名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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突き指(白馬×快斗)
※白馬くん視点から。
やっとup…あっぷあっぷ(@@);;
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左手中指を突き指した。それもかなり酷い。

体育の授業中に、バスケットボールのパスを受け損なったのだから情けない。




クラス対抗の練習マッチだった。バスケットは、英国にいた頃クラブのジュニアチームに参加した経験もあり、僕が得意なスポーツの一つだ。
僕らのクラスのメンバーは、黒羽と僕に加え、それぞれが運動部に所属する精鋭たち。
しかし、相手チームにはバスケ部の次期エースとエースアシストがいた。

たとえ授業の一環だろうと、実力差があろうと、ここで本気で勝ちに行こうと皆を盛り上げるのが黒羽である。
黒羽がメンバーをうまく使って引っ掻き回し、要所で僕がスリーポイントを決める。ゲームは思った以上に白熱した。
途中からは女子たちが先生も巻き込みダンスの授業そっちのけで応援に加わり、追いつ追われつで体育館は大変な騒ぎになった。

二点差で相手リードのまま残り一分を切ったラストチャンス、黒羽が相手ゴール下からドリブルで飛び出した。
スリーポイントラインで待ち受ける僕を、当然相手エースがきつくマークしてくる。
時間がない。僕は目線と体重移動でフェイクを仕掛け、逆に躯を返した。
黒羽が僕を見てロングパスを放つ。
一歩遅れた相手エースが切り返し、パスを遮ろうと体を投げ出すように僕の前に手を伸ばしてくる。反則覚悟のチャージ。
黒羽のパスを、奪われてたまるか───!

差し出した腕が相手エースと交錯する。


だが、結局僕はボールを受け取ることが出来なかった。
タイムアウトのホイッスルが響く。
僕は指を押さえ、体育館の床にうずくまった。
猛烈な指の痛みに、歯を食いしばっていた。










お疲れー、白馬くん。今日は惜しかったね~、お大事に!

玄関で靴を履き替えていると、中森さんたち女子グループがわらわらと僕の横を通り過ぎて行った。
皆が目配せしているので何だろうと思ったら、少し遅れて黒羽が現れた。
仏頂面の黒羽に、僕はため息をついた。


「お迎えねえのかよ。さっさと病院連れてってもらえよ」

「ただの突き指ですよ。かなり腫れてますが、おそらく骨は大丈夫でしょう」

「ヒビでも入ってたらどうすんだ」

「心配してくれてるんですか? 君の渾身のパスを受け損なって怒っているかと思いました」

黒羽は口をへの字に曲げてそっぽを向いてしまった。

「…あそこで君のパスを受け取ってスリーポイントを決めていれば、今頃は」

「タラレバは嫌れーだ。意味ねえ」

「そうですが…勝っていれば君の笑顔が見られたのにと思うと残念です」

「指」

「え?」

「ちゃんと治せ」

「はあ。しかし、しばらくかかりそうですね」

「元通りになんのか」

「さあ。場合によっては曲がりにくくなったり、突き指した所は骨が変形するなんて俗説もありますね」

「バカ! だからちゃんと医者行けって言ってんだ」

思いの外強い語調に驚いて、僕は立ち止まった。

「もしかして、君が心配してくれているのは〝僕の指〟ですか」

「あ───たりめーだ! 俺が好きなのは、オメーの指なんだからな」

「え…? では、僕の指がもし曲がってしまったら、君は」

「知るか」

「あっ、ちょっと黒羽くん、待って下さい!」





・・・・・・・・・・・



白馬の奴、マジ顔で追っかけてきやがる。
長くてキレイな白馬の指が好きなのは本当だけど、〝指だけ〟が好きなわけねえだろバカ。
そのへんマトモに受け取り過ぎなトコが面倒なんだよ、テメーは。

シュートを打つ姿勢がすげーキレーで、試合中ずっとテメーばっか見てたとか。相手のチャージに負けない気合い入った横顔とか…プレー中ずっとドキドキしながらテメーを見てたなんて事は絶対言えねー!

振り返ってアッカンベをすると、白馬はハァハァ息を切らせながらマジで泣きそうな顔になった。

ああもう。めんどくせえヤツ。
なんでわかんねえかな。

俺がオメーに恥ずかしいくらいベタボレだってこと。いちいち説明しなくてもそんくらい推理できっだろ!

走るスピードを少し落としながら考える。
指が痛いだろうから今日のところはそろそろ捕まってやろう。
そんで医者に一緒に行こう。

思い切り投げた俺のパスが、勢い付けすぎてドライブかかっちまって。相手との接触プレイ考えたらもう少し余裕のあるパスを出してやれば良かったな、なんて反省してるってことは…まぁいいか言わなくて。
とにかくちゃんと治さないと、白馬の指見るたびに責任感じるのもやだし。

俺は立ち止まった。
突き指した方の手に白い包帯ぐるぐる巻いた白馬が、やっと追い付いて来る。痛そうだ。
バカなヤツ…。

俺が抱きついたのか、白馬がよろけて俺に抱き付いてきたのか分からない。

『医者行くぞ』と俺が言うと、白馬は『分かりました』と言った。
そして『付いてきて下さい』と言った。

『もう少し君と一緒にいたいから』と。



 


20161018
──────────────────






※白馬くんを出そうと決めて書き始めたものの、ダーク白馬くんに危ないことさせようとしたんですが途中で挫折し…結局平和な?日常話になってしまいました~(*_*;

●拍手御礼
「空耳」「一目惚れ」「ダブルムーン」「月に願いを」「結論」「秋の音」へ 拍手ありがとうございました(^_^)ノ

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