名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
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しのぶれど《2/2》(白馬×快斗)
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野球部や陸上部の声が聞こえる。

バスケ部のドリブルの音も、時折り体育館の方から響いてくる。



そうだ…ここは学校、教室だ。
俺は黒羽快斗。江古田高校二年の。


『!!』


ガタンッ。机が揺れた。
突然〝墜ちる〟感覚が甦り、無意識に体が跳ねたせいだ。
ハァーと息を吐く。
うっすら目を開け、今いる場所をもう一度確かめる。

すべては終わった。
際疾い目にも遭ったけど、切り抜けた。
怪盗はもういない。俺は戻ってきたんだ。元いた場所に…。

傾く陽を感じながら、もう一度目を閉じた。


もう人目を避けて夜中に走る必要はない。嘘をつかなくていい。自由なんだ。
清々すると──思っていた。
なのに、なんだろう。煮え切らないこの気持ちは。

「……」

理由は解っている。
だから憂鬱で身動きがとれない。
ちえっ、と自分で自分に舌打ちした。


『…白馬』


胸の内で名を呼んで、なんでか分からないけど切なくなって、泣きたくなった。
白馬の横顔を思い出す。
一度も振り向かず教室を出ていく後ろ姿を。

バカか、俺。
いまさら〝振り向いてくれない〟って拗ねてんのか。
図々しいにも程がある。どんだけ白馬をシカトしてきたんだよ。
いまさら普通に接するなんて出来るわけない。白馬だって、とっくに俺のことなんか…。

マジでじわりと涙が滲む。

だって、そうしなきゃダメだったんだ。
白馬がどんなに追ってきても、怪盗でいる間は立ち止まるわけにいかなかった。

最初は探偵としてチョッカイ出してくる白馬がウザかった。
だけど、いつからかそれだけじゃなくなったんだ。

俺が怪我してしんどいのを我慢してると、白馬はさり気なく俺を庇ってくれるようになった。少し眉をひそめ、憂うような瞳をして。
だからますます俺は白馬を避けるようになった。うっかり気を許したら、心を見透かされてしまいそうな気がして。

もしパンドラのことを知ったら、白馬はきっと俺を助けようとしただろう。
そんな事させられない。巻き込むわけには絶対いかなかった。

…そりゃあ側にいてくれたらと思う時もあったけど。
弱気になりそうな自分の心を蹴飛ばして。パンドラを追うのと同じくらい必死になって、白馬を遠ざけたんだ。

そして、俺は目的を達する代わりに白馬を失った。

白馬はもう俺に近付こうとはしない。
謝りたくても、白馬はいつも背を向けていて。
俺を振り向くことなんか、二度とないんだ。


…?


カラ、と教室の扉が開く音がした。誰だろう。先生じゃないみたいだ。黙って入ってくる。
忘れ物でも取りに来た奴か。
めんどくせえ、このまま寝た振りしてよう…。

足音が近付いてくる。








・・ー・・・・・ー・・・・・ー・・

 


静まりかえった教室。ほんの数十分前までの喧噪がうそのようだ。
残っているのは机に突っ伏して眠っている黒羽一人。

歩み寄りながら、それでも僕は迷っていた。戻ってはきたものの本当に黒羽を起こしていいものか。

〝仲直り〟と言われたが、そもそも僕らは喧嘩などしていない。喧嘩するほど近付いてなかったのだから当然だ。
起こしたところで『なんだてめえか』と吐き捨てられ、瞬く間に黒羽は僕の前から立ち去ってしまう───。

「……」

側まで来ると黒羽の襟から覗く白い項(うなじ)に目がとまり、思わず息をのんだ。

窓が少し開いている。
夕刻の風が微かに吹き込み、黒羽の髪を微かに揺らしていた。

ふわり。ふわりと…。

僕はいつしか手を伸ばし、そっと黒羽の髪に触れていた。


〝しのぶれど〟


あの和歌(うた)が胸を過ぎる。


〝しのぶれど   いろにでにけり   わがこひは   ものやおもふと   ひとのとふまで〟


…そうか。

僕は黒羽に恋していたのか。

だから辛かった。疎まれるのが怖くて、側に近付くことすら出来なくなったのだ。周囲にそうと知れてしまうほど想い焦がれていながら。


「…黒羽くん。僕は」


告げてしまおう、いま。穏やかな、この瞬間なら告げられる。臆病な僕にはそれが精一杯なのだ。

「僕は、君が…好───」


がばっ。

突然、眠っていると思った黒羽が頭を起こした。
告白の言葉を途中で途切らせ、僕は驚いて手を引っ込めた。慌てて下がろうとして背後の机にぶつかる。

ガタン、ガタガタッ。

「うわっ」

何かに脚が引っ掛かり、バランスを失って僕は床にすっころんだ。


ガッターン!!


音が響き終わると、再び静寂が戻ってきた。鳴り止まないのは僕の心臓だけ。
尻餅を付いた僕は、呆然と彼を見上げた。

黒羽は起きていた。
上体をこちらに向け、机と椅子の背に両肘を掛けて僕を見ていた。
自分の顔が熱を持つのが分かる。
僕が足を引っ掛けたのは、黒羽の出した踵だったのだ。

「な…、なにするんですか」

抗議した僕の声は、すっかり掠れてしまっていた。
なぜなら黒羽が僕を見て微笑んでいたから。

イタズラ小僧のように歯を見せる黒羽の目は、心なしか潤んでいた。
そして解ったのだ。これまで僕を拒んできた黒羽の棘が無くなっていることに。

照れくさそうにはにかむと、黒羽は小さな声で『ゴメン』と呟いた。座り込んだ格好のままの僕に向かって手を差し出しながら。

僕らは、ようやく真に〝出逢う〟ことが出来たのだ。







20160528
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出典:百人一首  40番   平兼盛


※おそ松イヤお粗末様です(> <)。独白のまま終わらせちゃいました。欲求不満は近日晴らしたいと思います…(*_*;

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「ダブルムーン」「強姦」「未明の道」へ、拍手ありがとうございました(^^)/

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