名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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2011年8月26日よりブログ開始
2012年5月GW中にカテゴリ分け再編&アクセスカウンター設置
2013年5月 CONAN CP SEARCH 登録
2013年6月 青山探索館 登録
連絡先:hamanosuronin★gmail.com(★を@に置き換え)
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Design by:タイムカプセル
 

禁断(白馬×快斗)
※白馬くん視点にて。両想いですが少々無理やり系…(*_*;
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僕らの恋は、他人に知られてはならないものだった。

探偵と怪盗としてはもちろん、クラスメートとしても。

普段は素知らぬ振りをして過ごす。
毎日のように教室で顔を合わせていても、言葉を交わすことはごく稀だ。
目が合っても、どちらからともなくすぐに逸らせる。
そうして隠さねばならないと思うほどに、僕はこの恋に溺れてゆく。



昼休み終了の予鈴が鳴ってから少し経っていた。
僕は彼が階段を上ってくるのを見つけ、とっさに身を潜めた。

校内で二人きりになるチャンスはほとんどない。偶然にも、今その少ないチャンスが訪れていたのだ。

「黒羽くん」

呼び止めると、彼は僕を見て首を傾げた。
怪盗らしく油断なく周囲を見渡し、誰の目もないことを確認してから僕が潜んでいた小さな準備室にスルリと入ってくる。

なんだよ…と怪訝な顔をする彼を、ドアを閉め抱き寄せると、慌てたように身動いだ。僕は構わず避けようとする彼の唇を捕まえて口付けた。

ん、んう…、と合わせた口の中で彼が抗議をする。だが、抗われるほど僕の熱は増す一方だ。
ドアに背を預けた彼の体から徐々に力が抜け、ずるずると崩れ落ちる────。

「……ば、かっ。学校だぞ…!」

頬を火照らせながら僕を諫める彼が愛おしく、また同時に恨めしい。

「君がなかなか応じてくれないからですよ。今夜こそ僕の部屋に来てくれますか?」

「んな、わかんねえ…っ」

制服のボタンを外しにかかると、彼は体を竦ませて身を捩った。

「馬鹿、アホ、白馬っ!」

「シッ。誰か来ます」

「…………」

彼が動きを止めた隙にさらにボタンを外し、前をくつろげる。
厳しい目をして僕を非難していても、その素肌は正直に震えていた。

もうすぐ授業が始まるというのに────ほんの少し触れ合いたかっただけなのに────やめられない。
懸命に声を抑える彼が憎いほどに可愛らしくて、苛めたくて堪らなくなる。

(ア!)と、彼が抑え切れぬ声を漏らす。
僕は自分のハンカチを取り出して彼に咥えさせた。涙目の彼は真っ赤になりながら、口に押し込まれた僕のハンカチを噛み締めた。

指を絡め、透明な滴を浮かべ始めた彼を上から下まで数度辿る。
びくびくと彼の体が細かく跳ね上がり、掴まれた僕の腕に彼の指が食い込んだ。
寄りかかったドアが音を発てると拙いので、腰を抱いて少し奥に引っ張る。

「や…め…、 白馬っ」

「静かに」

彼がハンカチを吐き出して最後の抵抗を表した。ハンカチを拾って腹に広げ、さらに彼を促しながら僕は微笑んだ。

「我慢しないで。終わらないと、教室に返しませんよ」

「………っ」

信じられないというように彼が目を見開く。

はだけさせたシャツから覗く胸に手を滑らせ、見つけた突起を少し強く指先でなぞった。唇を噛んで顔を逸らせる彼の表情が堪らない。

愛おしい。恨めしい。僕を虜にして放さない君の魅力。
たとえその瞳が僕を睨んでも、僕はその美しさに陶然としてしまう。

チャイムが鳴る。午後の授業の本鈴だ。

「ア、アッ……!!」

彼が身を捩り、脚をばたつかせた。もう達する。ハンカチで包むようにして僕は彼を受け止めた。


力が抜けて伏してしまった彼の制服を直してやり、僕はハンカチを小さく畳んでポケットにしまった。

「…どうすんだよ、それ」

目を潤ませながら、彼が僕を見上げて問う。

「どうもしませんよ。僕のハンカチですから、持って帰ります」

「バカ、捨てろよ」

彼は焦った顔で起き上がった。

「嫌ですよ。大事にとっておきます」

「ば、ば、ば…っ、よせ、寄越せ!」

ちょっとからかうと、飛びつくように僕の腕にしがみついてくる。
ああ…まったく困ってしまうほどに、君が可愛い。

「では今夜、僕の部屋へ必ず来ること。それも怪盗の姿で」

「えっ」

ドアを開け廊下に出ようとすると、彼は泣きそうな顔をして僕を引き止めた。

「た、頼むから、ハンカチ寄越せ」

「僕の部屋に来てくれますか、今夜」

「う…、わ、わかった…から」

「怪盗の姿で?」

「それは────」

ドアを開ける。

「わかった、わかったよっ、もう!」





僕はそのまま教室に戻ったが、彼は結局六時限目になるまで戻ってこなかった。

少し苛めすぎたかな?

まあ、たまにはいいだろう。
いつもいつも、僕がどんなに彼に手を焼き、振り回されているか想像して欲しい。

渡した僕のハンカチはどうしただろう。やはりすぐに捨ててしまったのだろうか。
彼の半泣きの顔を思い出し、僕は密かに苦笑した。渡さずにずっと手元に置いておきたかった気もする…。

今宵はきれいに晴れた夜空に半月が輝くだろう。
当分学校では口をきいて貰えそうにないが、そのかわりに今夜は堪能させて貰おう。君を。

美しく姿を変える月のように、僕を幻惑してやまない……君の生命を。






20130306


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