名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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春花(白馬×快斗)《2/2》R18
※視点がいったりきたり(汗)。甘々R。『カテゴリ★放課後』後日談です…(*_*;
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強く抱き締めると黒羽の髪から春の匂いがするのに気が付いた。

僕は黒羽の髪に顔を埋め、深く息を吸い込んだ。


放課後の屋上で互いの想いを確かめ合ってから、僕らはゆっくりと絆を深めてきた。しかし、だからといって僕の黒羽への〝負い目〟が打ち消されるわけでは決してなかった。

何度か二人で夜通し過ごす機会があったにも関わらず、僕は黒羽に寄り添う以上のことは出来なかった。
黒羽の〝秘めた貌〟を思い起こし、狂おしく疼くものを覚えても、身を固くし息を潜めている黒羽の髪を撫で〝おやすみなさい〟と告げてキスをするのが精一杯だったのだ。



「…!!」

声を上げそうになって、息を呑み込んだ。
裸になって白馬に腰を持ち上げられ、ぞくりと背を戦慄が伝う。それが怖れなのか、期待なのか、自分でも分からない。

初めてではない。
だがあの日、朦朧とした中で白馬に貫かれた記憶はやはり曖昧で、苦痛も到達感も今となっては膜に覆われたように遠く霞んでいる。

それを今、乗り越えるのだ。
要らぬ気遣いだと、白馬に伝えたかった。だからこうして白馬のもとを訪れたのだ。
すべてを取り払って。
何もかも忘れ、その長い指先に触れるすべてを二人のものにしたくて。



滑らかな肌。しなやかに躍動し、僕を惹きつけてやまない。
想い人を苦しめないよう、静かに押し進めてゆく。びくびくと震え、徐々に僕を包む熱い感覚に、思わず先走りそうになるのを堪えながら、戦慄く黒羽の唇から漏れる吐息に聞き耳を立てる。

僕の眼差しを避けるように顔を覆う腕を、そっと掴みとった。

「黒羽くん、目を開けて」

「…………」

黒羽は堅く目を閉じたままだ。
僕は黒羽の前髪を指でかきあげ、もう一度囁いた。

「お願いです…目を開けて。どうか僕を見てほしい。僕も、君を見ていたい…」

「…………」

伏せた睫毛が震える。微かに黒羽の瞼が持ち上がると、その眦からはらりと涙が一滴伝い落ちた。

「つらいのですか」

「………」

首を振る。
その僅かな振動が伝わったのか、黒羽はア、と声を漏らして体を震わせた。
目と目が合う。
大きな瞳を見開き、黒羽は切なげな吐息と共に僕の名を呼んでくれた。

「白馬…」

「黒羽くん」

「……もっ…と」

「もっと…───?」

「…………」


僕は黒羽に口付けた。

唇が重なり、吐息が溶け合う。甘く。
気が遠くなるほどの愛おしさ。
息苦しくなり、互いに鼓動が荒くなってもまだ放したくない。

どうしようもなくなる。

どうしようもなく熱が高まってゆく。

知らず、黒羽の手を掴み、握りしめていた。

強く。強く。強く…!

すべてが一つになり、気が遠くなるような高みへと昇り詰めてゆくのを眩暈とともに覚えながら、僕は火照る黒羽の頬の美しさを懸命に記憶に留めようとしていた。














─────重い。

寝返りを打とうとしたが、何か重いものが背中に乗っかっていて動けない。

(あっ)

それが素裸の白馬であることに気付き、自分のいる場所が白馬の部屋の白馬のベッドであるのを思い出し、自分が白馬を訪ねてきてからの出来事を思い浮かべて、今さらのように慌てる。

(ちょっ…、てか、マジ重めーんだけど)

なんとか白馬を起こさずに抜け出ようとしたが、無理だった。半分体を覆うようにして腕を回されている。

「目が覚めましたか、黒羽くん」

「……」

白馬のやつ、起きていたのか。
ふっと瞼に吐息がかかったと思ったら、白馬の指に頬をなぞられ、体中が熱くなる。下肢が痺れていて脚が動かせない。そう思うとますます焦ってしまう。白馬の眼差しから逃れるように顔を伏せた。

「ふふ。やはり君は油断ならない」

「な、なにが…だよ」

「逃げようとしたでしょう」

「え?」

「逃がしませんけどね」

「………」

くそ。普段なら『トロい探偵なんかに誰が捕まるかよ』と言い返すところだ。しかし、いまの自分は真実逃げられない。
身も。心も。白馬の腕の中だ。

「!」

指でくいと顎を持ち上げられ、これ以上ない程どアップの白馬が目に飛び込む。視界からはみ出るくらいの、甘い甘い微笑み。

「さっき、なんて言おうとしたんです」

「? さっき…って…」

「ほら、〝もっと…〟って。もっと、なんて言いたかったんですか?」

「・・・・・」

絶句。
コイツ、わざと訊いてんのか?
嫌がらせか、それともホントに天然なのか?!
だとしたら、とんでもなくトロい。
そのうえ鈍い!! ここで訊くかよ、あほう!!

────もっと────もっと深く、もっと激しく────おまえを感じたい…なんて、訊かれて言うかっ!!!

「黒羽くん」

話しかけんな。
絶対返事をしないという意思表示に、俺は顔を伏せたまま白馬の胸に頭を押し付けた。

「君が好きです。今夜のこと、僕は決して忘れません。春が訪れるたび、春の香りとともに、僕は今夜の君を思い出すでしょう。春に咲く花のように薄紅に染まった君の美しさを」


俺は白馬にキスをした。

ほっといたら、こいつどんだけ恥ずかしいセリフ言い続けるかわかんねえ。
黙らすには唇を塞ぐしか────思いつかなかったんだ。






20140330

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※お、お粗末様でした(@_@);; 毎度ですが細かい状況設定説明省略でスミマセン。ここまで読んで下さり感謝です~。

●拍手御礼!
「下弦の月」「ルパン三世vs怪盗キッド」「春花《1/2》」へ、拍手ありがとうございました(^^)。


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