう言って自分に巻かれた包帯を外し始めた。
痛々しく傷付いた素肌が現れる。僕が止めてもキッドは首を振り、とうとうすべての包帯を外してしまった。

「痛みは?」

「平気です。それより今はあなたをきちんと感じたい────」


僕は背中からキッドを抱いた。
血が滲んで腫れたキッドの右肩にそっと口付ける。
僕はキッドを宥めながら、その秘所を無理がないよう潤していった。だが体を拓かれる羞恥に堪えられなくなったのだろう、キッドが頭(かぶり)を振って身を捩る。
汗ばんで震えるキッドの背に、僕はキスをして詫びた。


キッドを仰向けに寝かせ、すらりと伸びた両脚を開かせた。
キッドが唇を噛んで目を瞑る…。
そして僕は熱く膨らんだ自分自身を、ついにキッドの体内へと穿っていった。
急がぬよう、懸命に自分を抑えながら。


体内を深々と埋められてゆく感覚に、キッドは全身を戦慄かせながら堪えている。
熱く火照った肌が僕を感じていると思うと、僅かに残った僕の理性も吹き飛びそうになる。
だが、急いてはいけない……。
キッドが慣れるのを待ちながら、少しずつ身体を揺さぶる。そしてまたさらに押し進めてゆく。

不意に繋がった部分が強く収縮して、僕は息を詰まらせた。

「キッド…」

「ア……は、はくば……!」

キッドは限界まで僕を受け入れようとしている。おそらく意志ではどうしようもないほどの感覚に囚われているのだ。
僕はキッドの細い腰を自分に乗せるようにして貫きながら、しばらくそのまま待った。
大きく波打っていたキッドの吐息がやがて落ち着き、体の力が僅かだが抜ける。
僕はそれを見計らい、最後は両手で引き寄せるようにしてキッドの最深部に自分を打ち付けた。

「────アアアア…ッ!!」

キッドが悲鳴を上げ、大きく体を跳ね上げさせる。
キッドの動きに翻弄されかけたが、何とか僕は堪えた。

キッドの両脇に手を着き、切なく首を振るキッドを見詰めて声をかけた。

「キッド…僕が、わかりますか?」

「…………」

キッドはシーツをきつく握りしめて堪えている。その目が瞬きをした拍子に、目尻からぽろりと涙の滴が零れ落ちた。

僕とキッドは完全に一つになっていた。
一つに繋がって、互いの血脈まで感じとれるほど深く結ばれていた。

僕が少し体を傾けただけで、キッドが切ない声を漏らす。キッドの震えが伝わると、僕の感覚も極まりそうになる……。
だが、まだもう少しこうしていたい。
二人繋がり合ったまま、少しでも長くこの時を共有したかった。

僕はキッドの体内に深く自分を忍ばせたまま、キッドの前に指を添えた。ハッとしたようにキッドが目を開け、頬をさらに紅潮させる。

「あ…、白馬………!」

「任せて。いいから…素直に感じて下さい」

「やっ、ああ…!!」

混乱して眉を寄せるキッドが愛おしい。
僕を後ろに含んだまま前に触れられて、堪えることができないのだろう。あっという間に達し、それでも僕が愛撫をやめないので濡れた瞳を見開いて睨み付けてくる。

「…ふふ。ちっとも怖くありませんよ、キッド」

「く───ああ…っ!」

もっと見ていたい。
僕と重なって狂おしく悶えるキッドを、もっともっと見詰めていたい。

僕は覆い被さるように体を倒し、キッドの頬や額に口付けた。
細い肩に腕を回し、小さく体を揺らす。キッドも僕の肩を掴んできた。

「ア、アッ、……は、く…!」

キッドの反応が強くなる。
さらにゆらゆらと揺らし続ける。
もう…自分を抑えられなくなりそうだ。
キッドが熱い。熱く僕を締め付けてくる。

「キッド…」

僕の呼ぶ声は届いているのだろうか。

僕の想いは届いているのだろうか…。

キッドはポロポロ涙を零していた。
もしや、苦しいのだろうか。つらいのだろうか。

「キッド……?」

キッドの髪をよけ、熱い額に手を当てた。
キッドが目を開ける。涙に濡れた蒼い瞳が僕を映し出していた。

「……!」

僕の首にキッドの腕が巻き付いた。

唇が重なる。

キッドからのキスだった。

どくん、と、心臓が鳴った。

急激に衝動が突き上げた。

ああ、と、僕は声をあげた。
同時にキッドの体もビクビクと激しく痙攣した。僕たちはほぼ同時に達したのだ。
愛しい相手と重なり合って、互いを深く感じながら共に高みに昇り詰めることが出来たのだ。これ以上幸せな交わりはないように思えた。


まだ熱く漂う余韻に体を沈ませながら、僕はキッドに寄り添った。
互いを慈しむように触れ合い、キスをして、うっとりと僕は目を閉じた。

静かに…目を閉じた。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



何かが、頬に触れる。


────では、ごきげんよう。白馬探偵。


うっすら目を開けて、声がする方を見た。

シルクハットにマントのシルエット。

怪盗キッドだ。


ああ……。行ってしまうのか。

飛び起きて、追い縋りたいのに動けない。

やられたな、と思う。

おそらくキッドに先手を打たれたのだ。

僕は睡眠薬でも打たれたのだろう。
怪盗の衣装はクローゼットの中に下げておいた。服のどこかに薬が仕込んであったのか…。

眠い。起き上がることができない。

キッド…。
僕たちは、これきりなのかい?

虫のいい問いだと哄われるに違いないけれど。

それほど……僕は身も心も、すべてを君に奪われた。


キッド────、どうか……この僕の想いを、どうか忘れないでほしい。
せめて。

せめて、この秘め事が……僕たち二人の宝物になると信じたい。


キッド……愛してる。君を────。











20130104


────────────────────────────────



※あとがきなひとりごと
撃沈しました(+_+)。目標R18とはいえ急展開でオハズカシイ。描写も手こずり、なかなかupできませんでした。新Kだと若干ギャグ要素も入るんですが、白Kだとひたすら甘々なハーレクインになります(汗)。

あと…イイワケですが書きたいトコだけ書くこのブログにおいて、そもそもなんでキッド様は墜落したのか。という冒頭シーンについてはさくっと省略です。ご容赦を…(@@);;

※さて白快SPなんて言ってた年末年始、思うようには書けなかったんですが、あと軽く一編くらい書いてラストにしようと思います。まだ終わってませんが……オソマツ様でした~(*_*;



拍手[20回]