名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
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連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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危弁《2/2》(白馬×快斗)
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僕は黒羽の腕を捻って体を返し、背中向きに黒羽をドアに押し付けた。


扉一枚隔てた廊下を、話し声が近付いていた。
慌ただしく廊下を行き過ぎる生徒たちの足音。
午後の始業のチャイムが鳴る。


黒羽は息を詰め、目を閉じて堪えている。
もし黒羽が抗えば、僕はさらに追求を強めていたかも知れない。
しかし、ここは〝学校〟だ。
黒羽もそれを見越している。

僕はため息をつき、加えていた力を緩めた。

「君は…狡い」

僕が昨夜の自分の行動を省み、君に負い目を覚えていると解っていて。学校という〝安全地帯〟において僕がこれ以上踏み込むことはないと予測して。
そうして、どこにでもいる高校生のふりをする────。

「なにが狡いんだよ。ずりぃのは自分だろ。ちょっとデケエからって人を抑えつけやがって。肩が痛てえって、放せ!」






・・・・・・・・・・・・・・・



最初から苦手だったんだ。こいつの瞳。
眼差し。物言い。
妙に甘くて、やたら正しくて。どう対していいのか判らず迷っているうちに追い詰められて、もうギリギリで後がない。

だけどここは学校だ。昨夜とは違う。白馬も無茶はしないはず。
つまりは消極的選択による賭けだった。
制服の下は包帯で固めてある。

高層マンションを目指していたのに、何者かに狙撃されて翼を射抜かれ、あのビルに降りざるを得なくなった。
致命傷は避けたが削がれた脇腹からの出血はなかなか止まらず、白馬が階段を上ってくるのに気付いた時はかなり慌てた。
咄嗟にあんな言い逃れをするしかなかったんだ。

普段の白馬だったら、屋上の隅に残る血痕に気付いていたかもしれない。あるいは掴みかかった時、抱き締めた時、俺が脇腹を庇っている事に気付いていたかもしれない…。


腕が自由になった俺は肩を抑えて振り向いた。
白馬が哀しむような貌をして俺を見ている。暖かそうなアンバーカラーの瞳。

ああ…やっぱり苦手だ。

甘く響く声も。
まっすぐ伸びた長い指先も。

〝捕まえられる〟。

捕まったら、逃げ出せない。

そういう予感だ─────。



「黒羽くん、僕は」

何か言いかけた白馬をふと見上げた瞬間、ふわりと頭を掴まれた。


…あ。


身を竦めたとたん、唇が重ねられていた。
目の前に白馬の閉じた睫毛。長くて、やっぱりアンバーカラーで。
温かさに驚いているうちに数秒が経ち、それからドクンと鼓動が跳ねた。痛い。傷に障る。
顔を背けて逃れたが、いかにも反応が遅かった。待っていたかのように白馬のキスを受け入れてしまった自分に焦って一気に全身が熱くなる。

「…キスは初めてですか?」





〝黒羽くん、どうやら僕は君が好きになったようです────〟


嘘付け。そんなわけあるか。

俺はドアの鍵を開けて保健室を飛び出した。追いかけてくる白馬の声に、そんな独り言を吐くのがやっとだった。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



追いかけたくても、脚はいうことをきいてくれなかった。
走り去ってゆく黒羽の背中が階段に消えた後も、僕はしばらく保健室の前に立ち尽くしていた。


黒羽くん…、君は今の僕の告白を〝危弁〟と受け取ったのだろうか?

いいや…そんなはずはない。
あんなに慌てて。
耳まで赤くして。

言葉を失い狼狽える姿は〝月下の魔術師〟でも、いたずらなクラスメートの黒羽快斗でもなかった。
もしかしたら、本当の君は誰よりも純粋で誰よりも傷付きやすい心を持っているのではないだろうか…。


僕はこれからも探偵として白い姿の怪盗を追うだろう。
そして江古田高生の白馬探は〝本当の君〟を追うことにしよう。

君が胸に秘めている小さな宝石を。
無垢な輝きを宿した、真実の君の心を。





2013930
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※さ、最終的に無理矢理気味ですが甘々方向に…「絶対絶命」のフォローになったか、な、、、(+_+)?
※つづきにした時点では白馬くんに快斗くんを押し倒させるくらい考えてたんですが、そこにも至らず…。ちょっとばかり欲求不満デス(^^;)。キッド様が狙撃された件の詳細はバサッと省略でスミマセン(*_*;


●拍手御礼!「不思議な夜」「絶体絶命」「危弁」「グッナイサマーバースデー」へ、拍手感謝ですーっ(^^)////

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