名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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恋患い《1/2》
(新快前提)平次→快斗
――――――――――――――――――


熱が出た。咳も出る。頭が痛い。

やっぱ風邪ひいたか。

家に帰っても一人なので、こんな時くらい工藤を頼ろうと思って学校からまっすぐ工藤邸に向かった。

歩く道々、だんだん眩暈がひどくなる。背中がゾクゾクして寒くてたまらない。これはやばいなぁと思う。
工藤いるかな。

怪盗が探偵を頼るなんておかしな話だが、あの探偵はヘンなところが義理堅いので、体調の悪い怪盗にめったな事はしないだろう……。たぶんだけど。


やっとたどり着いて工藤邸の玄関を叩いた時には、俺はもう倒れる寸前だった。立っているのがつらい。もし工藤がいなくても、これ以上は一歩も動けないと思った。

玄関の扉が開く。俺はほっとして出てきた工藤の胸に倒れ込んだ。


「――どないしたん――うわ、あっつ! こらたいへんや。しっかりせぇ、黒羽!」


……え。え……? 関西弁?

うそぉお……。

体が言うことをきかない。

俺は服部平次の胸に倒れ込んだまま、動けなくなっていた。






「ああー、かまへん、のんびり寝転んで待ってるさかい。 おう、もちろんや。ほんなら後でな!」

携帯を切った。
工藤は当分帰ってこないっちゅーわけや……よっしゃーー!!


オレのすぐ後ろ、工藤邸の客間のベッドで黒羽が寝込んどる。風邪をひいてるらしい。こんな高熱でフラフラなのに工藤を訪ねて来よるなんて、ちょいと妬ける。


「黒羽、水飲むか」

「…………」

少し困ったような顔をしながら、それでも頷く。目が潤んでて、苦しそうな息を漏らす唇が――桜色して薄く開いてて………これは……辛抱デキんかも。
〝口移し〟したろーかと思うたけど、さすがに気の毒なくらい今の黒羽は弱っとる。からかうような真似はやめとこか、とりあえず。

「ほい、水やで。飲めるか?」

肩に腕を差し入れて、水を飲みやすいように上体を起こしてやる。
片手でコップを持とうとするが、それすら覚束ないのでコップを傾けて飲ませてやった。
少しむせて苦しそうに咳き込む。
体はやはりえらく熱い。

「熱が高いで。医者行くか、なんぞ薬でも買うてくるか」

「……だいじょうぶ……。はっとり…いつきたの?」
「黒羽が来るちょっと前や。親父の出張に便乗してな。ここの合鍵は毛利のオッサンとこで借りた」
「くどうは……」
「なんや調べものがあるとかで帰りはちょっと遅くなりそうやって」

黒羽が体を起こす。

「おれ……かえる……」

「なんでや。アホ言うなや。寝とけ、工藤には伝えてあるさかい」

ウソやった。工藤には黒羽が熱出してここに居てること言うてへん。
黒羽は自分がいつアンダーウェア姿になったのかわかっとらんようやった。

「学ランならそこやで」

「……………………」

あきらめたのか、ぼふっと再び枕に頭を落とす。

これが普段の黒羽やったら二人きりのこんなチャンス絶対逃さんのやが――これでは襲うに襲えんがな。

しかし、このまま看病だけして工藤の帰りを待つなんてのは、いくらなんでももったいなさすぎるで。

ここはひとつ…………
添い寝くらいしといたろ。




―――――――――――――――――
恋患い《2/2》へ つづく


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