名探偵コナン・まじっく快斗の二次BL小説。同ジャンル諸先輩方の作品に触発されております。パラレルだらけですが基本は高校生の新一×快斗、甘めでもやることはやってますので閲覧は理解ある18才以上の女子の方のみお願いします。★印のカテゴリは同一設定で繋がりのあるお話をまとめたものです。up日が前のものから順にお読み下さるとよいです。不定期に追加中。※よいなと思われたお話がありましたら拍手ポチ戴けますと至極幸いです。コメント等は拍手ボタンよりお願いいたします! キッド様・快斗くんlove!! 《無断転載等厳禁》

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恋患い《2/2》
(新快前提)平次→快斗
―――――――――――――――


眠りたい。体がそう訴えていた。

この状態で服部の前で寝入ってしまう事に不安はあったが、それでもこれ以上高熱には逆らえなかった。


「黒羽……?」

どうやら本格的に眠ってしまったようや。

黒羽の寝顔に惹き付けられたが、先ずは失礼して学ランのポケットやカバンの中身をチェックさせてもらおか。

――特に不審なものはない。学生手帳。学割定期。ノートと文具類。マジック用らしいトランプ、あと…なんやろコレは? ちっこい何かの起動装置みたいなもん? これもマジック用やろか。気になったがヘタにいじって作動させるとマズいのでさわらんとく。

はっきり怪盗キッドと結び付くようなもんはない……。

まじまじと改めて黒羽の寝顔を見つめ、頭の中で怪盗キッドのモノクルとシルクハットを黒羽の顔に合わせてみる。

(うーーん。わからん)

だいたい、オレは直接キッドと間近で接したことはない。映像のイメージだけでは似ているような気もするし、全然違う気もする。
しゃーない。今日のところは黒羽がキッドかどうかは置いといてやな。

添い寝や、添い寝。

ウキウキするな。

服を脱ぐかどうか迷うなー。
……ま、上着だけ脱いでみよかな。


オレが脇に滑り込むと、黒羽が気付いて一瞬目を開けた。だが朦朧としているらしく、すぐにまた目を閉じてしまう。

そうや……

「――大丈夫か、快斗」
試しに工藤の振りをして肩を抱き寄せてみた。そしたらなんと。

小さく安堵の笑みを浮かべて、黒羽はオレの胸に顔を埋めてきよった。
ドキドキしよるんと、なんや表現しがたい複雑な気分とが入り混じって、胸が痛とうなった。

ううう、やばい。ガマンでけん。

接した黒羽の肌が熱を持ってオレを刺激しよる。
理性がーーー(@o@)/
あかん。吹っ飛びそうやーーー。

と、思ったとたん。

「……くどう……、う…ん……」

「…………」

〝工藤〟の後に何か言ったようやが、聞き取れなかった。この黒羽の寝言のおかげで吹っ飛びかけてた理性がスッと戻った。

――しゃあないな……。

工藤と思われたまま抱くことなんか出来んやんか。
もうこうなったら不貞寝や。フテネ。工藤が帰ってくるまでべったりくっついて寝といたる。へへんだ。





がたん、と音がして目を開けると、部屋の入り口に立ち尽くした工藤が目を白黒させて――顔面ソーハクで口をパクパクしとった。
わはは。狙い通りや。めっちゃザマーミロやで。


そのあと誤解を解くまでちょいと時間がかかったが……紙一重やったが、実際に何も無かったと言い切れたので、まぁ、工藤の機嫌は最悪やったがオレは無事工藤邸を脱出した。当初予定していた捜査についての用件は結局お流れや。仕方あらへん。

それより、寝込んだままの黒羽と工藤がこれからどんな時間を過ごすのかと思うと、正直切なかった。




大阪に戻る新幹線の中で、オレは背中がゾクゾクしてくるのを感じた。
げ。もしや黒羽の風邪をもろうたか?
黒羽の吐息を思い出す。なんやポッポと熱くなる。完全に伝染ったな。
伝染っただけやのうて……こらアレや。黒羽を思い出すと何も食う気も起こらん。
そう。〝恋患い〟や――。
自分で言うのもなんやが、重傷やで。

隣の席の親父に体調管理がなっとらんとかブツクサ説教されながら、オレは寒気に襲われつつ……抱き合う工藤と黒羽の幻影に悩まされ頭からコートを被った。
やっぱり不貞寝するしかなかった、ちゅうわけや――。




20111030

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